のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2009年5月:歌舞伎座 第9回矢車会

2009-05-28 00:40:29 | 観たぞ: 観てきて一言

【6/1】鷹之資くんの名前の表記を間違ってたので、修正。(六条亭さん、ありがとうございます!)


名古屋まで行く時間はありませんでしたが、木挽町に出没する時間はとれました♪
傘壽を祝う富十郎さん主宰の矢車会、昼の部、勧進帳と夜の部を観てきました♪
しかし、私、なんか勘違いしてたんですが、今回で、なんか10回目
みたいな気がしてましたが、9回目だったんですね、この会。
平成8年以来ですから、13年ぶりの復活、ということのようです。
もちろん、観るのは初めて。
あっ、筋書きによると、過去の会には團蔵さんが出てた事もあったのかっ!!
それも観たかったなぁ・・・



五代目 中村富十郎 傘寿記念 第九回矢車会



【昼の部】
◆タイムテーブル
1:寿三番叟 約20分
 
休憩 30分
2:雪傾城 約30分
 休憩 30分
3:勧進帳 約75分




1:寿三番叟
歌昇さんが出る、個人的に必見の1本でしたが、間に合わず(/_;)
素踊りだったらしい。ますます くやしい・・・



2:雪傾城
今月「手習子」で魅せてくれた芝翫さんと、富十郎さんとこの愛子ちゃんとの1本。
「あの」(^_^;)愛子ちゃんがどのくらい、ちゃんと舞台にいられるようになったか、
これもぜひ観たかった1本でしたが、劇場ついたら、ちょうど終わったところでした_| ̄|○



3:勧進帳
もう、これだけ、みれればいいやと思った1本。
ビリビリした緊張感を漂わせた吉右衛門さん弁慶と富十郎さん富樫の舞台が記憶に
新しいですが、今回は、逆の配役。
義経が鷹之資君で、四天王には、段四郎さん、染五郎さん、松緑さん、尾上右近くん という布陣。



◆のたりの目

富十郎さん/弁慶

弁慶の衣装が違ったんですよね。いつもの黒じゃなかったです。
あの柄は、たしか・・・「千本桜」の「渡海屋」のところで出てくる弁慶が着てるのが、あんな柄の衣装じゃなかったかなぁ。
スズカケもあんなに茶色かったですっけ?



でも、そんな衣装の違いなんかはぶっとばしてくれるくらいの、全編に気迫あふれる弁慶でした。

ただ、正直、義経を打つあたりから、テンパリ度がすごくて、富十郎さん倒れちゃうんじゃないかと、その後はドキドキしながら観てしまいました。

しかし、本当に富十郎さんは、朗々と響く声ですねぇ。とても耳に気持ちいいです♪
あのお年で、あれだけ、場内に響き渡る声が出せるのは、ほんとすごい。

あと、富樫の従者に酒をすすめられて飲むところで、にんまり笑う、そのお顔がまたよかった♪
でも、お酒のひょうたん転がすところがなかったような。

後半は負担軽減でしょうか、かずら桶に座ってました。

延年の舞も、さすが富十郎さん、動きがキビキビとして、気持ちのよい踊りでした。
スタミナ切れしてないからすごいよなぁ。

さらに圧巻はラスト。幕外の六方のひっこみ。
といっても、全然見えなかったんですけど。会場の盛り上がりがすごかった。
で、このときに大向こうさんが



まだまだ、できる!



とかけてた声に、ほんとにそうだ、と思いました。

でも、どうなんだろう。本公演で25日ですか、あれを毎日やるのは、さすがにムリだろうなぁ。
というか、富十郎さん、夜には「連獅子」やるんですよね、本当に大丈夫???
と思わず心配になるくらい、本当に気迫あふれる、濃い弁慶でした。

余談ですが、最後の六方のところ、3階西のB席にいた若い?おにいさんが、
前列の1番前のところに飛び出して、花道のぞきこんで、係りのお姉さんにとめられてました。

それは仕方ないし、お兄さんの方がイカンのですが、でも、若い人がおもわず飛び出して観に行ってしまうくらいの衝撃を与えるくらいの舞台ができる役者さん、そうはいないと思うのです。
そんな富十郎さんの弁慶、ナマで観ることが出来た私も、あのお兄さんも幸せものです。

錦之助さんの後見
富十郎さんの後見は錦之助さん。
すごく緊張してるんだろうなぁ。という感じがしました。で、がんばってました。
思わず応援したくなるくらい(^_^;)
まぁ、延年の舞のところとかもそうですが、タイミング間違えられないお仕事が色々あるから、ベテランの後見さんでも、緊張するんだろうなぁ、弁慶の後見って。

鷹之資君/義経
りりしくがんばってました。
セリフ、もう少し、がんばれ と思うのは、10歳の>鷹之資君には高望みだろうか。


その他
・四天王の後見に錦弥さんがいたような。








【夜の部】
◆タイムテーブル
1:寿競べ 25分
 休憩 30分
2:お祭り 25分
 休憩 30分
3:連獅子 60分

1:寿競べ 
◆のたりの目
梅玉さんと魁春さんご兄弟の素踊り。
魁春さんが、こしらえしてないのに、仕草だけで、すごく女らしさを溢れさせてました。
すごいなぁ。 特に手の動き、あれが印象に大きく影響している気がしました。
手の動きって、偉大です。

しかし、普段の舞台みてると、あんまりご兄弟って感じがしないのですが、
こうやって素のお顔で観ると、梅玉さんと魁春さんって、やっぱり似てるような。

そして魁春さん、お肌がきれいだ~

演奏は筝曲。上手にお琴を奏でる女性がズラッと。お琴の演者が唄も歌います。
おば様、マイクつけてたみたいですが、そんな感じは全然なく、のびやかないい声でした。




2:お祭り
初めて観る演出でした。
暗転から、シルエットの鳶頭が太鼓たたいて、舞台にあかりが入ります。
叩き手は染五郎さんに松緑さん。染五郎さんの方が複雑な撥さばきをされるようです。
他にはたすきをつかった演出が。これもはじめて観ました。
芸者には福助さん。演奏は清元の家元です。

◆のたりの目
・家元共演
しかし、踊りの家元が二人も、それも共演。これも富十郎さんの個人の会だからできるゲスト
なんだろうなぁ。

・松緑さん
松緑さんは、まくったそでから、チラッと刺青がのぞくのが、いい感じでした。
でも、松緑さん、なんか今回、かわいそうな役どころです。かっこいいのになぁ。

・福助さん
やっぱり、福助さんは芸者が似合うな~。文句なしの艶っぽさ。
しかし、キンキン声がでなくてよかった(^_^;)

3:連獅子
念願だったと言う富十郎さんと>鷹之資君の親子獅子。
間狂言には、勘三郎さんと橋之助さん。
豪華な顔ぶれです。

【のたりの目】
・毛振り。
毛振り、お父さんはやりませんでしたが、その分、>鷹之資君ががんばって振ってました。
30回くらい振ったかと。
しかし、 お父さん、なしでもいいです。それでも十分なくらい、他がすばらしかったですし、なんといっても、あの弁慶のあと。振らなくても、振れなくても、無理ないです。
逆に、もし振ってたら、それはそれで、すごく別の意味でドキドキものになっただろうなぁ・・・



・親獅子
子獅子への愛があふれて、にじみ出てました。

・子獅子
無邪気さ、元気よさがあふれてました。

・勘三郎さん
あごにおひげが。この間狂言で、あごひげのある僧侶が出てきたのは、はじめてかな。
来月のコクーンの舞台のために剃るわけにはいかなかったのかな。



・その他
開幕前に、突然、下の席から拍手。
3階の住人はなにが起きたのかわからず「???」

多分、どなたかが、お見えになったのだろうとおもったのですが、
小泉さんくらいかな~と軽く考えていたら、
帰りにカレーコーナーの方の階段は通行止めで、
2階にはSPと思しき方がワサワサと。

これはちょっと閣僚クラスの警備レベルではなさそう・・・
それに、>鷹之資君は学習院在籍。学習院関係者も多数来てるっぽいし・・・
もしや・・・

と思ったら、やっぱり皇太子さんがおいでになってたみたいです。(^_^;)

そういや、同じ名前の娘さんをもつ父親同士でもあるんですね、皇太子さんと富十郎さんは。








全体通して
「>鷹之資君、お父さんともっと共演するためにも、早く大きくなって~」 と、ふと、思いました。
なんかもっとこの親子の共演、みたいなぁ。

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3 コメント

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Unknown (六条亭)
2009-05-31 21:13:20
こん♪♪は。

矢車会は私も夜の部のみですが、観劇しました。同じ三階席だったようです。

感想記事を拝見すると昼の部『勧進帳』も観たかったといささか口惜しい思いです。NHKのカメラが入っていましたから、『連獅子』と『勧進帳』の両方とも放送して欲しいですね。

(追記)鷹之資君
返信する
すみません (六条亭)
2009-05-31 21:17:32
追記途中で投稿してしまいました(^_^;)。

鷹之資君のお名前の表記の点を書こうとしたのですが。見苦しいでしょうから、削除して下さい。

鷹之助 → 鷹之資
返信する
おいでませ 六条亭さん♪ (HineMosNotari)
2009-06-01 01:15:43
夜の部は六条亭さんとニアミスしていたんですね。
ご一緒に観たことになる夜の「連獅子」もいい舞台でしたが、昼の部の「勧進帳」も、私の感想でも六条亭さんに口惜しく思っていただけるほどのいい舞台だったので(^_^;)、NHKで放送して、たくさんの方に観ていただけたらいいなぁと思います。

ただ、個人の会を教育テレビの芸術劇場の枠でやることは、あまりないのかな、と思うので、「芸能花舞台」あたりが要チェックだろうか、と思いますが、うーん、どちらも結構、長い演目ですよね。
となると、・・・もしかして、富十郎さん、鷹之資君親子のドキュメンタリー番組でもあるのかな。もし、今回の矢車会までのお二人の舞台裏番組があれば、ぜひそれもみてみたいところですが。

それから、鷹之資くんの名前の表記間違いの、ご指摘、ありがとうございます!! 
そうなんです、思いっきり、間違えてました・・・懲りないなぁ私も・・・_| ̄|○

実は、今日、5月分の歌舞伎CHの録画をDVDに焼いている時に「名鷹誉石切」のダビングにメモを付ける時に「・・・あれ??」と、なんか気になったんですが・・・それまで、まったく、気が付いてませんした。(-_-;)>”
さっそく、直しておきまーす!
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