観劇日:2007/9/21(金) 18:30~21:20
会場:シアター1010
座席:1階2列中央ブロック
◆配役
出雲お国 ドラキュラ | 貴城けいさん |
石田光成 | 段治郎さん |
高山右近 | 吉野圭吾さん |
細川がラシャ | 華城季帆さん |
細川忠興 | 笑也さん |
徳川家康 | 横澤祐一さん |
鬼丸 | 曾我廼家寛太郎さん |
服部半蔵 | 大藏基誠さん (東京公演のみ) |
島 左近 | 藤本 隆宏 さん |
直江兼続 小笠原少斎 | 猿四郎さん |
小春 | 坂本法子さん |
マルゲリータ | ANZAさん |
◆スタッフ
作・演出:岡本さとる
音楽:加藤和彦
衣裳スーパーバイザー:ホリ・ヒロシ
殺陣:市川猿四郎
◆あらすじもどき
時代は石田三成と徳川家康が一触即発状態の関ヶ原直前。
石田三成が博多で夢を売るという浪花の商人から買ったのは異国の棺の中身は
異国の化け物:ドラキュラ
石田三成の野望に興味をしめしたドラキュラは三成に協力することになり、
その圧倒的魔力に徳川方はなすすべもない。
さて石田三成の命を狙うのは徳川方の細川忠興
細川忠興の愛する奥方は 敬虔なクリスチャン:お玉またの名をガラシャ
かつて異国の王であったドラキュラの 亡き妻の名も、またガラシャ
ガラシャに妻の姿を重ねるドラキュラ。
関ヶ原の戦いに向かって進む時代。
ガラシャは時代の犠牲になり、ドラキュラは・・・
(正直、どうなったんだかよくわからなかったんですが・・・(ーー;)>”)
◆のたりの目
・シアター1010
北千住駅から直結してます。丸井にハンズ・紀伊国屋など色々入っているビルの11階。
9階にレストラン街がありますが、ラストオーダーが10時・10時30分と、お芝居みたあとでも
いけるのがうれしいところです♪
きれいな劇場です。シアター1010オリジナルグッズが売ってたりします。
劇場は入り口から入って、1階登って客席1階に入る感じです。
1階分のエレベータもあるので、車椅子や足の不自由な肩でもラクチンです。
舞台は天井がとても高い!照明装置関係は充実してるっぽいです。
座席のクッションもいいし、客席も傾斜がついててどの席からでもよく見えそうです。
今回、前から2列目でしたが、舞台面も見えました。でもちょっと首が痛くなりました(^_^;)
あと、前方の方は床が板張りなので、遅れて入ってきた方、足音が響いて
とても目立ちますので、要注意!
・筋書き
よく東京から始まって全国に移動して上演する舞台がありますが、
この舞台は東京が最終の地。
ということで、これまでの公演の舞台写真が入った増刷版の筋書きと、
これまでの舞台稽古の様子の写真が入った筋書き 両方を販売してました。
お値段は¥1500。
両方ほしかったんですが、理性でガマンして舞台写真の入っているほうにしました~
出演者のお写真で気にかかったところといえば、吉野さんの十字架を手にしたお写真
(チラシにも出てるお写真です)が、なんとなく乙女っぽい感じがするあたりでしょうか(^_^;)
あと、主要出演者のポストカードも販売してました。(¥200/枚)
あと、貴城さんグッズの販売コーナーへの列は別になってるところが、
さすが元宝塚のお姉さんだと思わせるところでした。
・背景
舞台の正面奥は ゴシックテイストのカーテンのようになっていて、
これが場面によって青くなったり金色になったり赤くなったりします。
ライトを当てない素の色は何色なんだろうなぁ、あのカーテン。
ちなみに開幕前の空舞台では、色は深い海のようなきれいな青でした。
ただ、お芝居の後半はセットを利用することが多く、あまりこのカーテンの
表情が効果的に利用されていなかったのが、ちょっと勿体ない感じがしました。
・演出
照明の使い方が特徴的。
場面転換時の観客に照明を走らせておいて、その間に舞台転換。
それから、舞台全体にうっすらスモークがただよっており、これも
照明の反射を効果的にしているかも。
・段治郎さんの衣装
正装姿は金の雲?の模様のはいった裃なんですが、地の色が上と下で
左右が逆になっています。
上の右は黒地、左は濃い緑。下は右が濃い緑で、左が黒地。
この時代にこういう色使いがあった・・・わけではないと思うのですが・・・。
また、中の着物の色が臙脂っぽい赤で、黒・緑・赤ととても配色バランスがいい
衣装だと思いました。
ほかにもお忍び姿は黒一色の着流し(でも、お忍びなら、紋は入れないほうが
いいんじゃないかな~と(^_^;)や、白装束(寝巻き?)姿もありました。
黒の着流し姿は、スラッとかっこよく、絶品でした~♪♪
・ドラキュラの衣装
黒いマントの裏がピンク~。うーん、この辺が「女にあらず・・・」と
言わせるところでもあるんだろうか・・・
あ、このマント、最後のカーテンコールの時にようやく気がついたんですが、
無地かと思ったら襟の部分に刺繍がはいっているんですね~。
あと、爪がすごかったです。銀色のラメ、かな?
人間に化けてるときも、爪はこのままでした。
後半1発目に人間(出雲の阿国となのってるんですが)の姿で踊りまくる
場面があります。この時、小道具に黒と赤の羽根が出ます・・・
あ、あと、衣装ではありませんが、筋書きでは黒髪に灰色のメッシュの髪ですが、
舞台に出てきたドラキュラは総灰色。(銀ですか??)
「エリザベート」って、チラシしかみたことないんですが、
あのお芝居に出てくる「トート」って役が、こんな感じじゃなかったですっけ??
・鬼丸の衣装
最初の衣装がちょっとパッチワークといいますか、端切れをつなぎ合わせたような
ドテラのような衣装で 面白かったです。
そのあとの衣装も麻かな?なんかこうゴワゴワしてそうな半纏っぽいのを着てたりと
なかなか鬼丸の衣装は個性的で面白かったです。
・音楽劇
・・・だったんですね、これ。筋書きの最後のとこにあった記者会見の記事で
笑也さんがそうおっしゃってるのを読んで、初めて知りました(^_^;)
なんで、最初、ドラキュラが突然歌いだしたときは、どうしたのかと
呆然としてしまいました・・・(すみません、2列目なんかで・・・^_^;)
ちなみに、段治郎さんたちは歌いません。(^_^;)
歌うのはもっぱら女優さんです。
中でもガラシャをやったお姉さんの声が、響き・声量ともにすごかったように
感じました。
まぁ・・・どちらかというと、普通の芝居に宝塚のショーが
合体したような印象を受けたんですが・・・、まぁ「音楽劇」ということで(^_^;)。
【役者さん】
・段治郎さん
きれいなツルツルの月代が気になりましたが、全体にどこを切ってもかっこいいお役。
最初のドラキュラの棺にささった十字架に手をかける姿がとてもきれいでした♪
途中の黒の着流し姿が絶品だったことは衣装のところでも書きましたが、
もうひとつ、白装束の時、この時は、謡をうたいながら舞ってくれます♪
これが、また、声も動きもかっこいいんですよねぇ・・・。
うーん、段治郎さんは白でも黒でもかっこいいですねぇ♪
あと、ラストのカーテンコール。
ドラキュラのお姉さんがかわいく手を振ってらしたんですが
それをみて、段治郎さんもマネしてかわいらしく手を振ってくれました(^_^;)
あと、このカーテンコール、他の男優さんは仁王立ちの人が多かったんですが、
段治郎さんと笑也さんはちゃんと足つけて立ってました。
(猿四郎さんはチェックしそこねました)
ところで、家康に博多みやげとして贈ったドラキュラの棺が
ガラシャの礼拝堂にもちこまれたことに
「せっかくの博多土産を」というセリフがあるんですが、
なぜか、この「博多土産」というセリフに笑いたくなってしまいました。
棺と博多土産との語感のギャップでしょうか(^_^;)
(私にとって博多土産=明太子。食べれませんけど(^_^;)
・猿四郎さん
後半のみに登場。一役目は直江兼次で段治郎さんと怪しい密談を
交わしています。
ちなみに今回、役者さん、みんなマイクをつけているんですが、
この時の猿四郎さんは、マイクを通した声ではないような気がしました。
他の場面では、あまり声がマイクを通っていることが気になるようなことは
なかったんですが、この場面では、段治郎さんの声に、それをすごく感じたんです。
二役目は老けです、老け。老け役もそつないこなしですが、
あまり上手く老け役ができてしまうと、澤瀉屋のお芝居でも老け役ばかりが
まわってくるようになってしまうのでは・・・なんてちょっと気になったりしました。
ちなみに、猿四郎さん、今回は殺陣師もされてます。
かっこいい立ち回り多かったです♪
あ、カーテンコールでは直江の衣装でした♪
・曾我廼家さん
新喜劇から参加の役者さんです。
上手い!うーん、芸達者な人だ。
この人が出てくるお芝居、他にもみてみたいな~と思わせる役者さんでした。
・魔界と地獄の違いは?
ドラキュラは魔界が住処のようで、三成に「魔界へ来い」といいますが、
三成は「地獄で会おうぞ」(だったかな?)と答えます。
で、魔界と地獄って、同じなんでしょうか??
・笑野さん
ガラシャの侍女:楓が笑野さんです。
途中、ドラキュラに血を吸われて、魔の手先になったとかで、
笑也さんを誘惑したりする場面があります。
この場面で、一時、山姥みたいな口裂け女になっちゃうんです。
笑野さん、きれいなのに~(/_;)
・大藏基誠さん
半蔵をやった大藏さんは、狂言師です。
うーん、さすが 声がいい。
なんか「水戸黄門」に出てた「飛猿」を彷彿とさせたのは・・・
そのもみ上げゆえ??
・異種混合
歌舞伎・タカラヅカ・狂言・新喜劇・ミュージカル畑・元スポーツ選手・・・
このお芝居は ほんと色んな役者さんが参加しています。
これだけ色んなとこから人をひっぱってきてるとは・・・と筋書きみて
びっくりしました。
でも、わりとうまく調和が取れてたような気がします。
逆に、これだけ色んなところから人が集まったわりには、
異種のぶつかりによる化学反応のようなものは少なかったのかもしれません。
そして、個人的に特筆すべきは「俳優さんが、みなさん、お声がいいこと」ですかね~♪
その点では 耳福な舞台でした♪
・最後のセリフ
高山右近が言うこのお芝居の最後のセリフ
「娘シオンよ、大いに踊れ。娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。見よ、あなたの王が来る。」
は、聖書の一節なんですね。ゼカリヤ書9章9節の預言のようです。
・今回の家人の鋭いツッコミ
「ドラキュラと日本人は、何語で会話してたんだろうねぇ?」
・・・う~んと、やっぱり日本語・・・となると、
「どうしてドラキュラは日本語知ってるの?」
ってことだよねぇ。うーん・・・<(ーー;)