仕合せ拍子(しあわせびょうし)
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列車の振動と
車輪が出す
レールからの音を
きみが合わせて手拍子する
タン・タタタ~ン・タン・・・・・・
聞き方によって
人さまざまだけれど
列車に乗ると
はしゃぐ人 眠る人
ぼぉ~っと外を見る人
みなこの音 リズムに
知らない間に
影響受けてるんだね
列車の風が
荻の穂をリズム豊かに
揺らせます
ゆらゆら ゆら~~り ゆらら
・・・ ・・・・ ・・・
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これぞプラス思考
仕合せ拍子とは
うまく幸運にめぐり合うという意味です
~しゃんと手拍子口拍子 仕合せ拍子うちつれて
顔もいきいきにこにこと~
(歌舞伎「二人夕霧」より)
本当に浮き浮きしてきますね
仕合せ拍子の「拍子」は
もののはずみとか 調子という意味です
そして
幸せという言葉は
もともと 「仕合せ」書いて
単なる めぐり合わせという意味でした
それがやがて
良いめぐり合わせだけを
仕合せと呼ぶようになり
幸いを意味する「幸」という漢字と
結びついたそうです
不幸な仕合せ(巡り合わせ)に
なるかもしれないのに
幸せな仕合せしか考えない・・・
「仕合せ」という言葉も
プラス思考で「幸せ」になったのですね
(山下景子著「美人の日本語」より)