その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

鶏頭

2011年10月31日 | Weblog

 

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鶏頭

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日本に渡来した時期は不明ですが

万葉の時代にはすでに花の汁が「からあゐ」として

染織に用いられていたそうです

江戸時代には食用にもされ

貝原益軒「菜譜」にはおひたしにして食べると

ヒユ(莧、野菜)よりもうまいが和え物としては

ヒユに劣るという意味のことが書かれているそうです

また 宮崎安貞「農業全書」では

ヒユよりも味が良いとされているそうです

また花茎と花穂は薬用に用いられたそうです

歳時記では鶏頭を

扇鶏頭、箒鶏頭、槍鶏頭、房鶏頭

ちゃぼ鶏頭、紐鶏頭、韓藍の花として種類に応じて

形が多様なために使い分けています

 

「ぽつぽつと痩せけいとうも月夜也」 一茶

「鶏頭に秋の日のいろきまりけり」 久保田万太郎

「鶏頭をはなれたる目の行方なし」 加藤楸邨

 

 

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週末トピックス 5

2011年10月29日 | Weblog

 

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週末トピックス 5

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(写真と文は関係がありません)

「いたずら」

男の子はいたずらが大好き

男の子はびっくりすることが大好き

だから

人を驚かすのも好き

大好きな女の子には

大好きないたずらをする

好きな女の子に

自分を好きに

なってもらいたいから

だから

ねえ

怒ったりしないで・・

喜んでくれないかなぁあ

って男の子は

思うのだ

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落穂

2011年10月28日 | Weblog

 

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落穂

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晩秋 稲を刈り取ったあとの田や道に残された

「稲穂」のことを言います

「落ち穂拾い」というと 農民の働くさまを

生き生きと描いたフランスの画家ミレーの絵画を

思い浮かべますすね

欧州の麦畑は同じミレーの「種蒔く人」に

見られるように畑に種をばらまき

収穫は長い鎌で立ったまま刈り倒します

日本の整然とした稲田に比べ

集めきれずに残った落ち穂は無数です

一粒のコメも無駄にせず大切にする思いから

日本の農家でも落ち穂拾いを大事な農作業の

一つとして行ってきました

今では 農機具で刈り込まれ稲の落ち穂を拾うことは

殆どなくなりましたが 収穫物一粒一粒への思いは

農家の人々の暮らしと密接であり世界共通と言えます

 

「豊かなる年の落ち穂を祝いけり」 河東碧梧桐

 

 

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冬支度

2011年10月27日 | Weblog

 

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冬支度

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日中の気温もようやく低くなって秋らしくなった

すると急に朝夕はもう冬の気温

身のまわりのものが冬のものに切り替わる

衣更えが最近は季節のイメージ通りにならなくて

真夏の気温でも衣料品店は

秋冬のものを展示していますが・・実際は身に沁みるほど

寒さを感じないと冬ものが出てこない?

しいて言えば学生服が変わることで季節感が~

一年中冷暖房の部屋で過ごすと季節感が薄れてしまう

気がつけば夜の食卓も鍋ものが多くなる

やはり気温が下がって始めての冬支度って気がする

木々の葉っぱだってまだまだ青々してる

街の中はまだまだ夏が潜んでいます

今まで緑色が爽やかに見えていたのに・・温度が下がると

緑色見ても寒々しく思えてしまう燃えるようなモミジが喜ばれるのは

色ばかりではなく燃えるような色に無意識に

温かいものを求めているのかもしれない

紅葉も間もなくですね

 

「空廻りさせてリフトの冬支度」 古賀昭浩
 
「暇あれば暇ある時に冬支度」 稲畑汀子
 
 

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秋の雨

2011年10月26日 | Weblog

 

 

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秋の雨


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季節によって降る雨中で秋の雨は

霄壤(しょうじょう)と降ると言います

あまり聞き覚えのない言葉かもしれませんが~

ものさびしく感じる雨のことを言います

秋の雨はものさびしく趣がありこの雨がなが続くと

「秋凛(しゅうりん)」「秋徵雨(あきついり)」といいます

・・・

「港の灯ともり秋霖けぶらしぬ」 稲畑汀子

「京が好きこの秋雨の音も好き」 中村吉右衛門

「秋雨や駅にはいつも別れあり」 山田弘子

 

 

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無花果(いちじく)

2011年10月25日 | Weblog

 

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無花果(いちじく)

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人も鳥も動物も待ちに待った実りの秋

なかでも「無花果」は毎年庭で実のると

鳥たちと取りあいになるほどあちこちの庭にあった

最近はそれが少なくなり

熟れて割れる寸前にもぎとるその実は

甘く瑞々しい秋の味覚です

世界でもっとも古くから親しまれてきた果物の一つです

最近はお菓子などにもよく使われていて

皆さまも口にされていることでしょう

花が咲かず実をつけるように見えることから

漢語で「無花果」と呼ばれています

実際 食用の実の部分は花嚢の中に小さな花が

集まって実になっています

果実が一カ月で熟すから また 一日一果実ずつ熟すから

「一熟(いちじゅく)」そして「いちじく」と

呼ばれるようになったそうです

 

「少年が跳ねては減らす無花果よ」 高柳重信

 

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秋曉(しゅうぎょう)

2011年10月24日 | Weblog

 

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秋曉(しゅうぎょう)

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 秋の明け方のことを秋曉といいます

秋の朝には深まる秋を感じさせる季語が沢山あります

「白露(はくろ)」は草木に露が光っているさま

その露が凍って霜になる頃は「寒露(かんろ)」といいます

「霜降(そうこう)」は霜の降りるころ

「朝寒(あさざむ)」は息が白くなる気温になったこと

露や霜といった水に関連する言葉があることで

「秋の水」の美しさを感じ 朝日がいっそう輝いて見えます

秋曉には夏の暑さからさわやかな秋へ

そして冬へと向かう大きな季節の変化を受け入れ

新しい気持ちで新しい日を迎えてきた

真摯な人の営みのすがたなのです

まだ暗い秋曉に視覚や肌で感じているのは

自然への崇拝の念と その厳しさへの

畏敬 畏怖の念かもしれません

 

「秋曉の蟻するするとのぼりけり」 柚木紀子

 

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週末トピックス 4

2011年10月22日 | Weblog

 

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週末トピックス

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今週は少しほのぼのとした話を・・・

ある小学校でのお話

雨が降ったりやんだりの日の授業が終わったころ

一年生の男子生徒が職員室へ

担任の先生のところにやってきてこう告げました

校庭の隅の木に赤い傘が引っかかっています

担任の先生がその傘を枝から外して

傘を見ると同じクラスの女の子の名前が書いてありました

直ぐに親御さんのところに電話すると

女の子はまだ帰っていなかった

そこで先生は明日学校でお返ししますから

心配しないように伝えてくださいと親に告げた

しばらくして学校に電話がかかった

先ほどの赤い傘の子のお母さんからの電話でした

子供の話では校庭でいつも見る木に

赤い可愛い実がなっていてその木が大好きだから

赤い実が雨でぬれて落ちないように

傘をかけてきたんだそうです

その話を聞いて先生は心が何だかとても温かくなったと・・

女の子のやさしい思いやりと愛情に

先生はその子がとても愛おしく思えたそうです

 

写真はすサンシュウユの実で文面とは関係がありません

 

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いわし雲

2011年10月21日 | Weblog

 

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いわし雲

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秋の雲は高度が高いのが特徴です

真夏の高気圧による もくもくと大きく立ち上がる

入道雲は姿を消し高度6000m以上に巻積雲は薄く広がります

小さな雲片が連なり空一面にさざ波のように見えます

これを「いわし雲」といいます

巻積雲は形状によって「うろこ雲」「さば雲」

おおきなかたまり雲は「羊雲」とよばれます

またいわし雲が出ると鰯が大漁になると言われています

青く澄んだ秋の空のいわし雲も爽快ですが

夕焼けに染まるいわし雲には郷愁を誘う懐かしさがあります

電灯がともり家家の台所からは夕餉の匂いが漂います

そんな温かみのある広がっているように

感じさせる季語です

「鰯雲人に告ぐべきことならず」 加藤楸邨

 

 

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寒露

2011年10月20日 | Weblog

 

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寒露

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二十四節季の中の一つに「寒露」というのがあります

太陽暦では丁度10月8日ごろです

太陽が黄経195度を通過した瞬間または

その日から霜降までの期間を言います

秋分から数えて15日後ですね

冷気が徐々に深まり露が冷たく感じられ

草葉の露も寒さで凍って霜となる意味で

字面からも寒々しさが伝わります

「寒露」のころは 移動性高気圧の影響で

天候は安定して湿度が下がり

過ごしやすい陽気が続きますが朝夕はめっきり肌寒くなります

秋空が澄んで冬の到来が近いことを予感させます

「露寒し」という季語がありますが

11月に入って実際に露や霜が降りる寒さのことを言います

 

「水底を水の流るる寒露かな」 草間時彦

 

 

 

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