その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

えのころぐさ

2012年08月31日 | Weblog

 

***

えのころぐさ

***

 

漢字で書くと「狗尾草」 別名「ねこじゃらし」

イネ科の一年草

短い花穂を子犬の尻尾に見立ててつけた名前

ころは・・・愛称、また花穂で子猫を遊ばせたことから

ねこじゃらしとも言われています

名前が愛らしく草の中でも誰もが知ってる野草ですね

夏の終わりごろから穂を出し始めますが

詩情を感じさせるのはやはり秋ですね

穂が風に揺れる様はあいらしく

朝日夕日を受けて輝く姿は神々しささえあります

同じ種類に「きんえのころ」というのがあります

秋の日が金色の穂にあたり

日が暮れるまで遊んだ子供のころを思い出させます

 

「良い秋や犬ころ草もころころと」 一茶

「触るるともなく触れてゆくねこじゃらし」 足立周子

「ゑのころ草ゆるるが愉し揺れやまず」 竹内和風

 

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口


桐一葉

2012年08月30日 | Weblog

 

***

桐一葉

***

桐は春に香りの高い紫の花をつける落葉高木です

木も割れが少なく湿気を通さないために

嫁入り箪笥や高級家具の材として利用されます

中国前漢時代の思想書「准南子(えなんじ)」の

「一葉落ちて天下の秋を知る」の「一葉」は

桐の葉のことです

開き、ほかの樹木に先駆けて青いうちから落葉します

人の顔が隠れるほど大きな葉です

古来鳳凰が棲むとされ

葉と花は高貴な紋として用いられる樹木なので

敬意と身近さとが重なって共感を呼んだようです

「桐」や「桐の花」は夏の季語ですが

「桐一葉」「一葉の秋」「桐の秋」など

初秋の季語として使い分けています

「桐一葉日当たりながら落ちにけり」 高浜虚子

「わが行手占ふ如く桐一葉」 尾崎陽堂 

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口


花槿木

2012年08月29日 | Weblog

 

***

花槿木

***

 

中国インド原産の落葉低木ですが

日本へは随分古く平安時代にやってきたそうです 

観賞用として庭に植えられ、茶道では夏、秋の代表的な茶花

花の色形も種類が多く愛好家も多い

花の美しさにmかかわらず一日花で

「槿花一日の栄」などとはかない栄華の例えとされています

白花の蕾は胃腸薬に、木皮を水虫薬に利用しています

木槿垣という季語もあるように

垣根にも利用されるほど身近な木ですが

最近は少し庭から減ってるようです

 

季語としての別名

きはちす、もくげ、花木槿、木槿垣

 

「曲家の籬(まがき)木槿の咲きみちて」 山口青邨

花木槿父にも捨てし恋のあり」 塚田登美子

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口


クサギの花

2012年08月28日 | Weblog

 

***

クサギの花

***

 

 下方が筒状で上方が5裂し、4本の雄蕊と1本の雌蕊

赤い額の特徴のある花です

漢字表記は「臭木の花」「常山木の花」「臭桐」

木は目立たないけれど花は印象的でアゲハ蝶がよくやってきます

この時期のてんこ盛りに咲く花はこれだけかもしれない

桐に似た葉なのでちぎってみるとかなり臭い

しかし逆に花はとてもよい香りがする不思議な木です

 

「音たててくさぎの花に山の雨」 長谷川素逝

「長雨の杜に汚れて花常山木」 有馬籌子

  

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口


芙蓉

2012年08月27日 | Weblog

 

***

芙蓉

***

 

古く中国から渡来した落葉低木

淡紅色の5弁の大きな花を開きます

白い花の白芙蓉、八重咲き出始めは白

後に紅色になる酔芙蓉

一日花ですが次々と咲くので花期も長い

蕾のような果実ができ花とのコントラストを楽しませてくれます

初秋の季語にもなっています

 木芙蓉(もくふよう) 花芙蓉 白芙蓉 紅芙蓉 酔芙蓉

使われ方もその場の雰囲気を重んじて上のような季語で使われます

 

「初花の芙蓉に澄めり稽古笛」 能村登四郎

「白芙蓉朝も夕も同じ空」 阿部みどり女

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口


土曜トピックス 43

2012年08月25日 | Weblog

 

***

土曜トピックス 43

***

 

すっかりおなじみになったポイント還元システム

お目当ての商品に「20%ポイント還元」とか

「本日は特別価格にポイントを10%追加」などなど~

これだけですごく得した気分になってくる

しかしよくよく考えると

やはり直接的に安いと感じるのは現金での値引き

同じ20%だったら「ポイント還元」と「現金値引き」では

どちらがお得なんだろう

例えば50,000円のものを買うとして

ポイント還元なら50,000円の2割にあたる

10,000円分がポイントとして付いてくる

いいかえれば50,000円で60,000円分の

買い物ができるということになる

これを割引率で計算すると5万円÷6万円=約0.83

つまり実際は17%の割引なんです

これなら20%割引の方が安いことになる

つまり支払うだけ考えると断然現金値引きが有利

しかし実際は「1万円分がタダ」というとらえ方が一般的で

業界的にも「ポイント還元」とうたったほうが効果的なんです

金額にもよりますが

どちらが負担にならないかよく考えて

衝動買いするのは良くないかも(笑)

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口


つりがねにんじん

2012年08月24日 | Weblog

 

***

つりがねにんじん

***

 

 花と根の組み合わせを持つ名前の「ツリガネニンジン」

花は鐘状で根は朝鮮人参の代用にされたそうです

サポンニという成分を含み

去痰剤(きょたんざい) 強壮剤に使われるそうです

また観賞栽培にも古くから「トトキ草」といい

愛好されたそうです

「山でうまいのはオケラにトトキ」といい~

新芽や若い根が三歳にされたようです

そして朝鮮語のトトクに由来されたとも言われています

宮沢賢治の作品にも「釣鐘草」「ブリューベル」として

しばしば登場します

 

初秋の季語にもなっていて

別名 トトキ 沙参(しゃさん)としても使います

「我が詠めばつりがねにんじん揺れにけり」 加藤楸邨

「山路消ゆ釣鐘人参実となりて」 中島冨美

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口


ナンバンキセル

2012年08月23日 | Weblog

 

***

ナンバンキセル

***

 

ススキ、サトウキビの根に寄生する葉緑素をもたない

全体に淡い紅紫色の形状が珍しい花です

通常、地上には出ない長い花柄を地上に伸ばし

筒状で淡い紫色の花を横向きにつけます

名前についたナンバンキセルは

花と花柄を煙草のキセルに見立てたものです

園芸店などで最近はススキの根元に種をまいて

栽培したものが売られています

 

古くは万葉集にも出てくるこの花

仲秋の季語となっています

別名 思草、南蛮煙管、きせる草

物思いにうつむいているように見る

想像力を駆り立てる花です

「咲くというものにはあらぬきせる草」 森田公司

「掘りとりし小松にそふやきせる草」 木津柳芽

 

(写真は昨年のものを使用)

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口


新涼

2012年08月22日 | Weblog

 

***

新涼

***

 

この時期残暑はきびしいものの

ほっと一息つけるようなすずやかな風が混じり始めました

朝から真夏日という日でも、一時に比べれば

「しのぎやすくなりましたね」と挨拶の言葉が出るような

さらっとした暑さに変わりつつあります

初秋の頃の涼気を新鮮に感じている言葉です

「新涼」と似たイメージで「涼し」という季語もありますが

これは夏の暑さの中に涼しさを求めてあるいは感じる

涼感のことで「暑し」に対応する夏の季語です

言葉をこまやかに使い分けて

涼を喜び楽しむ心映えもまたすがすがしく感じますね

 

「新涼やはらりと取れし本の帯」 長谷川櫂

「新涼や停車の駅に潮匂ひ」 せきみのる

 

写真は「蔓穂(ツルボ)」・・花言葉:風情のある

ユリ科ツルボ属 球根で増える多年草 

学名:Scilla scilloides   別名:参内傘(さんだいがさ)

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口


蜩(ひぐらし)

2012年08月21日 | Weblog

 

***

蜩(ひぐらし)

***

秋の風をどことなく感じさせる夕暮れ

カナカナカナと透明感のある

美しいヒグラシの鳴き声が響き始めます

家路を急ぐ人々を眺め、灯り始めた家々の灯りが

温かさを感じさせます

蝉は地域によってなく順序が少し違いがあると思いますが

だいたいヒグラシ(7/8)、ニイニイゼミ、アブラゼミ(7/9)

クマゼミ、ミンミンゼミ(7/25)、ツクツクホウシ(8/11)の順

昨年の記録ですが今年は随分と鳴く野が遅れています

蝉の雌は鳴きません

ギリシャの詩人がいいます

「蝉は幸せだ 沈黙の妻を持つから~」

この夏 儚く鳴いた蝉は「沈黙の妻」に出会えただろうか

蜩も秋の季語になっています 

「ひぐらしや人びと帰る家もてり」 片山桃史

「蜩や庫裡に和尚の大鼾」 大橋ごろう

 

下の別ブログ名前をクリックすれば移動します

ぱふぱふの別館 ① 「my Favorites photo」 入口