その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

ばら

2012年05月31日 | Weblog

 

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ばら

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バラ科バラ属の総称で薔薇というけれど

原種だけでも200種交配園芸品種をくわえると

たくさんの種類があります

最近では薔薇のトレードマークの刺のない品種もあって

種も多くなって形態がさまざまに変化しています

花は五弁から多弁まで、色も赤、白、ピンク、黄色、紫など

また遺伝子操作で青い薔薇も更に青く美しくなってきてます

日本で最初に薔薇が出てくるのは

万葉集でノイバラが出てきます

古今和歌集では紀貫之が「さうび(そうび)」の題で

薔薇を詠んでいます

広く花木として栽培されるようになったのは

江戸時代末期西洋産の薔薇も多く栽培されたそうです

ヨーロッパでは古くから美と愛の象徴とされ

栽培の歴史も紀元前にまでさかのぼるそうです

 

「針ありて蝶に知らせん花薔薇」 乙由

「夕風や白薔薇の花皆動く」 正岡子規

「咲き満ちて雨夜も薔薇のひかりあり」 水原秋櫻子

「ばらの芽の人なつかしくほぐれけり」 池上浩山人

 

秋に咲く品種もありますが

俳句では夏の季語となります

しばらく前までは薔薇といえば西洋的イメージでしたが

最近はその固定感も薄れてきています

花言葉の「愛」、代名詞の「刺」に

こだわった句も多く見受けられます

 

「薔薇あまた咲かせ苦労かかへこむ」 檜紀代

「若ければ胸高にもつバラの花」 豊田邦和

 

 

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麦の秋

2012年05月30日 | Weblog

 

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麦の秋

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他の植物は秋に黄熟するのに対して

麦は初夏黄色に熟すことから

この季節を麦秋と呼びます

満目新緑の中に広がる黄色の麦畑

絵画的な美しさがあります 

「麦秋の色となりゆく風わたる」 佐藤路草

「麦秋の色そのままにたそがるる」 橋田憲明

「雨二滴日は照りかへす麦の秋」 高浜虚子 

 

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庭石菖

2012年05月29日 | Weblog

 

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庭石菖

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どことなく日本の草のように思える庭石菖

明治中期にアメリカから観賞用として渡来

いまでは野生化して

日当たりの良い芝生や道端で目にします

花は淡い紫色で濃い紫の筋が花びらに入り中心は黄色

石菖に似て庭に植えられたことから付いた名前

6cmほどの小さな六弁の花をつけます

石菖はサトイモ科 庭石菖はアヤメ科

一日でしおれてしまう花に儚い印象の句が多い

 

「濃き日ざし庭石菖を咲き殖す」 上村占魚

 

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栃の花

2012年05月28日 | Weblog

 

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栃の花

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栃の花・橡の花とも書きます

栃の木科の落葉高木・別名をマロニエの花

昭和の歌謡曲の中にも出てくるマロニエの方が

分かりやすい人もいるかもですが

栃の木の花とマロニエの花が同じ科目だったことに驚き

ただ種別が違う仲間なんですね

栃の木の花は白・マロニエは白と赤色(園芸用)

花から多くの蜜が分泌されます

花は20cmにも及ぶ花穂が円錐状に立ち

遠目には白いキャンドルが立っているように見えます

実は栃餅などに使われ有名ですが薬用としても利用され

木目の美しい材は彫刻や漆器の木地

家具材として用いられます

 

「橡の花ひそかに紅を身の奥に」 渡辺恭子

「栃咲くやまぬかれ難き女の身」 石田波郷

「天日に焦げそむ橡の花きよら」 亀井糸游

下二枚の写真は花が散ったもの

背の高い木の上部で咲くために望遠を持っていなくて

アップで写せなくて次の日狙ったら

既にぱらぱらと風に散りかけていたので

散った花も結構美しくて写してみました

何だか生き物のようで・・面白いでしょう

 

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薄暑

2012年05月27日 | Weblog

 

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薄暑

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新緑揺らす風の五月は心地よい季節

一年で一番心地よいかもしれないですね

しかしそれもつかの間

気温がぐんぐん上がってときにはもう真夏

かなり汗ばんで真夏のスタイルも見かけたりします

暑いといっても手ぬぐいを離せないほどではないから

手ぬぐいでぬぐった汗の後の風が心地よい

言葉としてはあまり日常使われませんが

俳句の世界では微妙に違う季節感を

句にしてゆきます

「あぶらとり一枚貰ふ薄暑かな」 日野草城

「水音の方へ薄暑の径たどる」 隅柿三

「ひんやりとパールピアスも薄暑かな」 やまだみの虫

 

写真は・・雪柳の萼片

春に桜と一緒に咲いた花を「綺麗だね」と言った人々の

優しい思いがハートの形になって沢山残ったいます

 

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土曜トピックス 32

2012年05月26日 | Weblog

 

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土曜トピックス 32

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呉服屋さん

どうして和服屋さんといわないのだろう

肉は肉屋さん魚は魚屋さん

洋服は洋服屋さん

でも和服は呉服屋さん

そもそも呉服って何?

古代、貴人の服は中国大陸の呉の国から来た

帰化人たちが織っていたそうです

はじめは「くれはおり」と呼ばれていたものが

次第に「呉服」といわれるようになったそうです

「呉の国の人が作る着物」これが呉服

そして、それを売る店が「呉服屋」ですが

最初は反物を売るだけで

江戸時代には絹の反物専門店に限って

「呉服屋」と呼び、呉服屋の若旦那といえば

ちょっとしたお大尽だったようです

それが時代が下るにつれて絹以外の反物

既製服を扱う店も含むようになり

つまり着物全般を扱う「和服屋」全体を指すようになった

調べてみると面白いことが分かるね

 

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鉄線花

2012年05月25日 | Weblog

 

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鉄線花

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 たくさんの園芸品種があって

最近は早い時期から目にする機会が多い

江戸時代に中国から渡来して鉢植えで観賞されたり

垣根に植えたりされています

日本原産は「カザグルマ」といい

花や草の姿に似ていることからついた名前ですが

絵画や彫刻、織物の絵柄に蒔絵のデザインにされています

またクレマチスの名でも愛好されてますが

クレマチスは萼が6枚のもの八重咲きのもの

形状色彩など色々ですが俳句では単に

「鉄線花」として扱っています

 

「てっせんは花火の花のたぐひかな」 秀吟

「蔓はなれ月に浮かべり鉄線花」 水原秋櫻子

「水いろに夜明けの空や鉄線花」 皆川白陀

 

 

 

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紫蘭(シラン)

2012年05月24日 | Weblog

 

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紫蘭

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 観賞用に栽培されてよく見かける花ですが

山野に自生している花は絶滅危惧種に指定されるほど

園芸種が出回って

シロバナシランや斑入りのフクリンシランなどが人気です

乾燥を嫌うので湿地を好む自生種が減ったのも

周辺が宅地化したからかもしれないですね

 

俳句の世界では初夏の季語になっています

「山の日のくもりやすくて紫蘭かな」 星野麥丘人

「雨を見て眉重くゐる紫蘭かな」 岡本眸

 

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しゃくなげ

2012年05月23日 | Weblog

 

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しゃくなげ

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山地で咲くシャクナゲは街中より少し遅れて

初夏に咲くことで歳時記でも初夏の花として扱っている

日本にはホンシャクナゲ、ツクシシャクナゲなどが自生します

庭木として愛好されているのは

セイヨウシャクナゲが多く愛好されています

シャクナゲの有名なのは日光中禅寺湖畔の群生は

有名で高地の清涼な雰囲気の中で

大きな紅紫いろの花はよく目立ちます

 

「石楠花や朝の大気は高嶺より」 渡辺水ト巴

「石楠花や水櫛あてし髪しなふ」 野澤節子

 

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シャガの花

2012年05月22日 | Weblog

 

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シャガの花

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アヤメ科の常緑多年草

薄暗い林の中で花が浮き立つように咲いています

著莪(しゃが)の花 胡蝶花(こちょうか)といいますが

遊蝶花(パンジー) 蝶草(クレオメ)など

似たような和名の花もあります 

 観賞用に栽培されることもありますが

野生の趣のある姿が美しい

「胡蝶花」の別名があるようにまさに蝶が舞うような

美しい姿をしています

 

「著莪咲いて仏と神の国つなぐ」 神蔵器

「くらがりに来てこまやかに著莪の雨」 山上樹実雄

 

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