その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

ほていあおい

2011年08月31日 | Weblog

 

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ほていあおい

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夏の風物詩・・夜店の金魚売り

買うとこのホテイアオイをひと房入れてくれて

金魚鉢が涼しげに見えた子供のころの記憶

このホテイアオイはアメリカの亜熱帯、熱帯地方が原産

最近は自生のものよりも栽培されたものが多いそうです

近くの池に行くと今でもかなり自生していて

夏になると池全体に広がって~

短い間ですがこんな花が咲きます

朝方霧雨が降っていたので露・滴を期待して

写真を写しに出かけました

朝日とともに気温が上がって細かな滴は

見る見るうちに消えてゆきます

英名 ウオーター・ヒヤシンス

ヒヤシンスに似た清涼感なるはです

 

俳句では晩夏の季語

「ほてい草月の面を流れ過ぐ」 福田蓼汀

 

 

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ナンバンキセル ふたたび

2011年08月30日 | Weblog

 

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ナンバンキセル ふたたび

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先日アップしたナンバンキセルが

ピンボケだったので・・再度写しなおしてきました

出かける前に雨が降って

またまたススキがびしょぬれの悪条件・・

写しつらい場所でしたがそれなりに写してきました

あまり変わり映えしませんが

花よりも滴が気になってしまった写真になりました(笑)

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おみなえし

2011年08月29日 | Weblog

 

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おみなえし

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「萩の花尾花葛花なでしこの花

またおみなへし藤袴朝貌の花」

秋の七草は「万葉集」に詠われた山上憶良の歌がもとになっている

子供の頃 このおみなえしだけ見たことがなくて

どんな花だろうと空想していた

家には七草を求めて野をさすらう女の人を描いた

美しい絵本があって 日本画家が子供のために

描きおろした絵で見るおみなえしは

黄色で小さな雲のようで いつの日か出会うことを

楽しみにしていたが、初めての山で見つけた

おみなえしはこれといった華のないやせた黄色い花でした

なんと地味な花だろうと少なからずがっかりした

大人になってようやくこの花の持つ何気ない優しさ

この花を愛でた万葉の人々の気持ちを

少し理解できるようになりました

女郎花(おみなえし)

学名 Patrinia scabiosaefolia  英名 patrinia

別名 オミナメシ メチグサ アワバナ

名前の由来は オミナ(女) メシ(飯)で

小花を粟飯に例えたなど諸説あります

花ことばは・・・親切

 

歳時記では秋の花

「ひょろひょろと猶露けしや女郎花」 芭蕉

「女郎花の中に休らふ峠かな」 正岡子規

「女の香放ちてその名をみなへし」 稲垣きくの

 

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蕎麦の花

2011年08月28日 | Weblog

 

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蕎麦の花

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中央アジア原産の栽培植物

縄文時代の遺跡からすでに蕎麦の花粉が見つかっているほど

長い付き合いの蕎麦ですが

葉っぱがハート型で葉の下部は

鞘状になって茎を包んでいます

俳句の中に登場する季節感は

微妙なニュアンスの違いや季節の移り変わりが

巧みな表現で詠まれています

蕎麦には夏ソバと秋ソバがあり

季題の「蕎麦の花」は秋ソバを指します

そして冬の季語には「蕎麦を刈る」というのもあります

「蕎麦の花終わりて山に雲のこす」 大串章

「蕎麦はまだ花でもてなす山路かな」 芭蕉

 

 

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ナンバンギセル

2011年08月27日 | Weblog

 

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ナンバンギセル

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ススキやサトウキビの根に寄生する花です

葉緑素を持たず全体が淡い紅色

名前の由来は花と花柄を煙管に見立てたもの

最近は園芸店でススキの根元に種をまいて

栽培したものが売られています

万葉集にも詠まれているこの花は

歳時記では仲秋の花

別名 思草(おもいぐさ) きせる草

 

「掘りとりし小松にそふやきせる草」 木津柳芽

「行く秋の何思草粉となんぬ」 矢島渚男

 

風で揺れてたのを難しい姿勢で写して

しっかりピンボケですが・・初登場ということで

次回にしっかりきれいな花写して再登場予定です

 

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ミソハギ

2011年08月26日 | Weblog

 

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ミソハギ

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日本各地の山野の湿地や田のあぜなどに咲きます

この花の由来は

盆花として仏前に供えるので禊萩が転じて

ミソハギになったそうです

花の穂で供物で水をかける風習からの名前もあります

呼び名もいくつかあって

精霊花(しょうりょうばな)、溝萩(みぞはぎ)、鼠尾草(みそはぎ)、

千屈菜(みぞはぎ)、水懸草(みずかけぐさ)、

水萩(みずはぎ)、草萩(そうはぎ)

江戸中期の国学者天野信影は

昔の医書にミソハギが喉の渇きを止めるに効くとあるので

亡者の渇きを癒す為にするのではないかと考察

また、全草を乾燥させたものは千屈菜として

下痢止めの薬と使ったそうです

この花も俳句の初秋の季語になっています

「みそ萩や水につければ風の吹く」 一茶

「溝萩や売らず作らず田一枚」 皆川白陀

 

 

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臭木

2011年08月25日 | Weblog

 

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臭木

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 クマツヅラ科クサギ属の落葉小木

桐に似た大きな葉が特徴です

葉や枝に臭気があって名前の由来にもなっています

長い雄蕊が4個特徴的に花冠殻付きでてきます

蝶や昆虫が甘い香りに吸い寄せられるように集まります

白い花が咲きやがて卵型の萼片は

果期には平開して紅色になります

果実がまた美しい藍色になり日に輝く宝石のようです

歳時記ではこの花を秋の季語としています

俳句ではこの花の呼び方は次のように

「臭木の花」「常山木(くさぎ)の花」「臭桐(くさぎり)」

 

「花常山木飛び去る蝶ありながら」 星野立子

「海手より暮れしづむ日や花臭木」 松村蒼石

 

 

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サギソウ

2011年08月24日 | Weblog

 

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鷺草

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まさしく鷺が真っ白な羽を広げて飛んでいるような花で

その姿は繊細で美しい

美しいが故に乱獲されて今は栽培種を小さな鉢で愛でるだけで

自然の中で見ることは難しくなっています

幸いこちらでは植物園の湿地帯に植えられていて

野からなくなったけれどその雰囲気を味わうことができます

鳥の鷺は人里近くで長い足とくちばしで

のんびりえさをついばんでいます

やがて突然何かを思い出したように

真っ白な翼を広げて飛び去ってゆきます

美しく広げた羽がまぶたに残ります

鷺草の美しさは失われてしまっていますが

花の名前とともに鷺の美しさがいつまでも自然で

残ってゆくことを願ってしまいます

サギソウ 別名 サギラン

学名 Habenaria radiata 英名 fringed ordiata

江戸末期に栽培がはじまり「双鶴らん」「飛鶴らん」とも言われた

花ことば 「繊細」

歳時記の花でもあります

「鷺草のおくれ咲きしも翔けそろふ」 水原秋櫻子

「鷺草のそよげば翔つと思ひけり」 河野南畦

 

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さびたの花

2011年08月23日 | Weblog

 

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さびたの花

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夏の暑い時期に咲くアジサイに似た花

3~5片の装飾花と多数の両性花を開きます

幹の内側の皮を 和紙を作る時の糊料として用いることから

ノリウツギの名前があります

さびたの花というよりもノリウツギと言ったほうが

よくわかるかもしれない

トロロアオイなども糊料に使われますが

それよりも腐敗しにくく長く粘り気を保つことから

材も丈夫でパイプのほか木釘や杖

傘の柄などにも利用されています

「さびた」という呼び名は

北海道での呼び名ですが 白色の花が清涼感があり

北海道の夏によく似合います

「花さびた十勝の国に煙立つ」 加藤楸邨

 

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稲光

2011年08月22日 | Weblog

 

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稲光

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昨日も夕方稲妻が光っていました

 俳句の中の季語で

「雷」は夏の季語 「稲妻」はなぜ秋の季語なのだろう

雷のゴロゴロなる音はいやなものです

恐さでいえば「稲妻」の方がもっと恐い

大地を突き刺すようなバリバリいう音と同時に

青白い稲妻が光ると思わず窓辺から遠ざかりますね

前で書いたように「雷」は夏の季語ですが

雷に伴う「稲妻」も夏の季語になってもよさそうなのに

なぜ「稲妻」は秋の季語なのでしょう

 

「稲妻のかきまぜて行く闇夜かな」 去来

 

なぜ「稲妻」が秋の季語かというと「稲」に関係があるからです

稲妻は読んで字の通り稲の妻

つまり あの電光が稲を実らせると信じられていたそうです

雷には神格が宿るものとされてきましたから

その電光によって稲が霊的なものと結合し

穂を実らせるのだと考えられいたのです

したがって「稲」は秋の代表的な季語になった

では、その「稲妻」を走らせる「雷」を詠むばあいは

「秋の雷(らい)」という季語が設けてあって

矛盾を解消しています

 

「秋の雷白刃のごとし砂にゐて」 新谷ひろし

 

季語の中には他にも自然現象を季節で変えているケースが

意外とたくさんあります

日本語の語彙の深さが巧みに使い分けられています

 

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