その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

白玉(しらたま)

2007年06月30日 | Weblog

白玉(しらたま)

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きみが 雫に興味を持ったのは

ちょうど去年の今頃

雫の落ちるのを見て

どうして落ちるのかって聞いたね

不思議に思うことが

成長してる~って

とてもうれしいことだった

そしてその雫の中に

何かがいるよって

大発見をしてくれた・・

これはね・・

神様がくれたプレゼントだから

写真に撮っておこうねというと

自分で写すと言い出し

撮った写真は なんと

わたしよりも上手い!!

***

 

心の中の真珠

白玉(しらたま)

月の雫、天の露、人魚の涙、月の化身・・

「白玉」とは

世界中で愛され

ロマンティックな名前で

呼ばれて出来た真珠のことです

真珠(またま)ともいいます

「玉」は宝石のことですから

真の宝石と思われたのでしょう

実際、加工しなくても

輝きを放っているのは真珠だけです

今では、真珠といえば

阿古屋貝(あこやがい)ですが

万葉の頃は鮑(あわび)からとっていたそうです

だから鮑玉(あわびだま)とも呼ばれていたそうです

砂やごみなどの異物が入りこむと

それを何とかしようと

貝は分泌液を出します

その分泌液が異物を包み込むことで

真珠が生まれるのだそうです

苦しみも悲しみも

異物のようなもの

その痛みと向き合っていくうちに

あなたの心にも

輝く真珠が出来るかもしれませんよ

 

 

 

 


轍(わだち)

2007年06月29日 | Weblog

轍(わだち)

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失敗するたびに

成長してゆく きみは

そんなことまで?

呆れるほどの吸収力である

そして

すっかりこちらが忘れてしまったことを

ある日 

「これは わ・だ・ち」と

突然言います

長くなるけど~

幼かった頃

散歩の途中で

轍で転んで 顔に傷

大泣きをしたことがあった

それ以来 きみは 

轍を見ると

細心の注意をして歩きます

***

 

もう同じ轍(てつ)を踏まない

轍(わだち)とは

車が通った後に残る車輪の跡のこと

比喩的に

過ぎ去った事柄の跡という意味にも使われます

轍(わだち)を残した車輪は

さまざまに変化してきました

牛車、馬車、人力車、自転車、自動車・・

土の道が舗装されていくにしたがって

轍も残らなくなった今

この言葉もやがて消えてゆくのでしょうか

不思議なことに

「先人の轍を踏む」といえば

単に

「前の人のしたことを繰り返す」というより

「同じ失敗を繰り返す」という意味になります

でも・・

「先人の足跡をたどる」という言葉には

同じ失敗を繰り返すという意味はありません

1歩、1歩、自分の足で歩く・・・

それが大切なんですね

 

 


温顔(おんがん)

2007年06月28日 | Weblog

温顔(おんがん)

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あなたを見ていると

いつもこころが 穏やかになれる

あなたの何気ない表情も

そして

あなたの優しい寝顔さえも

わたしの

こころも からだすべてを

穏やかにしてくれる

あなたをみていると

こころが解けてゆく

あなたの寝顔を見ながら

いつもいいます

しあわせを

ありがとう

 

***

 

無敵の表情

温顔(おんがん)とは

おだやかで

温かみのある優しい顔のこと

笑顔は作ることが出来ても

温顔はそうはいきません

その人に備わった表情のことですから・・

「温顔無敵」

温顔にかなうものはないということです

イソップ物語の

「北風と太陽」の

お話を思い起こさせます

旅人の心を溶かして

外套を脱がせることが出来たのは

厳しい北風ではなく

太陽の笑顔でした

こころを暖かくしてくれる顔

かたくなな心も溶かしてくれる顔

最後に温顔は勝つ

いとおしいものを見るとき

温顔が生まれます

周りがいとおしいもので満ち溢れるとき

無敵になるのかもしれませんね

がんばってこれからも・・

温顔になれるように~

 

 

 

 

 

 


序破急(じょはきゅう)

2007年06月27日 | Weblog

序破急(じょはきゅう)

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きみと 公園のボートの乗った

白鳥さんの形をした

足で漕ぐボート

きみの興奮は最高潮

でも~~

一生懸命漕いでいても

なかなか進んでくれないね・・

よいしょよいしょ・・

ようやくすいっす~~ぅいと

静かな湖面を動き始めた

楽しみに乗ったボートを

漕ぐのをやめたそうな顔が

また・・ぱっと・・輝きだした

つまらなそうな顔が・・もうすっかり

今までのこと忘れている

すいすいと・・池の真ん中まで

目の前をツバメが・・

チチッと何か言葉をかけて

飛んで行く

きみは船長さんか

この間見た映画の

海賊王になったように

胸を張り

遠くの空を見つめている

***

 

おのおの序破急をそなえたり(「拾玉得花」)

序破急(じょはきゅう)という言葉は

雅楽、能、舞踊、連歌など

さまざまなジャンルで使われます

もともとは

雅楽の曲の構成で

「序」は

はじめのゆっくりとした、拍子にならない部分

「破」は

中間部で、拍子にあった

穏やかなテンポの部分

「急」は

最後の、早く軽快な部分ということです

やがて

世阿弥が「すべてのものに序破急がある」と

といて、序破急を重んじるようになり

さまざまな分野へと広まってきたそうです

生命のリズムも決して一定ではありません

たとえば

努力しても努力しても

成果が出ないとき

それは・・

あなたの「序」のとき

リズムに乗って順調に進める

「破」のときや

勢いづいてぐんと伸びる

「急」のときが

その後にきっと

待っています

 


潦(にわたずみ)

2007年06月26日 | Weblog

潦(にわたずみ)

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雨の日は 

少し憂鬱そうなきみ

でも散歩と聞くと

満面の笑顔

そうよね

また あのいたずらができるから

長靴はいて

水溜りを

ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ・・

おもいっきり

長靴けとばしたり

長靴をバケツ代わりの

砂場遊び

心配しなくてもいいよ

好きなだけ濡れなさい

いつかきっと

素敵な思い出になるんだから

・・・

 

ささやかな流れが・・

潦(にわたずみ)とは

雨が降って出来る

水溜りや流れのことです

語源は諸説あるようですが

庭立つ水、つまり

庭に溜まった水という説が有力です

潦という

漢字だけで

大雨や長雨という意味を持っています

あまりなじみのない言葉ですが

雰囲気のある、美しい言葉ですよね

よく似た言葉に

「俄か川(にわかがわ)」というのがあります

こちらの方が意味は通じやすいようですが

雨が降ってできた

小さな水溜りや流れを表現するなら

潦(にわたずみ)でしょうか・・

ボンヤリと潦(にわたずみ)を見ていると

小さな一筋の流れが

やがて

少しずつ大きな流れになっていったり

別の流れに分かれたり、重なったり

それは

大自然の縮図を見るような

また

人間の縮図にも見えます

 

 

 


蛍火

2007年06月23日 | Weblog

蛍火

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流れ続ける せせらぎの上空で

蛍の光りが 交差してゆく

あれは

わたしたちの分身だろうか

夏はどこまで

つづくのだろう

・・・

***

 

蛍火

むかしは

「ほう、ほう、ほうたる来い」などと

歌いながら蛍見物するのが

初夏の風物詩でした

「蛍火」「初蛍」「宵蛍」「蛍舟」「蛍籠」などの

美しい言葉が残っています

無数の蛍が入り乱れて飛ぶ情景を

「蛍合戦」ともいいます

いまは環境の汚染で

自然に飛び交う蛍の姿は

限られた場所でしか見られません

特に、都会では

養殖蛍を、広い庭園に放っての

「蛍見」なども行われるようですが・・

それでも、季節の趣を求めて人が集まります

蛍のはかない美しさは

いつの時代でも

人の心を捉えて離しません

 

 


麦秋(ばくしゅう)

2007年06月22日 | Weblog

麦秋(ばくしゅう)

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今年の夏も

「美味(うま)いビールがのめそうだ」

そう言って

あなたは わたしの手を取った

ロマンティックは 望み薄だけど

金色の麦のしっぽで

愛が揺れている

・・・・

***

 

一面黄金色の麦の刈り入れ時

穀物の多くは秋に熟しますが

麦だけは初夏が刈り入れ時

6月の太陽の中

野山も田畑も青々とした中

麦畑は金色の穂波を揺らせています

麦にとって収穫の秋ということから

「麦秋」「麦の秋」という美しい言葉が生まれ

俳句の歳時記の夏の季語になっています

ちょうどこの時期

麦熟星(牛飼座の一等星)も輝きだします

麦は梅雨に濡れると発芽してしまうので

梅雨前にいっせいに刈り入れます

麦車で運び、麦こき、麦打ちなどするのが

日本の農村の原風景でしたが

最近めっきり少なくなってますね

 


青田

2007年06月21日 | Weblog

青田

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白いお米を 

ほおばりながら

「日本人でよかったぁあ~」 と

きみが笑う

そうだね・・

今(ここ)に 生まれてよかった

きみと・・

こうして・・

~~~出会えたから~~~

 

***

 

青田

苗が伸びて

青々と連なる田

稲がだんだん伸びて

株別れして茂り

一面に青々とした水田が広がる様子を言います

風が葉をそよがせる青田の連なりは

色彩的にも美しく

最も日本らしい風景のひとつですね

田の面(おもて)を

「青田面(あおたづら)」

吹き渡る風を

「青田風」

風につれて波立つ稲葉は

「青田波」

この季節を

「青田時」

青田の中の道を

「青田道」

まだたっぷり水面が見える早い時期の田を

「早苗田(さなえだ)」「植田」「五月田」といい

言葉によって田んぼの微妙な

季節の移り変わりがわかります

 


恋忘れ草

2007年06月20日 | Weblog

恋忘れ草

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とつぜん 本当に突然

あなたはつぶやいた

つらい恋をしたことある?

なぜそんなことを?

彼はゆっくりと話し始めた

内容は

彼の友人が大失恋をして

かなり落ち込んでいるから

なんとかしてやりたいと・・

やさしさにふれた言葉だけれど

つらい恋をしたときは

そっとしておくしか他人に出来ることなど

何もない気がすると・・

口まで出掛かったけど

飲み込んでただうなずいた・・

***

 

つらい恋をしたときは・・

恋忘れ草は

萱草(かんぞう)の異称です

初夏から夏にかけて咲く

ユリに似た美しい花で

昔から

つらい恋を忘れさせてくれる花として

和歌にも詠まれてきました

漢方薬で使われる甘草(かんぞう)と

同じ音ですが

甘草はマメ科、萱草はユリ科の植物です

~忘れ草 我が下紐(したひも)に つけたれど

 醜(しこ)の醜草(しこぐさ) 言(こと)にしありけり~

(「万葉集」大伴家持)

(忘れ草を下着に付けたけれど、ひどい草だ。全然違うじゃないか)

醜(しこ)の醜草(しこぐさ)とは

よほど腹に据えかねたのでしょう~

つらい恋を忘れさせる効き目はなかったようです

また

恋忘れ貝というのもあるようです

昔は

恋を忘れたい人が多かったようですね

 

 

 


車前草(しゃぜんそう)

2007年06月18日 | Weblog

車前草(しゃぜんそう)

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散歩の途中で 真剣勝負

今日も始まる

草相撲

大葉子名古屋場所

はっけよい~ のこったのこったぁあ・・

やった!!ついに あなたに勝った

大金星

1勝13敗

明日・・千秋楽?

何事もなかったように

またあなたと歩く

朝の散歩

いつも楽しくしてくれて有難う

***

 

強さと弱さと・・

車前草(しゃぜんそう)とは

大葉子(おおばこ)の異称です

「車前」とは

中国語で

車の通る道端という意味だそうです

「大葉子」の「子」は

親しみをこめた接続語

小さな草の割りに大きな葉っぱから

この名前がついたとか

漢方薬にもなり

どこの道端にも生えているこの草は

車や人に踏まれても

踏まれても・・・

たくましく育ちます

でも

踏まなければ、絶えてしまうのだそうです

いわゆる

踏み草植物と呼ばれる代表格です

なんと因果な・・

身につけた強さが

逆に弱点になってしまうのでしょうか

それとも弱いから

強さを装っているのでしょうか

強さと弱さは隣り合わせ

それだけは覚えておいたほうがよさそうですね