その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

病葉(わくらば)

2007年08月31日 | Weblog

病葉(わくらば)

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昨年きみは

紅葉狩りにゆき

赤い葉を「こうよう」と覚えたね

さっそく・だじゃれで~

また「こうよう」といったね

もうすぐまた秋が来るね

一年中赤い葉を見て

こうよう・・こうようといってた

少しだけ恥ずかしかったよ

・・・

***

樹木の涙

病葉(わくらば)

秋を待たずに

赤や黄色に

変色してしまっている葉のことを言います

原因は 病気や害虫 暑さや風通しの悪さ

などなどいろいろあります

語源として

別(わ)くる葉が変化したという説

若葉の意味の「わ」と

虫が食らうという意味の「くら」が

くっついたという説

「脇枯るる若葉」からとったという説

などがあります

また 「たまたま」とか「まれ」にという意味の

「古語」に「わくらば」という言葉があり

これと混同したという説もあります

青々と茂っている葉に混じって

ちらほらと見える

赤や黄色の葉は目立ちます

たまに見えるそんな葉を

「わくらば」といったのではないでしょうか

決して健康な状態ではない葉の

最後の精一杯の華やぎ

そんな病葉(わくらば)を

人々はさまざまな思いを重ねて

見つめてきたのでしょうね

 

 

 

 

 


夕星(ゆうずつ)

2007年08月30日 | Weblog

夕星(ゆうずつ)

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朝お散歩できないときは

夕方暗くなる前にお散歩します

そして朝とは違った

自然を感じながら~

あなたと同じ道をいつも歩きたいと

でもひょっとすると

考えていること違うのかな

一緒だよね・・

・・・

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見えない瞳に守られて

夕星(ゆうずつ)

金星の異称です

中国名を当てて長庚(ゆうずつ)とも書きます

夕陽に続いて出てくるので

こう呼ばれるようになりました

宵の明星 黄昏星(たしがれぼし)ともいいます

「一番星見つけた・・」といって指す星は

きっとこの星でしょう

夕方 西の空に

ひときわ明るく輝いています

明け方に見るときは 

明星(あけぼし) 明の明星 啓明(けいめい) 

彼(か)は誰(たれ)星などと呼れ

昔は夕星とは別の星だと思われていたようです

金星は夕方と明け方しか見ることができません

でも昼間も出ているのだそうです

太陽が明るいから見えないだけで・・そうだよね

ギリシャ神話では ヴィーナス

美と愛の女神

目には見えなくても

いつも私たちを見守っていてくれます

 

 

 

 

 


つくつくぼうし

2007年08月29日 | Weblog

蛁蟟(つくつくぼうし)

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蝉取りが好きなきみは

もう少しで手の届くところの

蝉に向かって

もう少しでつかまえられるのに・・

つくつくおしい~と

まるで漫才・・

駄洒落が本当にうまくなった

・・・

***

 

心の翻訳家

蛁蟟(つくつくぼうし)

つくつくぼうしと思い込んで聞くと

そうとしか聞こえない

でも 昔の人は

さまざまな聞き方をしたようです

旅の途中

病気でなくなった筑紫の人の魂が

蝉になって

「筑紫恋しい、筑紫恋しい」と鳴く

という伝説もあります

「美し、佳し」と聞いた人

「つくづく惜し」と聞いた人

「つくづく憂し(つらい)」と聞いた人

蛁蟟(つくつくぼうし)だけではありません

ミンミンゼミは

「見う見う(会いたい会いたい)」と鳴き

クマゼミは

「然か然か(しかしか)」(そうだそうだ)と

鳴いたそうです

今では音を写し取るだけの鳴き声も

昔は言葉として聞いたのですね

自然と会話する中で

自分を見つめなおしていたのかもしれませんね

蛁蟟の鳴き声

あなたはどのように聞こえますか?

 

 

 

 

 

 


挨拶

2007年08月28日 | Weblog

挨拶

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挨拶を覚えると

だれかれなく

おはようを繰り返す

昼でも夜でも

おはよう~~

でも

その呼びかけがうれしくて

ついつい おなじように

声を掛けてしまう

お・は・よ・う

今日も元気な声が聞こえる

・・・

***

あいさつとは・・

「挨」も「拶」も

押すとか迫るという意味を

持っている漢字です

禅宗では

「一挨一拶(いちあいいつさつ)」といって

打てば響くように問答を繰り返すことで

悟りの深さを測るのだといいます

それが挨拶の由来です

すさまじい迫力で問答を繰り返すことによって

自分の未熟さを知り

また、修行に励んだのでしょう

私たちが日常交わしている挨拶にも

それぞれ意味があります

「おはよう」「こんにちは」「さようなら」・・・

それぞれ

相手をねぎらったり 気遣ったり

無事を祈ったりする

気持ちがこめられているのです

打てば響くように気持ちよく交わす挨拶

自分磨きの一歩なのかもしれませんね

口では「おはよう」といっても

ほかごとをしながらとか

相手を見ないで言うことが多いでしょう

また、いわれても返事をしないことが多くなっている昨今

もう一度

挨拶の基本に立ち返って

自身を磨きなおす機会にしてみてくださいね

 

 

 

 

 

 

 

 


白羽の矢

2007年08月27日 | Weblog

白羽の矢

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目立とうとしてるわけでもないのに

いつも目立ってしまう

そして

二者択一的に

何かを求められてしまうの・・

でも拒否できない

断ることさえ出来たら

私はもっと自由に生きていられるのに

ねぇえ 聞いてる

私の毎度おなじみの愚痴だって

まじめに聞いてないでしょう・・

悲しくてつらいんだよ

・・・・

***

運命の矢

白羽の矢

むかし むかし

いけにえを求める神様がいたそうな

その神様は気に入った娘のいる家の屋根に

こっそり

白羽の矢を立て

娘を差し出せといったのだそうだ・・

各地にこのような民話が残っていますね

多少の違いはあっても大筋は

白羽の矢が立つと

犠牲にならなければならないというお話

今では

「白羽の矢が立つ」といえば

大勢の中から

重要な任務を任せられるなど

どちらかといえば

ありがたいときに使われます

おりしも

安部内閣の組閣の日

白羽の矢はどなたに

古来

弓矢は占い 呪術などに使われてきました

特にまだらがなく

真白な矢羽は

何か運命的なものを感じさせます

現代の白羽の矢なら

甘んじてお受けしますが(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 


今朝の秋

2007年08月26日 | Weblog

今朝の秋

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海を滑るサーファーの背を

朝の太陽が照らしている

波間に落ちる飛沫の色

秋の気配をかすかに映して

・・・

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立秋の朝のかそけき爽やかさ

立秋に写真がまにあわなっかたので

少し遅めの~~立秋の日こと

今朝の秋とは

立秋の日の朝のことです

一番暑いころなので

なかなか実感がわかないのですが

炎暑のさなか

特に今年は・・猛暑などともいいますが

ひと吹きの風に秋を感じ取るのは

日本人独特の

生活感情の豊かさといえるでしょう

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども

風の音にぞ驚かれぬる」

(藤原 敏行)

という 「古今和歌集」の歌が

その心を言い表して余りあります

立秋の日の朝

なんとなく爽やかな目ざめと共に

秋を感じ取る

感受性の豊かさを表す

言葉の代表かもしれません

 

 

 


夕化粧

2007年08月25日 | Weblog

夕化粧

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社会に出たきみは

ことあろうか~

男社会中心の仕事に着いた

青空の下

ヘルメットをかぶり

炎天下に高い塔に上っている

はらはらする我々を

気にすることもなく

毎日をこなしている

そんなきみが

休みになると

ふっと

女に戻る瞬間がある

なんだかほっとするのは

私だけなのだろうか

・・・

***

 

夕化粧は

白粉花(オシロイバナ)のことです

黒くて丸い種を割ると

白粉そっくりの真白な粉が出てきます

きっと

誰でも一度くらい

割ってみたことがるのでは?

最近の人はないかな・・(笑)

夕方に咲くので

夕化粧とも呼ばれています

でも こう呼ぶとなんだか急に

艶っぽい雰囲気になりますね

しかし 白粉花に妖艶なムードはありません

まだ日の高い夏の午後に咲く

濃いピンクや黄色の

はっきりした色合いの花です

健康的な主婦が夕化粧する

そんな感じでしょうか?

日常の家事や雑事に追われながら

女を取り戻す瞬間

胸によぎるのはどんな心模様でしょう

 

 

 

 


狗尾草(えのころぐさ)

2007年08月24日 | Weblog

狗尾草(えのころぐさ)

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雑草の生い茂った空き地に

まっしぐらに走って

きみはいつものように

えのころ草をちぎってくる

そして

おひげを作ってとせがむ

縦に裂いて

半分ずつに分かれたところを

鼻の下にはさんで

おじいちゃんのお髭

愉快そうにきみははしゃぐ

猫じゃらしのように

遊ぶのではなくて

立派なお髭にあこがれる

おじいちゃんっこなのですね

きみもやがて

立派なお髭をたくわえた素敵な

紳士になってください

***

 

かわいい尻尾が揺れてるよ

狗尾草(えのころぐさ)

どこででも見かける

小さな稲穂のようなおなじみの草です

「犬ころ草」が変化したものだそうです

穂が 子犬の尻尾に似ていることから

こう呼ばれるようになりました

犬ころとは小犬のことです

昔は「犬」という漢字は

大きな犬を表し

「狗」という漢字は

小さな犬を表したそうです

また 猫じゃらしとも言います

この穂で 猫をじゃらして遊ぶと

喜ぶことからついた名前です

小犬や猫

身近な動物にたとえられるほど

親しまれて来た草です

かすかな風に

狗尾草の穂がそよそよと揺れる風景

小犬たちが精一杯に

しっぽを振っていると思えば

思わず微笑んでしまいますね

 

 

 


爪紅(つまくれない)

2007年08月22日 | Weblog

爪紅(つまくれない)

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無邪気な顔に

ついついほだされて

許してしまう

あなたのわががまま

気分がころころかわってゆく

ついてゆくのは一苦労

きょうもまた

きみを不機嫌にしている

何をしたのかな

何がいけなかったのだろう~

空がこんなに青いのに

気分は晴れない

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女心は複雑

爪紅(つまくれない)

鳳仙花(ホウセンカ)の異称です

「つまべに」とも「染指草(センシソウ)」ともいわれます

むかしは

鳳仙花の花で爪を染めたそうです

いまのマニキュアですね

その歴史は平安時代からといわれますから

爪のおしゃれの歴史もかなり古いものですね

そういえば

楊貴妃も爪を染めていたそうです

鳳仙花は

中国を経て日本に伝わったそうですから

楊貴妃も同じ方法で

染めていたのかもしれませんね

実が熟すと

種が勢いよく飛びだします

そのことから英名は touch me notです

男性の気を引くために

爪を染めているのに

「私に触れないで!」という

男のほうは 頭を抱えるかもしれません

ごめんなさい~~これが女心です(笑)

 

 

 

 


逢瀬(おうせ)

2007年08月21日 | Weblog

逢瀬(おうせ)

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夜風を受けて

船の灯りが

沖へ 沖へと

滑ってゆく

ねぇえ~

ありふれた幸福が

ふたりには

なぜ こんなに遠いのかなあ

見上げる空には

下弦の月

半分だけの 光が哀しい

・・・

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愛し合う男女が逢うこと

逢瀬(おうせ)

愛し合った男女が逢う場合に

逢瀬(おうせ)という言葉を使います

ただし

何の翳り(かげり)もなく

いつでも会えるハッピーな二人の場合は

あまりこの言葉は使いません

七夕の牽牛と織姫のように

一年にたった一回しか逢えないとか

あるいは人目をはばかる恋人同士

日ごろ思うように逢えなくて

思いが募り募って・・・

という背景があるほうが

この言葉はよく似合います

忍ぶ仲で 密かに会うということで

逢瀬の意味合いがより深くなります

逢瀬の後には またドラマが続きます

逢えばなおさら別れがつらい

人目逢えたあの日が忘れられない

逢ってますます思いが募る

面影が目に浮かぶ・・・・

だからこそ

恋人の逢瀬は

小説でも舞台でも映画でも美しく 

見る人の心を震わせるのでしょうね