その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

仕合せ拍子(しあわせびょうし)

2008年01月15日 | Weblog

 

仕合せ拍子(しあわせびょうし)

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列車の振動と

 

車輪が出す

 

レールからの音を

 

きみが合わせて手拍子する

 

タン・タタタ~ン・タン・・・・・・

 

聞き方によって

 

人さまざまだけれど

 

列車に乗ると

 

はしゃぐ人 眠る人

 

ぼぉ~っと外を見る人

 

みなこの音 リズムに

 

知らない間に

 

影響受けてるんだね

 

列車の風が

 

荻の穂をリズム豊かに

 

揺らせます

 

ゆらゆら ゆら~~り ゆらら

 

・・・ ・・・・ ・・・

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これぞプラス思考

仕合せ拍子とは

うまく幸運にめぐり合うという意味です

~しゃんと手拍子口拍子 仕合せ拍子うちつれて

顔もいきいきにこにこと~

(歌舞伎「二人夕霧」より)

本当に浮き浮きしてきますね

仕合せ拍子の「拍子」は

もののはずみとか 調子という意味です

そして

幸せという言葉は

もともと 「仕合せ」書いて

単なる めぐり合わせという意味でした

それがやがて

良いめぐり合わせだけを

仕合せと呼ぶようになり

幸いを意味する「幸」という漢字と

結びついたそうです

不幸な仕合せ(巡り合わせ)に

なるかもしれないのに

幸せな仕合せしか考えない・・・

「仕合せ」という言葉も

プラス思考で「幸せ」になったのですね

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 


大盤振舞(おおばんぶるまい)

2008年01月09日 | Weblog

 

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万両を兎の目と見えし千代女かな

 

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大盤振舞(おおばんぶるまい)

 

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植木や花の特別セール

 

近くの花屋さんの

 

大きなチラシ

 

オークション形式

 

万両 千両 百両 十両 一両

 

まとめて千円から

 

大盤振る舞いだよ~~

 

この掛け声に

 

殺到する人々

 

落札価格

 

5千円

 

別々に買った方が

 

安いの声

 

見てるだけでも楽しい

 

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一膳のご飯から

もとは「椀飯振舞」と書いて

「おうばんぶるまい」といいました

「椀飯」とは

お椀に盛ったご飯のことです

平安時代

宮中に参上した人々を

お椀に山盛りのご飯で

もてなしたことに由来するそうです

白いご飯は

この上もないご馳走だったのですね

江戸時代には

正月に親戚など集めて

催す宴会のことをこう呼んでいました

そして 「椀飯」は「大盤」へ

つまり

食べ物を盛った器をのせる台へと

変化していきます

今では

盛大なご馳走を意味するようになりました

気前よくお金や品物を

振舞うときにも使われます

どこまでエスカレートしていくのかわかりませんが

すべては一膳のご飯から始まったことです

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 

 


若菜

2008年01月08日 | Weblog

 

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若菜摘む親子のような嫁姑

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若菜

 

一月七日の夕食は

 

祖母を真ん中に

 

七草粥

 

なんといっても祖母の作る

 

味は誰よりもおいしい春の味

 

来年もまた作ってね

 

ずっとずっと・・

 

うれしそうな笑顔を

 

みんなで祝う春の味

 

・・・

 

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萌え出た緑は「春の七草」

中国には昔から

正月には上の子の日(かみのねのひ・現代の三月ごろ)に

新鮮な青物を食べて

無病息災を祈る行事がありました

それが日本に伝わり

平安時代の朝廷では

正月の最初の子(ね)の日

七種類の若菜を

天皇に献上するという行事を

恭しく行われていました

新年の初めに七種類の若菜を食すことが

万病を防ぐと考えられたためです

野山に入って萌え出たばかりの

緑を摘むことを「若菜摘み」

その若菜を入れるかごを「若菜籠」といいます

今も行われる正月七日の七草粥は

宮廷行事が一般の人々の間に広まったもの

松の内の最後の日に

「春の七草」といわれる七種類の若菜を入れた

おかゆを食べることで

一年間の無病息災を願う風習です

(道行めぐ著「美しい日本語帳」より)

 

芹 なずな ごぎょう はこべら

ホトケノザ スズナ(ダイコン) スズシロ(蕪)が春の七草ですが

仏の座は写真の紫色のしそ科の花ですが

食されたのはキク科のタビラコ(田平子)の葉や茎です

 

 

 

 

 

 

 

 


初鏡

2008年01月07日 | Weblog

 

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何色も重ね塗り見た初鏡

 

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初鏡

 

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外出用の姿見が

 

初詣の日

 

大活躍

 

なんと~

 

きみまで同じように

 

前に後ろに

 

念入りにチェック

 

その場所は~

 

我が家の長老猫の

 

くつろぎの場所

 

半畳ほどのカーペットを

 

長々と占拠されて

 

いってらっしゃいの挨拶もなし

 

おいしいお土産買ってくるからね

 

そんな言葉も

 

尻尾ひとふりだけ

 

・・・・

 

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新年最初のお化粧のノリは?

新年になって

始めて鏡に向かってお化粧することを

「初鏡」といいます

昔の人は

お化粧するのでなければ

あまり鏡を見ることもなかったので

「初鏡」が「初化粧」と同じ意味になったのでしょう

古来 お化粧と鏡とは

切っも切れない間柄だったのです

京都周辺のある地域には

結婚した年の暮れに

実家に鏡餅を贈る習慣があって

そこでは

その鏡餅が「初鏡」と呼ばれているそうです

そんな初鏡もすてきかもしれません

ところで

新年最初のお化粧をするときは

どんなことを考えますか?

「今年こそ!」などと考えて

いつもの化粧より

気合の入り方が違うのでしょうか

 

「初鏡娘のあとに妻座る」 (日野 草城・ひのそうじょう)

 

女性は何歳になっても鏡が大好きなのですね

(道行めぐ著「美しい日本語帳より)

 

 

 


初夢

2008年01月06日 | Weblog

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「初夢に名前をつけて保存する」 

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初夢

 

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とても とても

 

いい夢だった

 

夢のような 夢だった

 

なのに

 

ほとんど思い出せない

 

録画しておきたいくらいの

 

夢だったのに

 

~~~

 

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悪い夢なら見なかったことに

年の初めに見る夢を

「初夢」といいます

宝船の絵を枕の下に置いておくと

よい夢を見るといわれます

でも 実は

その「年に始めに見る夢」については

昔からいろいろ説があるようです

元日の朝に見た夢のことだとか

さらには正月二日の夜に見た夢のことだとか

いったいどれが正しいのやら・・・

でも あれこれ考えずに

正月のうちに見た夢の中で

一番いい夢を初夢にしてしまえばいいのです

細かいこと気にしなくても

年の初めに見た一番いい夢

それが初夢です

(道行めぐ著「美しい日本語帳より)

 

 

 

 

 


淑気(しゅくき)

2008年01月05日 | Weblog

 

淑気(しゅくき)

 

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暖かい部屋から

 

寒気に冴える

 

鳥の歌声を聴きながら

 

年賀状を取りに出る

 

陽射しに透けて

 

浮かぶ見慣れた文字

 

くすりと笑って

 

深呼吸

 

・・・

***

 

不思議なものです

正月の朝の空気は

なぜか昨日までの空気とは

違うもののように思えます

ただ一日 日付が変わった

たったそれだけなのに

なんだか世界中が

新しくなったような気がします

そんな正月のめでたい雰囲気を

昔の人は「淑気(しゅくき)」と呼びました

新春のすがすがしく穏やかな気分のことです

「起こりそむる炭の中より淑気かな」 増田龍雨(ますだりゅうう)

めでたい雰囲気が満ち満ちている新春には

炭の中にすら身の引き締まるような

すがすがしさを感じるのです

(道行めぐ著「美しい日本語帳より)

 

 

 

 

 

 

 

 


お年玉

2008年01月03日 | Weblog

 

お年玉

 

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朝からもっともハイテンションの

 

きみの瞳が輝いている

 

まずは・・

 

おばあちゃんへ

 

新年の挨拶

 

両手をついて正しく挨拶が

 

今年は出来ました

 

そして

 

部屋に戻って

 

今度は両親への挨拶

 

もう生き生きとして

 

あいさつ回り

 

挨拶は生きてゆく上で

 

とても重要な

 

コミニュケーション

 

お年玉のための挨拶に終わらないでね

 

~~~

 

***

 

お金じゃなかったのだけど

お年玉は

もともと年の賜物という意味だそうです

神様にお供えしたお餅などを

お下がりとして分け与えたのが

始まりだといいます

やがて

目上の者から目下の者へ

お餅やお供え以外の品物も

渡されるようになり

いつのころからか

お金に変わってしまったようです

江戸時代には

よく扇が配られたということで

年玉扇という言葉も残っています

今日と祇園の芸鼓さんの挨拶にも

この風習が残されています

今では 神様とも お供えとも

無縁のものとなってしまいましたが

お年玉という言葉には

「この年で初めて授かった大切な贈り物」という

気持ちがこもっているはずです

その心は子どもたちにも

伝えてゆきたいものですね

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 

 


御降(おさがり)

2008年01月02日 | Weblog

 

御降(おさがり)

 

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天空から

 

メッセージが降りてくる

 

・・・

コノ星ハ水ノ星

キミタチハ水カラウマレタ

・・・

流れゆく水

 

洗う水

 

心動かす涙の水

 

水の恵を思い出せと・・

 

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空から舞い降りる新年の祝福

御降(おさがり)

元旦や正月三が日に

降る雨や雪のことを言います

めでたい正月に不吉な言葉は

口にしないという言霊信仰から

「雨降り」や「雨注ぐ」は

「涙」にかかる詞(ことば)として忌み

かわりに「おさがり」となったといわれています

御降(おさがり)が降れば

その年は旱(ひでり)に苦しむこともなく

天がその年の豊作を

約束してくれたしるしとして

たいへんめでたがられたものです

だから

御降のある正月は「富正月」ともよばれました

昔の日本人の

豊穣への期待と祈りの強さを感じる言葉です

(道行めぐ著「美しい日本語帖)より)