伊呂波歌(いろはうた)
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毎年カルタ大会の
優勝者だったきみが
はじめて
百人一首カルタに
挑戦
みごと惨敗
どれ見ても同じに見えるらしい~
泣きっ面解消は
坊主めくりに勝ったころ
きみは正直で熱心だ
すぐに態度でわかる
暇さえあれば・・
わからない文字を見つめて
ひたすら記憶のノートに書き込んでいる
来年のカルタ大会は
きっと泣かずにすむだろう
・・・・・・
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究極のパズル
~色は匂へと 散りぬるを
我かよ誰そ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて
あさき夢見し 酔ひもせす~
仮名四十七文字(「ん」を入れた場合四十八文字)
全部を一回ずつ使って歌にした
「いろはうた」見事ですね
ちゃんと意味も通じます
他にも あめつちの歌 とりな歌など
名作が残っています
ちなみに・・あめつち歌は
~天(あめ) 地(つち) 星 空 山 川 峰 谷
雲 霧 室 苔 人 犬 上(うえ) 末(すえ) 硫黄(ゆわ)
猿 生(お)ふせよ 榎(え)の 枝(え)を 馴れ居て~
とりな歌は
~鳥鳴く声す 夢覚ませ 見よ明けわたる 東(ひんがし)を
空色映えて 沖つ辺(へ)に
帆舟(ほふね)群れゐぬ 靄(もや)の内~
昔の人は
いろいろな言葉遊びをしてきましたが
伊呂波歌(いろはうた)は
究極のパズルといえますね
(山下景子著「美人の日本語」より)