その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

揚げ雲雀

2013年02月28日 | Weblog

 

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揚げ雲雀

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雲雀(ひばり)はスズメより一回り大きく約17cmほどです

日本各地の草原や河原で見かけます

見かけは地味ですが、ピーチュルピーチュルと楽しげに

囀る声は大変美しいです

鶯とともに春を告げる鳥として親しまれています

美しい囀りは、雄の縄張り宣言でもあります

今年は鳥が沢山やってきてるので、ひときわ精力的にさえずっています

殆どの鳥は枝などに止まって囀りますが

雲雀は天に向かって垂直に飛びあがりながら

又は上空を飛びながら囀る特徴があります

この急上昇を「揚げ雲雀(あげひばり)」といいます

天高く飛ぶ様を「舞雲雀」

石ころが落ちてくるような急降下は「落雲雀」と呼ばれています

「物草や太郎の上や揚雲雀」 夏目漱石

「凭れ合ふうどんの玉や揚雲雀」 山本あかね

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クロッカス

2013年02月27日 | Weblog

 

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クロッカス

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 ヨーロッパ原産で、秋に植えたのを忘れていた球根

朝庭に出て気がついた新芽が沢山出ていた中に

花が一つ咲いている

いよいよ出番が来たようだ・・

黄色の鮮やかな色が朝日に美しい

例年花が遅れ気味だったので、鉢から地植えに切り替えた

すっかり忘れていたのを思い出させてくれました

今年は紫色のを探したいと思っています

「日が射してもうクロッカスが咲く時分」 高野素十

「クロッカス倖せという日の射して」 玉木春夫 

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ヒヤシンス

2013年02月26日 | Weblog

 

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ヒヤシンス

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幕末のころ日本に来た、シリア、レバノン原産

音読みで「原信子」の字を当てます

観賞用に花壇や鉢植えにされるほか、水栽培にも

小学生の頃、水栽培観察日記を書かされたのを覚えています

花の色が沢山あって、種類をそろえて植えると豪華

文学にもたくさん原信子で使われ

趣のある呼び名に想像を豊かにした記憶があります

秋に植えた球根に芽が出て花を咲かせ始めています

「西伊豆の春は駆け足ヒヤシンス」 清水基吉

「淡き香は風のおとづれ風信子」 文挟夫佐恵 

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スハマソウ

2013年02月25日 | Weblog

 

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スハマソウ

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キンポゲ科の多年草

毎年2月頃になると、1cmほどの小さな花を

雪を割って出てくるのでユキワリソウと呼ばれますが

正しくは、スハマソウ、ミスミソウといいます

スハマソウは葉が3つの山形で

飾りもののせる州浜台に似ていることからついた名前

ミスミソウは葉の先がややとがっています

花弁は実は萼片

季語としては、どちらも雪割草として扱っています

「州浜草鞍馬はけふも雪降ると」 後藤比奈夫

「雪割草古き落ち葉のかげに咲く」 山口青邨 

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週末コラム 18

2013年02月23日 | Weblog

 

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週末コラム 18

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男雲・女雲

出勤途中で見上げた空に、いくつもの積雲(別名わた雲)が

早春の光に輝きながら沸き立っていました 

その上の青空には、白い絵の具を履いた様な

絹雲(別名すじ雲)が流れています

そして、積雲からは、落下中の氷の結晶と思われる

尾流雲が斜めに尾を引いたように下がっています

「種蒔き雲」と「畑雲」がそろっている

こういうときはぱらぱら降ってきます

と考えているとやはり、白い霰が道の転がり

朝日に光りながら溶けてゆきます

この日の朝の雲を「種蒔き雲」と見立てたのは

雲は浮かび、雨や雪が落ちてくる

浮かぶ雲粒と落ちる雨滴の違いは、その大きさで決まります

一粒の雨滴は、雲粒百万個ほどに大きい

零度以下でも水滴の状態にある雲の中に

氷の結晶ができると急成長して落下し始め

途中で溶けて雨滴になります、溶けずに落ちれば雪です

殆どすべての雨が、真夏でも、まず氷晶として出発

雪の形を経過します

空高く流れる絹雲は氷晶の雲

低い空に浮かぶ積雲は水滴の雲です

それが上下重なると、絹雲は積雲に氷晶の種まきをします

そして、積雲が降水をおこします

その意味で、絹雲は「種蒔き雲」積雲は「畑雲」なんです

この雲たちの重なり具合で、豪雨や豪雪がおきます

 

「天井に宴ありとや雪やまず」 上村占魚

天井の宴は、「男雲」と「女雲」の宴なのかもしれない

 

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木瓜の花

2013年02月22日 | Weblog

 

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木瓜の花

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 「木瓜は春咲き」という人も多いですが

カレンダーでは早春ですが、空には時雨雲が出ているころ

例年3~4月頃あちこちで花が咲いてるのを見ますが

もう花が咲き始めている木もあって

ひと足早く咲き始めの花をアップします

中国原産の唐木瓜や真木瓜は高さが3mにもなります

日本原産の草木瓜は1mどまり

淡いピンクの花が咲き始めていますが

やや小振りで少し寒そうにも見える(笑)

一瞬の春の陽気に誘われて急ぎ過ぎた顔をしています

 

「初旅や木瓜もうれしき物の数」 正岡子規

 

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ねこやなぎ

2013年02月21日 | Weblog

 

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ねこやなぎ

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川べりや水辺に野生する柳の一種

日本全国どこにでも見られます

根元から枝をだし雪解けの2~3月頃、葉よりも先に銀ねず色の

つやつやした毛の密生した花穂をつけます

今年もこの花が咲き始めました

子猫を思い出させることからついた名前

ヤナギには楊と柳があり、ねこやなぎは楊

ほかにも、ハコヤナギ、ドロヤナギというのがあります

万葉集には4種詠まれています

刈っても刈っても芽を吹くネコヤナギを

断ち難い恋心にたとえたものです

江戸時代までは、カワヤナギと呼ばれていたそうです

明治以降にネコヤナギと呼ばれるようになったそうです

 

「汀いつも声あり猫柳」 伊藤敬子

「低声にしたしき言葉猫柳」 柴田白葉女

 

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下萌(したもえ)

2013年02月20日 | Weblog

 

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下萌

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すべてが枯れ色に染まった冬が行き

早春のころに、地面から草の芽などが萌えいずることをいいます

まるで枯れ草を押しわけて、雪国では残雪の中から

僅かながら新芽が顔を出し

日の光をすこしでも沢山浴びようとしているような

その生命力あふれる瑞々しい芽吹きは春の到来を感じさせます

萌え出た草が青々することを「草青む」といいます

冬に枯れてしまった草が

春になりよみがえることを「若返る草」といいます

古くから和歌にも詠まれ「したもえ」の語感から

恋歌に発展させ、人知れず恋焦がれる

「下燃え」という意味を持たせた歌などもあります

「くるしさや恋の下萌ほの緑」 正岡子規

「下萌や石をうごかすはかりごと」 高浜虚子

 

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猫の恋

2013年02月19日 | Weblog

 

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猫の恋

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 猫の発情期は三カ月周期ですが、最も盛んなのが春先

発情した雄猫は、赤ん坊のような切なげな鳴き声を上げて

昼夜を問わず雌猫を求めて探し回ります

相手が見つかるまで、食事もしない何日も続きます

家と外を自由に行き来できる飼い猫だと

何日も家を空け、やつれ果てて帰ってくることもあります

昼よりも夜の方が静まり返っている分よく聞こえます

あちこちから聞こえる鳴き声

雄たちが一斉に鳴くときなどは、豪快な争奪戦が繰り広げられます

古人は、このような猫の姿を人間に例え

「猫の恋」以外にも「猫」がつく季語をたくさん生みだし

数々の名句を詠みました

「さかり」ではなく「恋」としたところに

猫と人に通じ合うものがあり、品が保たれています 

「はるかなる地上を駆けぬ猫の恋」 石田波浪

「恋猫の闇に連なる動きかな」 真鍋蟻十

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雨水(うすい)

2013年02月18日 | Weblog

 

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雨水

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陽暦の2月19日ごろを雨水といいます

積もった雪や氷が解けて水になり、降る雪が雨に変わる頃

でも今年は少し趣が違うようで・・季節的の遅れてますね

暖かい地方では農作業を始めるころですがどうでしょう

冬の気圧配置が崩れ、大雪の出る地域もあるのですが

このころに降る春の最後の雪をなごり雪ともいいますが

えてしてドカ雪となり交通機関も乱れます

先日の東京の雪がこれに当てはまるようです

なごり雪という表現では、少し名残惜しむ気持ちも

込められている気がしますが、ドカ雪はお断り

淡雪程度で終わってほしいけれど・・もう雪も終わりかもしれないですね

 

「鉢物のさっと水吸う雨水かな」 佐藤一城

「沢庵の樽臭くなる雨水かな」 本間のぎく 

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