のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

演劇界 買っちゃった

2007-09-24 23:05:40 | その他
演劇界の最新号、本屋さんで見つけました。

新しくなってからの演劇界、まだ買ったことはなかったんですが、
今回は買ってしまいました♪

最初は買う気なかったんですが、その私が買うにいたるまでの
3プロセスは以下のとおり。

1)玉さんの美麗写真の表紙
「おぉ、美しい~。でもこれ、何の演目?」
「なんかほんと『和楽』っぽくなったな~」
と思い手が伸びる

2)「平成生まれの描く夢 」
平成生まれの若手さんに 行きたい国や、やりたい演目なんかを
アンケートしたものなんですが・・・

これの千之助君のコメント(多分原文そのまま)が、
あまりにもほほえましくて・・・♪


これでかなりグラッときちゃいました(^_^;)。
他にも色々気になる若手さんのコメントが、それぞれ個性が出てて面白かったのも
あるんですけどね、もうダントツで千之助君のコメントにジョブをくらってしまいました(^_^;)
それにしても平成生まれの役者さんって、たくさんいるんですねぇ・・・
まぁ、平成生まれの人も来年は20歳、成人式ですもんねぇ・・・_| ̄|○


3)巡業写真の充実。

 段治郎さんの鳶頭、カラー1P。

これが決定打でしたね(^_^;)
加えて
 玉さんのアマテラス カラー1P
 吉右衛門さんの由良之助 カラー1P
・・・これは、もう1200の価値ありだな と(^_^;)

しかし「平成生まれの描く夢」の千之助君のコメントは ほんとにかわいらしいので、
ぜひ、皆様、機会がありましたら、今月の演劇界、のぞいてみてくださいませ~♪
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朴清さんの訃報

2007-09-24 17:41:58 | その他
鼓の人間国宝、望月朴清さんが亡くなったそうです。
今朝の新聞で初めて知りました。

朴清さんといえば、紫の紐の鼓。
私にとっては囃し方さんで個別識別のつく数少ないお方でもありました。

近年でも、年末に浜松町のホールで新しい試みの演奏会をされたりと
勢力的に活動されてただけに、なんだか信じられない思いもあります。

今月の歌舞伎座夜の部の「身替座禅」で見たお姿が最後でした。
(今月17日まで舞台に出ていらしたそうです)

私が見たときも、出番をまっている間、いつになく落ち着かないような
様子で、どうもお口の中が気になっていらっしゃるようなそぶりを
されていたのが目についたのですが「たまたま、なんか歯にひっかかって
それが気になってるのかなぁ。」と思って、スルーしていました。
今思えば、あれも体調の悪さによるものだったのかもしれません。


それにしても気迫の音を響かせるあのお姿がもう見れないとは
なんとも残念です。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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2007年9月:シアター1010 愛、時をこえて~関ヶ原異聞~

2007-09-24 16:42:21 | 書いたぞ: 感想書きました~
観劇日:2007/9/21(金) 18:30~21:20
会場:シアター1010
座席:1階2列中央ブロック


◆配役
出雲お国
ドラキュラ
貴城けいさん
石田光成段治郎さん
高山右近吉野圭吾さん
細川がラシャ華城季帆さん
細川忠興笑也さん
徳川家康横澤祐一さん
鬼丸曾我廼家寛太郎さん
服部半蔵
大藏基誠さん
(東京公演のみ)
島 左近藤本 隆宏 さん
直江兼続
小笠原少斎
猿四郎さん
小春坂本法子さん
マルゲリータANZAさん


◆スタッフ
作・演出:岡本さとる
音楽:加藤和彦
衣裳スーパーバイザー:ホリ・ヒロシ
殺陣:市川猿四郎

◆あらすじもどき
時代は石田三成と徳川家康が一触即発状態の関ヶ原直前。
石田三成が博多で夢を売るという浪花の商人から買ったのは異国の棺の中身は
異国の化け物:ドラキュラ
石田三成の野望に興味をしめしたドラキュラは三成に協力することになり、
その圧倒的魔力に徳川方はなすすべもない。

さて石田三成の命を狙うのは徳川方の細川忠興
細川忠興の愛する奥方は 敬虔なクリスチャン:お玉またの名をガラシャ
かつて異国の王であったドラキュラの 亡き妻の名も、またガラシャ

ガラシャに妻の姿を重ねるドラキュラ。
関ヶ原の戦いに向かって進む時代。
ガラシャは時代の犠牲になり、ドラキュラは・・・
(正直、どうなったんだかよくわからなかったんですが・・・(ーー;)>”)


◆のたりの目
・シアター1010
北千住駅から直結してます。丸井にハンズ・紀伊国屋など色々入っているビルの11階。
9階にレストラン街がありますが、ラストオーダーが10時・10時30分と、お芝居みたあとでも
いけるのがうれしいところです♪

きれいな劇場です。シアター1010オリジナルグッズが売ってたりします。
劇場は入り口から入って、1階登って客席1階に入る感じです。
1階分のエレベータもあるので、車椅子や足の不自由な肩でもラクチンです。

舞台は天井がとても高い!照明装置関係は充実してるっぽいです。
座席のクッションもいいし、客席も傾斜がついててどの席からでもよく見えそうです。
今回、前から2列目でしたが、舞台面も見えました。でもちょっと首が痛くなりました(^_^;)

あと、前方の方は床が板張りなので、遅れて入ってきた方、足音が響いて
とても目立ちますので、要注意!

・筋書き
よく東京から始まって全国に移動して上演する舞台がありますが、
この舞台は東京が最終の地。
ということで、これまでの公演の舞台写真が入った増刷版の筋書きと、
これまでの舞台稽古の様子の写真が入った筋書き 両方を販売してました。
お値段は¥1500。
両方ほしかったんですが、理性でガマンして舞台写真の入っているほうにしました~

出演者のお写真で気にかかったところといえば、吉野さんの十字架を手にしたお写真
(チラシにも出てるお写真です)が、なんとなく乙女っぽい感じがするあたりでしょうか(^_^;)

あと、主要出演者のポストカードも販売してました。(¥200/枚)

あと、貴城さんグッズの販売コーナーへの列は別になってるところが、
さすが元宝塚のお姉さんだと思わせるところでした。

・背景
舞台の正面奥は ゴシックテイストのカーテンのようになっていて、
これが場面によって青くなったり金色になったり赤くなったりします。
ライトを当てない素の色は何色なんだろうなぁ、あのカーテン。

ちなみに開幕前の空舞台では、色は深い海のようなきれいな青でした。

ただ、お芝居の後半はセットを利用することが多く、あまりこのカーテンの
表情が効果的に利用されていなかったのが、ちょっと勿体ない感じがしました。

・演出
照明の使い方が特徴的。
場面転換時の観客に照明を走らせておいて、その間に舞台転換。
それから、舞台全体にうっすらスモークがただよっており、これも
照明の反射を効果的にしているかも。

・段治郎さんの衣装
正装姿は金の雲?の模様のはいった裃なんですが、地の色が上と下で
左右が逆になっています。
上の右は黒地、左は濃い緑。下は右が濃い緑で、左が黒地。
この時代にこういう色使いがあった・・・わけではないと思うのですが・・・。
また、中の着物の色が臙脂っぽい赤で、黒・緑・赤ととても配色バランスがいい
衣装だと思いました。

ほかにもお忍び姿は黒一色の着流し(でも、お忍びなら、紋は入れないほうが
いいんじゃないかな~と(^_^;)や、白装束(寝巻き?)姿もありました。
黒の着流し姿は、スラッとかっこよく、絶品でした~♪♪


・ドラキュラの衣装
黒いマントの裏がピンク~。うーん、この辺が「女にあらず・・・」と
言わせるところでもあるんだろうか・・・
あ、このマント、最後のカーテンコールの時にようやく気がついたんですが、
無地かと思ったら襟の部分に刺繍がはいっているんですね~。

あと、爪がすごかったです。銀色のラメ、かな?
人間に化けてるときも、爪はこのままでした。

後半1発目に人間(出雲の阿国となのってるんですが)の姿で踊りまくる
場面があります。この時、小道具に黒と赤の羽根が出ます・・・

あ、あと、衣装ではありませんが、筋書きでは黒髪に灰色のメッシュの髪ですが、
舞台に出てきたドラキュラは総灰色。(銀ですか??)
「エリザベート」って、チラシしかみたことないんですが、
あのお芝居に出てくる「トート」って役が、こんな感じじゃなかったですっけ??


・鬼丸の衣装
最初の衣装がちょっとパッチワークといいますか、端切れをつなぎ合わせたような
ドテラのような衣装で 面白かったです。
そのあとの衣装も麻かな?なんかこうゴワゴワしてそうな半纏っぽいのを着てたりと
なかなか鬼丸の衣装は個性的で面白かったです。

・音楽劇
・・・だったんですね、これ。筋書きの最後のとこにあった記者会見の記事で
笑也さんがそうおっしゃってるのを読んで、初めて知りました(^_^;)
なんで、最初、ドラキュラが突然歌いだしたときは、どうしたのかと
呆然としてしまいました・・・(すみません、2列目なんかで・・・^_^;)

ちなみに、段治郎さんたちは歌いません。(^_^;)
歌うのはもっぱら女優さんです。
中でもガラシャをやったお姉さんの声が、響き・声量ともにすごかったように
感じました。

まぁ・・・どちらかというと、普通の芝居に宝塚のショーが
合体したような印象を受けたんですが・・・、まぁ「音楽劇」ということで(^_^;)。

【役者さん】
・段治郎さん
きれいなツルツルの月代が気になりましたが、全体にどこを切ってもかっこいいお役。
最初のドラキュラの棺にささった十字架に手をかける姿がとてもきれいでした♪
途中の黒の着流し姿が絶品だったことは衣装のところでも書きましたが、
もうひとつ、白装束の時、この時は、謡をうたいながら舞ってくれます♪
これが、また、声も動きもかっこいいんですよねぇ・・・。
うーん、段治郎さんは白でも黒でもかっこいいですねぇ♪

あと、ラストのカーテンコール。
ドラキュラのお姉さんがかわいく手を振ってらしたんですが
それをみて、段治郎さんもマネしてかわいらしく手を振ってくれました(^_^;)
あと、このカーテンコール、他の男優さんは仁王立ちの人が多かったんですが、
段治郎さんと笑也さんはちゃんと足つけて立ってました。
(猿四郎さんはチェックしそこねました)

ところで、家康に博多みやげとして贈ったドラキュラの棺が
ガラシャの礼拝堂にもちこまれたことに
「せっかくの博多土産を」というセリフがあるんですが、
なぜか、この「博多土産」というセリフに笑いたくなってしまいました。
棺と博多土産との語感のギャップでしょうか(^_^;)
(私にとって博多土産=明太子。食べれませんけど(^_^;)


・猿四郎さん
後半のみに登場。一役目は直江兼次で段治郎さんと怪しい密談を
交わしています。
ちなみに今回、役者さん、みんなマイクをつけているんですが、
この時の猿四郎さんは、マイクを通した声ではないような気がしました。
他の場面では、あまり声がマイクを通っていることが気になるようなことは
なかったんですが、この場面では、段治郎さんの声に、それをすごく感じたんです。

二役目は老けです、老け。老け役もそつないこなしですが、
あまり上手く老け役ができてしまうと、澤瀉屋のお芝居でも老け役ばかりが
まわってくるようになってしまうのでは・・・なんてちょっと気になったりしました。

ちなみに、猿四郎さん、今回は殺陣師もされてます。
かっこいい立ち回り多かったです♪

あ、カーテンコールでは直江の衣装でした♪

・曾我廼家さん
新喜劇から参加の役者さんです。
上手い!うーん、芸達者な人だ。
この人が出てくるお芝居、他にもみてみたいな~と思わせる役者さんでした。

・魔界と地獄の違いは?
ドラキュラは魔界が住処のようで、三成に「魔界へ来い」といいますが、
三成は「地獄で会おうぞ」(だったかな?)と答えます。
で、魔界と地獄って、同じなんでしょうか??

・笑野さん
ガラシャの侍女:楓が笑野さんです。
途中、ドラキュラに血を吸われて、魔の手先になったとかで、
笑也さんを誘惑したりする場面があります。
この場面で、一時、山姥みたいな口裂け女になっちゃうんです。
笑野さん、きれいなのに~(/_;)

・大藏基誠さん
半蔵をやった大藏さんは、狂言師です。
うーん、さすが 声がいい。
なんか「水戸黄門」に出てた「飛猿」を彷彿とさせたのは・・・
そのもみ上げゆえ??

・異種混合
歌舞伎・タカラヅカ・狂言・新喜劇・ミュージカル畑・元スポーツ選手・・・
このお芝居は ほんと色んな役者さんが参加しています。
これだけ色んなとこから人をひっぱってきてるとは・・・と筋書きみて
びっくりしました。
でも、わりとうまく調和が取れてたような気がします。
逆に、これだけ色んなところから人が集まったわりには、
異種のぶつかりによる化学反応のようなものは少なかったのかもしれません。

そして、個人的に特筆すべきは「俳優さんが、みなさん、お声がいいこと」ですかね~♪
その点では 耳福な舞台でした♪

・最後のセリフ
高山右近が言うこのお芝居の最後のセリフ
「娘シオンよ、大いに踊れ。娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。見よ、あなたの王が来る。」
は、聖書の一節なんですね。ゼカリヤ書9章9節の預言のようです。


・今回の家人の鋭いツッコミ
「ドラキュラと日本人は、何語で会話してたんだろうねぇ?」
・・・う~んと、やっぱり日本語・・・となると、
「どうしてドラキュラは日本語知ってるの?」
ってことだよねぇ。うーん・・・<(ーー;)
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来年も国立は菊五郎さんから始まるらしい

2007-09-19 01:16:18 | 観たいぞ: 気になる演目などの情報
国立劇場の来年の1月の公演情報が出てました。
菊五郎さんと時蔵さんというご贔屓カップリングで
新年早々、私を引き寄せてくれるようです・・・(^_^;)

■演目:
 通し狂言「小町村芝居正月(こまちむらしばいのしょうがつ)」五幕六場
  序 幕  第一場 江州関明神の場
       第二場 裏手築地塀の場
  二幕目  南殿の場
  三幕目  大御簾屋台の場
  四幕目  今出川黒主屋敷の場
  大 詰  けだもの店の場

■作者:初世桜田治助

■公演期間:2008/1/3(木) ~ 1/27(日) ※休演日 17(木)
■開演時間:12時開演 ※11・18日は16時開演
■出演者:
 菊五郎さん/時蔵さん/松緑さん/菊之助さん/彦三郎さん/田之助さん

詳細は↓こちら
初春歌舞伎公演「通し狂言 小町村芝居正月(こまちむらしばいのしょうがつ」
http://www.ntj.jac.go.jp/performance/1614.html
※別ウィンドウが開きます。このウィンドウに表示したい方はこちら

うーん、初めて聞くタイトルですねぇ。
でも、作者が作者だから、新作ではなくて、また復活ものでしょうか。
これだけではなんともわかりませんが・・・
しかし・・・大詰の通称が、なんか気になりますねぇ。
怖いか笑えるか、どちらかなのかな~(^_^;)。

あ、この出演者の顔ぶれとくれば・・・こりゃ~團蔵さんもこちらですかね~♪
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権太・・・えっ、権太っ??

2007-09-15 01:18:08 | 観たいぞ: 気になる演目などの情報
もひとつ 最近気になった歌舞伎情報。
それは

今年の南座の顔見世。

錦之助さんの襲名披露公演となる今年の顔見世は、

幸四郎さん・藤十郎さん・菊五郎さん・左團次さん・仁左衛門さん
(公演情報配役記載順)

が顔をそろえる豪華っぷり。
この出演陣もさることながら、
で、私がひっかかったのは、演目です。演目。

詳細はこちら(http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kyoto/2007/12/post_8-Printout.html)を見てもらうと
してですね。

注目は昼の3本目「義経千本桜:鮨屋」の配役です。
↓コレです、コレ。

いがみの権太菊五郎さん
弥助実は三位中将維盛時 蔵さん
娘お里菊之助さん
若葉の内侍東 蔵さん
鮓屋弥左衛門左團次さん
梶原平三景時富十郎さん


・・・権太菊五郎さん??

・・・菊五郎さん権太!!

ええええっ?!Σ( ̄△ ̄;)

・・・私が今まで見た権太は團十郎さんとか仁左さんなんですが・・・
菊五郎さんが権太・・・でも、言われてみれば、

ナマ足で鮨桶もって花道引っ込む菊五郎さん権太。


・・・似合いそうじゃないですか~(^∇^)ノ♪
うーん、観たくなってきたな~、これは。

でも、顔見世は高いし、遠いし・・・<(ーー;)

あ、でも、顔見世はNHKが大晦日あたりに放送してくれる・・・かな(^_^;)
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うらやましいぞ、小学生っ!(と、その親御さん)

2007-09-15 00:31:15 | 観たいぞ: 気になる演目などの情報
年を追うごとに参加者が増えてるらしい「小学生のための歌舞伎体験教室」。
現役の役者さんが講師になり、本番と同じ道具なんかを使う 本格派の企画ですが

講師陣が私のご贔屓のツボにはまりすぎ♪

な企画でもあります。
私が今、小学生まで時間をさかのぼれるとしたら、絶対やりたいことのひとつは
まちがいなく、コレです。

さて、先日、なにげに伝統歌舞伎保存会のHPに掲載されている、今年のこの企画の詳細報告(http://www.kabuki.or.jp/fukyu/kids.html)をみてたんですけど・・・

・・・なんですと?
今年のこの企画の中で開催された「歌舞伎ワークショップ」は

歌昇さんのガマ!

團蔵さんの荒獅子男之助(拵え過程付)!!

梅枝さんの『京鹿子娘道成寺』の実演(引き抜き付)!!!


・・・なんて、おいしすぎるっ(>_<)

個人的には「俳優祭」並みに魅力的なんですが・・・

あ!これ、一般参加も可能だったのかっ!!

・・・・_| ̄|○

・・・ら、来年こそはっ!!
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2007年9月:歌舞伎座 夜の部 

2007-09-13 01:22:30 | 書いたぞ: 感想書きました~
観劇日:2007/9/10(月) 16:30~20:55
会場:歌舞伎座
観劇位置:3階10列上手より

1:壇浦兜軍記:阿古屋

◆配役
遊君阿古屋玉三郎さん
榛沢六郎染五郎さん
岩永左衛門段四郎さん
秩父庄司重忠吉右衛門さん

◆演目について
近松先生の「出世景清」というお話を長谷川千四と文耕堂が改作して作り上げたのが
このお話。
長谷川千四と文耕堂のお2人は「梶原平三誉石切」を合作者でもあります。

今回上演の部分は全五段のうちの三段目にあたる部分だそうです。

ナマで観るのは今回初めてです。
玉さんが三種演奏しているのは、映像を観たことありますが。

◆のたりの眼
・幕開き
刻の太鼓の音が響くような感じです。
上手に義太夫さんとお三味線が4×4

・びっくりその1:段四郎さん/岩永 なんと人形ぶり!!
2人の黒子さん付です。これは知らなかったので、びっくりしました。
また義太夫さんと息もピッタリで。
しかし、太夫さん、あの、迫力・腹力の満ちた声で、よく一幕持つなぁ(^_^;)
すばらしいです。ほんと。
そして、岩永の眉の動きとリアクションがまたナイス♪
なんだか、かわいらしささえ感じてしまいました♪

しかし、片や人間、片や人形っていうのは、なんかヘンな感じもしますね(^_^;)
人形ぶりの場合、相手も人形ぶりになるか、1人の場合が多いような気がしますが、
今回みたいのは、めずらしいのかな~

・びっくりその2:黒御簾から飛び出てジャジャジャジャーン
 という感じでしょうか(^_^;)
三味線演奏の時に、普段は黒御簾の位置の壁から、所作代?にのった
長唄さんとお三味線1×1が登場!
玉さんと一緒に音あわせ?もばっちりされてから、いざ、演奏。
三味線演奏が終わるともに、台ごとまた引っ込んでいかれました(^_^;)
うーん、これは初めてみる演出だ…

・びっくりその3:阿古屋は妊婦さんだった!
と、イヤホンガイドの解説に聞いたような気がしたんですが・・・
ってことは、妊婦さんに拷問したのか、岩永ーっ!!

ちなみに悪七兵衛景清の彼女である阿古屋。
この人は実在の人物だったんでしょうかねぇ。
同じ景清と阿古屋の物語である 近松先生の「出世景清」だと、
阿古屋と景清の間には子供が2人いるとか、
阿古屋が嫉妬から景清を裏切って密告したとか、
なんか今回のこの場面から想像するところとは、
ちょっと違う趣の話になっているようです。

もひとつちなみに。
阿古屋はほんとに景清の行方は知らないようです。
今回上演の部分の前の下りで、景清の行方を知るチャンスは
あったようですが、こうした拷問にかかることを予期して、
わざと聞かない道を選らんだようです。


・びっくりその4:以外と眠くならなかった(^_^;)
実は、琴も三味線も、きもちよ~く ウトウトさせていただいてたんですが、
最後は「King of 催眠効果」の胡弓。
「こりゃもうダメだな(^_^;)」
と思ってたんですが、意外なことに、これが実は3種の中で一番、
面白かったというか、リズミカルで聞きごたえがありました。
他のはお三味線の同じ演奏がかぶるのですが、これはなんせ
音からして違うので、玉さんの演奏がはっきり聞こえます。

しかし、胡弓は「弾け」ではなくて「擦れ」というんですね、秩父庄さん。
胡弓の演奏を歌舞伎座で聴くのは初めてではないはずなんですが、
今回、観てて、改めてバイオリンに似てるなぁ と思いました。
でも、バイオリンと違って、胴の上の竿の付け根のあたりを「擦る」んですね~。

ちなみに3種のうち、この胡弓以外の2つには玉さんの唄が入りましたが、
これは入りませんでした。
まぁ、眠くならなかったことに、これは無関係だと思いますが・・・(^_^;)

・義太夫さん
1人一役で4人。お疲れ様です。特に岩永の太夫さん(^_^;)
(すみません、お名前チェックできませんでした)
【9/14追記】
岩永の担当は泉太夫さんでした!
※六条亭さんにコメントで教えていただきました♪ありがとうございます!m(__)m


・染五郎さん
うーん、声がきてますねぇ(ーー;)

・吉右衛門さん
さわやかです。とことん。
最後の場面は絵面の中央でかっこよく決まってます。
ところで、疑い晴れて放免となる阿古屋を「聞きたいこともあるから」
と、自分の家に連れて行かせるみたいなんですが、その意図は?

・一糸乱れぬ
阿古屋を花道を連行してくる捕吏6人(阿古屋前後に3人づつ)。
一糸乱れぬ「ダンッ」という足拍子?が力強く響き、迫力があり、
且つ、とてもキレイです。


◆花道度:中
染五郎さんの出と、阿古屋御一行?の出だけです。
が、のたりの眼にも書きましたが、阿古屋御一行同行者の捕吏による
足拍子。あれはもっと近くでその響きを感じてみたかったです。


2:新古演劇十種の内 身替座禅

◆配役
山蔭右京團十郎さん
太郎冠者染五郎さん
侍女:小枝右之助さん
侍女:千枝家 橘さん
奥方:玉の井左團次さん

◆演目について
今年、何本目の身替座禅でしょう(^_^;)
一番直近は7月の松竹座の仁左さんの右京に歌六さんの玉の井というコンビでした。
今回も奥方の怖さでは決してひけはとらない(^_^;)左團次さんと
ちょっと意外な気もする團十郎さんの右京です。

◆のたりの目
・千枝が艶っぽ~い♪
今月、これ一役の家橘さんの千枝が、同じくこれ一役の右之助さんの早枝に
比べてやけに艶っぽく感じられました。なんでだろう??
と思ったら、どうも千枝の方が早枝に比べて、襟元が大きく開いてるような
気がします。これが原因かな~

・團十郎さん/右京
こちらも今月、これ一役。
でもそのわりに、太郎冠者の染五郎さんとお2人でちょっと声が危険信号(^_^;)
うーん、今からこんな調子で大丈夫かな~

あと、ちょーっと物足りない感じがしたのは、ナンなんでしょう?
高い声が 私のアタマの中の右京のイメージと違うのかなぁ。
スケベっぽいセリフは、わりといい感じではあるかな、とも思いますが・・・
でも、最後の奥方に何処へ行っていたと追及されて答えるところは、
なんかアヤシイ外人さん状態でした。あれはちょっと・・・(^_^;)

ちなみに私の中の右京役者は菊五郎さんと仁左さんと勘三郎さん かな。

・奥方、吠える
うーん、左團次さんの奥方、「カーッ」と吠えてます(^_^;)
が、こんな吠えてましたっけ、奥方って(^_^;)
いや、それがまた、かわいらしいんですが(^_^;)
ちなみに左團次さんの奥方は、美しさの中に怖さを含ませてるような微笑みが
印象的です(^_^;)

・長唄さんと囃し方さん
後半、正面の松が飛んで、舞台正面に登場したのは、杵屋巳沙鳳さんと望月朴清さんのコンビ率いる一団でした。


3:秀山十種の内 二條城の清正
    清正館/二條城/御座船


◆配役
加藤清正吉右衛門さん
豊臣秀頼福 助さん
藤堂和泉守歌 六さん
清正妻:葉末芝 雀さん
井伊直孝歌 昇さん
茜染千之助男女蔵さん
吉本又市種太郎さん
侍女:芦屋吉之丞さん
森作右衛門桂 三さん
飯田覚兵衛由次郎さん
池田輝政友右衛門さん
浅野幸長芦 燕さん
本多佐渡守段四郎さん
大政所魁 春さん
徳川家康左團次さん


◆演目について
「蔚山(うるさん)城の清正」「熊本城の清正」と並ぶ清正三部作の1つ。
初めて見ます。

◆のたりの眼
・全体をいうと
最初の「清正館」が、ご贔屓も出てきて、1番おもしろかったかな~。
最後の「御座船」は・・・うーん、「二條城」のラストのままで終わっても
別にいいのかなと思ったんですが、この場面がないと、話として
まとまらないのですよね~
でも・・・正直、ちょっと、退屈してしまいました。
最後の最後ということもあって、まわりのお客さんにも、わりと
「早く帰りたい」という雰囲気がちょっと(^_^;)

吉右衛門さんや福助さんの「熱さ」は感じられるんですが・・・<(ーー;)
うーん、せっかく感じですから、もう少しコンパクトにまとまりませんかねぇ。(^_^;)

「二條城」は、人がたくさん出てきて、舞台装置も豪華ですし、
吉右衛門さんと段四郎さんのタヌキじーさんの火花の散らしあいは、
対決ムードがあって、なかなかでしたが・・・うーん、でも人が多すぎるのか、
「先代萩」の「対決」のような緊迫感までは 行かない感じですかねぇ・・・。

・吉右衛門さん
ほんとに絶食してたみたいに見えたのは3階からという遠さゆえかなぁ(^_^;)
しかし、うーん、吠えてますねぇ清正。
今月の夜の部は 「阿古屋」の岩永といい、「身替座禅」の奥方といい、
この清正といい、吠える人がたくさんいますねぇ(^_^;)


・左團次さん/家康
なんとなくタヌキっぽいというか、ネコっぽいというか…
なんか動物を連想させるお顔のつくりになってました(^_^;)

・福助さん/秀頼
凛とした若殿、似合いますね~。
衣装の色のイメージもあるのかもしれませんが、とても「凛とした」と
いう言葉が似合う感じがしました。

・魁春さん/大政所
おぉ、こんなところに魁春さんが!でも、今月、これ一役だけですか??
うーん、勿体ない・・・


・ご贔屓さんを捜せ~
「清正館」にて、陣太鼓を打つのは錦弥さん、それから
種太郎さんの鎧装着の手伝いに清正の槍もちにと、あちこちに活躍するのは
吉之助さんと見ましたし♪
清正の戦支度を手伝うのは又之助さん、清正館の腰元?お女中?には吉之丞さんも。

「二條城」ではのっけに登場のW萬屋:歌六さん歌昇さん
歌昇さんの鎧姿は今月2度目ですが、チラシのお写真は昼の「熊谷」の堤軍次の方かな?

それから 秀頼一行の茶坊主2人のうち、1人が高麗蔵さん??と思ったんですが
チラシの配役にはお名前でてませんでしたし、間違いかもしれません(^_^;)

お女中(腰元?)さんには芝のぶさんもおりました♪
この二條城のお女中さんたち、帯の部分に、とてもきれいな「被布」
というんでしょうか、布がかかってます。スケスケのキラキラです。
それがお女中さんたちの動きにフワフワとゆれて とてもきれいでした♪

あと、家康側の譜代の大名(下手側)に喜之助さん??

◆花道度:中
二條城での、申し次の侍の出と、秀頼御一行様の出だけでした。

=■オマケのボヤキ■=
私の座席の前のブロックが、ボコッと空いてたんです。
そしたら「身替座禅」でひと組、その後「清正」では続々と、
みなさん、他のブロックから民族大移動・・・<(ーー;)

以前も書いたかもしれませんが、私、席の移動は基本的に反対です。
「隣が帰っちゃったので」くらいの移動はいいと思いますが、
「座席種をまたぐ移動」 と 「上演中の移動」は、
個人的には許容範囲外です。

しかし「上演中の移動」は歌舞伎座のアナウンスでもしないでくれと
言っているのに、客席を監視している係員のお姉さんが何も言わないのは
なんでなんでしょうねぇ・・・(ーー;)
コメント (4)
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2007年9月:歌舞伎座 昼の部 

2007-09-09 02:25:01 | 書いたぞ: 感想書きました~
秀山祭九月大歌舞伎 昼の部

観劇日:2007/9/8(土) 11:00~15:20
会場:歌舞伎座
観劇位置:3階10列やや上手

1:竜馬がゆく:立志篇(約85分)

◆配役
坂本竜馬染五郎さん
桂小五郎歌昇さん
池田寅之進宗之助さん
中平忠一郎種太郎さん
山田広衛薪車さん
すぎ歌江さん
千葉重太郎高麗蔵さん
勝海舟歌六さん

◆演目について
司馬遼太郎先生原作。
原作読んだことないのですが、「立志篇」とわざわざ銘打っているとこみると、
続くのかな?

お話としては
竜馬、桂小五郎に出会う」
竜馬、土佐藩を脱藩する
竜馬、勝海舟に弟子入りする
の3本立て という感じになっています。


◆のたりの眼
【役者さん】
・染五郎さん
染五郎さんのお声がのどからでてる というようなことが、
他のブログなんかでちょこちょこ言われているようですが、
確かに。 と思いました。歌昇さんと比べるとなんかよくわかりました。
うーん、1ヶ月、持つかな~、お声。

・歌昇さん/小五郎
なかなか おいしい役だったと思います♪
…もし、もしもこの後に、この「立志編」の続編ができたら、また、歌昇さんが
小五郎で出てきてくれるのかな~♪
そしたら歌六さんの勝海舟も含めて、同じ配役だとうれしいですねぇ♪

・歌六さん/海舟先生
最初、「勝海舟にしては、線が細いかな~」なんて思ったんですが、
どうも私、アタマの中で勝海舟と西郷隆盛のイメージがごっちゃになっているようです(^_^;)

しかし、椅子にあぐらがポイント高いな~。

そして、個人的なことなんですが、
砂の上には楼閣は立たない おのれを見よ!」というような
歌六さんの海舟先生のセリフが、今の私にはちょっと痛かった…(ーー;)。

・宗之助さん
今回は立ち役。それも剣の腕が立つというお役。
宗之助さん、立ち役増えてきてる??

・高麗蔵さん
も、今回は立ち役。高麗蔵さん、女形も立ち役もかっこいいんで、
出てきてくれただけで眼福です♪

・吉之助さんと薪車さん
にくったらしくて、結局斬られちゃう土佐藩の上士です。
まぁ、役柄はおいておいて、個人的にはご贔屓お2人がでてきたのが
うれしい♪
(次の熊谷でもお2人一緒なんですよね~♪)

・歌江さん
歌江さん扮する老女:すぎ の1人暮らしのうちに、長州武士は乗り込むわ、
小五郎と竜馬の追いかけっこの舞台にはなるわ で、
なかなか被害甚大です。
「そこの2人、和解したんなら、片付け手伝え~」 と思ってしまいました(^_^;)

しかし、歌江さんもさすが、なかなかツワモノです。
しっかりお手製のどぶろくに、鳥をつぶすのもお手の物。
極めつけは「カツラ君」 「サカモト君」と2人に呼びかけるあたり(^_^;)
うーん、歌江さん、いいな~♪

・錦弥さん
寅之進の仲間で登場。セリフも長いし♪

・笑子さん
勝海舟先生んちのお女中さんに、澤瀉屋の笑子さん発見♪
ってことは、他にも澤瀉屋のみなさんが出てる??と思いましたが、
ちょっと発見できませんでした。

【その他】
・オープニング
スーパー歌舞伎を彷彿させる音楽(テーマソング?)を使った始まり方。
まだ明るい場内に雷がゴロゴロと低く響き、音楽が終わってからようやく
暗くなって幕開きです。

うーん、普通のお芝居だったら、結構、好感度ありのオープニングなんですが、
歌舞伎座で歌舞伎と銘打ってやるのには、どうなんでしょう、これ…<(ーー;)
そうですね、せめてナマ演奏にしてほしかった かな。

・あら♪
今回、なんと、染五郎さんにHNを呼んで貰っちゃいました♪
ひねもすのたりの春の海に…」と(^_^;)
事前に先に見た方から教えていただいてのですが、このセリフが出たときは
「ありました、ありました♪(太郎冠者風に)」
と、なんかちょっとうれしかったりして♪
(事前情報、ありがとうございます!)


・場面転換
うーん、ちょっと長すぎ。まだ こなれていないんでしょうか…
あ、でも、1幕目の後の音楽は、ナマ演奏っぽかったですし、
お祭り要素と勇壮さがあいまって、個人的には好みの音楽でした♪
しかし、この音楽の使い方、やっぱりスーパー歌舞伎みたいだなぁ…(^_^;)

・スプラッタ
寅之進の切腹の場面で、ちょっと リアルスプラッタが…(/_;)
切り口は首でしょうか、あの噴出具合からいくと…
うぅ、怪談物より、こういうリアルさのあるスプラッタの方が苦手です…

・竜馬の竜は
りょう」と読みますよね。でも普通、「竜」は「りゅう」と読むじゃないですか。
なぜに竜馬は「【りゅう】ま」ではないく「【りょう】ま」と読むんでしょう?
ということにイヤホンガイドが答えてくれました。答えはシンプル。
西日本だと「りょお」と読むんだそうです。

実際、今回のお芝居でもお江戸の勝海舟先生は 紙に書かれた来訪者の名前を最初、
「さかもと…りゅうま?」とお読みになってましたね。なるほど。

・勝先生んち
畳の上に絨毯ひいて、机に椅子です。
いっそ板の間にしちゃえばいいのになぁ。

・エンディング
最後、海舟先生のお部屋で、竜馬にのみスポットライトがあたって、
勝海舟先生が暗い部分にいたんですが、白系のお着物なんで、何処にいるかは
わかりました。
その白っぽい塊が、しゃがんで小さくなったように見えたので、
どうしたのかな~と思ったら、そうではなく、大ゼリにのって、机とかと一緒に
退場されたようでした(^_^;)

で、エンディング。
勝海舟先生んちが海辺に変わり、例のテーマ音楽が流れ、
遠くに船影を映し出してフィニッシュ となるんですが、
ここ、ほんと、スーパー歌舞伎っぽかったです。(^_^;)
いや、もう どちらかというと、現代劇っぽいような。

あ、でも、スーパー歌舞伎と違うところが。
ツケがなかったです。
うーん、最後の場面なんか、うまく効果的にツケを入れられそうなんだけどな~。

◆花道度:うーん、低?
3幕目に2回だけ。
・海舟邸を訪れた高麗蔵さんと染五郎さんと、2人を案内する女中の笑子さんの3人の出。
(個人的には↑これはもっと観たかった!)
・それから、竜馬の心変わり(海舟を斬るために来たのに、弟子入りしちゃったもんだから)
に怒った高麗蔵さんの一人の引っ込み。
どちらも花道でなんかするわけでもなく、わりとあっさりした出入りのようです。
(今回のお席は花道がどうにも見えません(^_^;)

2:一谷嫩軍記: 熊谷陣屋(約95分)

◆配役
熊谷直実吉右衛門さん
相模福 助さん
藤の方芝 雀さん
梶原景高由次郎さん
亀井六郎桂 三さん
片岡八郎宗之助さん
伊勢三郎薪 車さん
駿河次郎吉之助さん
堤軍次歌 昇さん
弥陀六富十郎さん
源義経芝 翫さん


◆演目について:
何人かの合作であるこのお話、その作者の1人に並木宗輔がいます。
三大歌舞伎の合作者の1人:並木千柳と同一人物です。
で、この「一谷嫩軍記」は、この人の絶筆なんだそうです。これは初耳。

歌舞伎でやるのは、もっぱら熊谷が陣屋戻ってくるところからなんですが、
この前の下りというのがあるそうで、そこでは熊谷の前に、この陣屋に
やってきた人たち(相模・藤の方、石屋の弥陀六などなど)の場面なんだそうです。
いつも、弥陀六の登場が突発的に感じるので、いつか、その場面から観てみたいですね~。

◆のたりの眼
うーん、肝心のところは、大体見たんですが、結構、睡魔との闘いでした。(^_^;)
弥陀六の下りなんて、出てきたところを観て、気がついたら、
義経さんが「平宗清!」と声をかけてるところでした(スミマセン富十郎さん…^_^;)

【役者さん/お役】
・歌昇さん/堤 軍次
以前、観たときは愛之助さんがこのお役で、雀右衛門さんの相模が下に下りるのに
手を貸していたのが、妙に記憶に残ってます。
そのせいか、ちょっと老けてる?という感じも持ってしまうのですが、
でも、それはおいといて(^_^;)、歌昇さん、最初の金糸の裃姿も、
最後の鎧来た姿もキリッとかっこいいです♪

・薪車さんと吉之助さん
ここでもお2人ともかっこいいなぁ♪

・芝翫さん/義経
威厳があっていい義経なんですが、富十郎さんの弥陀六と話しているところでフト
「そうか、義経なんだよな、芝翫さん。ってことは富十郎さんの弥陀六より、かなり
年下ってことで…う~ん…あんまりそんな風に見えないかも…(^_^;)」
と思ったりしました(^_^;)

・芝雀さん/藤の方
「どこが」というのは上手くいえないんですが、よかったです。
雰囲気、かなぁ。特に最初の方。敦盛が死んだと思って、熊谷に対峙するあたりが。

【その他】
・制札の書き手
は弁慶だったんですね。でも、そういえば、弁慶はこの場面はでてきませんね。

・鳩八の紋
なんか和やかで、結構すきなんですが、この演目の話では、かえって皮肉で
酷な紋ですねぇ…

◆花道度:高(のはず)
今回の席、七三もなにも見えないんです。花道。なので、熊谷のいっとう最初の出といい、
最後の幕外の引っ込みといい、いい場面は全然、みれなかったは残念。


3:村松風二人汐汲(約30分)

◆配役
松風玉三郎さん
村雨福 助さん

◆演出について
長唄さんとお三味線さん七丁七枚。
鼓には伝左衛門さんのお姿が。

舞台装置では左右の黒御簾の壁のとこからはみ出して伸びてる松が見事でした。

◆のたりの眼
・お化けだし
最初、舞台中央のセリから、お2人でセリあがってくるんですが、
この時に鳴るのがドロドロ(^_^;)
まぁ、この2人の海女は 幽霊なんだそうですから、正しい音ではあるんですけど、
ちょっとめずらしい感じが(^_^;)

・衣装
カラーは福助さんが赤、玉さんが白。
海女のはずなんですが、刺繍の入った豪華な着物に立派な帯。
「どうみても海女スタイルではない…(ーー;)」と思ったら、
お2人は、ちゃんと海女であることを主張するアイテムをつけてました。
金糸の腰蓑
これが海女の印なんだそうです。(byイヤホンガイド解説)
…うーん、「金糸」と「腰蓑」とこの二つの単語のイメージのギャップが…(^_^;)

・ざらついた調和
二人道成寺の時は、菊之助さんがすっかり玉さん色に染まっていた というか、
今回の公演を観ていて改めて思ったのですが、菊之助さん色の主張がほとんどなかった
という感じだったんでしょうか。

今回の福助さんは、玉さんと調和してるといえば、しているんですが、
なんとなく、「福助は福助」「玉さんに染まるまい」というような自負の
ようなものがあるのかなぁ というように感じられました。

そこが微妙にざらついた不協和音を残す調和を作っているような…

あとは、お顔かな。
菊之助さんと玉さんは、なんとなく、お2人とも人離れしたというか、
そう、天守物語のあの雰囲気のお顔だちなんですが、
福助さんは芸者さんとか、婀娜っぽさがあるお顔だち と
感じているので、「道成寺」のお2人は、コピーや鏡といったイメージ
だったのが、今回は、独立した2人がそれぞれ同じ踊りを踊っている感じが
しました。

なんで、後半、玉さんが業平役にまわってからの方が、
違和感なく観れた感じです。

うーん、先月の三津五郎さんと勘三郎さんみたいに、
「2人の女性の踊り比べ」 という趣向の方が、
お2人にはしっくりくるのかな~

◆花道度:中
終盤、一度 七三手前あたりまでお2人が出張します。
ただ、そんな長時間ではありませんし、
最後は花道を引っ込んだりせず、本舞台でフィニッシュしてくれます。
コメント (4)
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2007年8月:シラノ・ド・ベルジュラック

2007-09-02 23:27:38 | 書いたぞ: 感想書きました~
【9/3追記あり】
コメントをいただいたSwingingFujisanさんのブログ(SwingSwingSwing:http://hatsune-cho.cocolog-nifty.com/blog/)の感想を読ませていただいて
色々思い出したこと、忘れていたことがあったので、一部追記しました。

観劇日:2007/8/31(金) 19:00~21:45
会場:青山円形劇場
観劇位置:Dブロック通路際♪

■演目について
作:エドモン・ロスタン / 演出:栗田芳宏

■公演について
期間:2007/8/29(水)~9/9(日)
筋書き:1000
【9/3追記】
終演時間と休憩時間:
夜の部は19:00始まりで21:45でした。おなか空きます(^_^;)
あと、休憩は1回・15分だけ。
女性のトイレは数はありますが、早めに行っておいたほうが無難かと(^_^;)


■配役(公式HPより。細かい配役は、アタマが追いつきませんでした~)
恋と冒険に生きる道化師:シラノ右近さん
辛辣な舌で男を翻弄する美女:ロクサアヌ安寿ミラさん
嫌味で気障なド・ギッシュ伯爵から浮気女まで加納幸和さん
シラノの親友から侍女まで坂部文昭さん
酔っ払いの詩人から腕白坊主までたかお鷹さん
二枚目クリスチャンからミーハー娘まで桂憲一さん
寝取られ男から修道女まで猿弥さん



■のたりの眼
「シラノ・ド・ベルジュラック」は観るのは初めてです。
本を読んだこともありません。芥川龍之助の「鼻」は読んだことありますけど。

「鼻」が特徴の「シラノ」が「ロクサーヌ」って ねぇちゃんに惚れる話。
程度には知ってましたが、なんせ
 「『シラノ』ってシェイクスピア?」
と思ってた人ですから、私(^_^;)。

で、今回、初「シラノ」。観終わって思ったのは

…「シラノ」って、喜劇?悲劇??

えらく、かわいそうな話にも思えるけど、確かに笑える話でもあるし。
うーん??

まぁ、どちらかといえば、シラノって可哀相な人だなぁと思ったんですが、
それと同時に、「思ったように行かない人生を いかに生きるか。」
という問題の、ひとつの回答を見せてもらったような気にもなりました。

シラノの生き方・考え方は、傍から見れば悲しいし、損な部分も多いように
思えるのかもしれないけど、個人的には「これも、いい答えだな」 とも思いました。

チャンスがあれば、今度は違う位置からもう一度見てみたいもんです。

というわけで、以下、観てて思ったことをツラツラと。

※ネタバレになってるところあります!
まだご覧になっていない方はそのへん、ご了承の上、お読みくださいませ。


・江戸っ子だ!
右近さんだからなのかもしれませんが、シラノの心意気はまさしく江戸っ子
それがまた、とてもいい感じ♪
このお役、右近さん、とっても楽しんでいらっしゃるのかな?
特に最初の方から バンバンとばしている感じがしました。

しかし、金髪長髪の右近さんは、そうと知らなければ、また、お声を聞かなければ
だれだかわからないかも(ただでさえ、会場、薄暗いし^_^;)

・シラノさん
そういえば、シラノって実在の人物だったんですね。
wikiペディアに出てました。
フルネームは サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラック
1619年生まれで1655年没だから享年36歳か。早死にだな~。
このお芝居にあるように、材木がアタマに当たって怪我したことが
あったようですが、死因はその頭の傷でなく梅毒だったとか…
ちなみに肩書きは 「剣豪、作家、哲学者、理学者」
文武両道だったんですねぇ。


・おふらんす時々江戸
シラノのみならず、他の方のセリフにも、時々、「ござる」とか「経帷子」とか、
なんか江戸が混ざるんですね(^_^;)

・女って強いなぁ
と、上演中になんど思ったことか(^_^;)。
強いというか、「たくましい」というほうがぴったりくるのかな?

・定式幕
会場の壁は定式幕で覆われています。
扉の部分はちゃんと切ってあるんですが…これ、今回のために作った定式幕なのかな?
ちなみに扉が閉じると(役者さんが出入りしない扉ですが)ちゃんとそこにも布がはってありました。

・猿弥さん
まさに大奮闘。しかし、あれは、多分、途中で声がエンスト起こされそうな…(^_^;)
しかし、修道女のところで、なにゆえあんなに共演者の方の笑いを誘ったのか…
まぁ、確かに他の方よりごっつい感じはありましたが。

・安寿ミラさん
あれ?と思ったのは、思ったより背が低く見えたから。
もっと背が高い方かと思ってました。
そう思ったのは女性の中にいたからだったのか、「元男役」というイメージからなのか…
今回、結構、間近で拝見することが出来ましたが、やはりキレイな方ですねぇ♪

・加納さん
初めてかな、加納さんの舞台。花組芝居の方というのは知ってましたが。
で、休憩時間まで、どれが加納さんやら全然、わかりませんでした
(事前に筋書きか配役を確認しておけばよかった^_^;)
うーん、予想してたより普通のお兄さんな感じ?
もっとアクの強い方かと思ってましたが。
あ、パンやのおかみさんが なかなかでした♪

・看板もち
してたのは、だれ??
【9/3追記】
休憩の時にはストライクに「休憩」の看板が笑えました♪


・7人
だけだったんですか、出演者。ホントに??
なんか もっといたような…

しかし、すみません、右近さん、安寿さん、猿弥さん以外の方は
ほとんど今回初めて見るかたばかりだったのと、会場がかなり薄暗かったことも
あって、ほとんど識別ついてませんでした。(^_^;)

・筋書き
配役と場割り、全部書いといて欲しかった~<(ーー;)


・観劇位置
多分、円形でなかったら、後ろになるほうかと。
最後、椅子に座ったシラノは後ろ姿ばかりでしたが、
それはそれで想像力がかきたてられて、楽しめました♪


・葉っぱ
お持ち帰りはダメなようですね(^_^;)
会場のお姉さんが注意してました。
しかし、何枚くらい落ちてきたんだろう。数えてみればよかった。

・ライト
光が効果的に使われてます。というか、影を効果的に使っている
というべきか。
1番、あぁ 上手いなぁ。と思ったのは、最後の場面で、
立ち上がってようやくこちらを向いてくれたシラノ。
顔が拝めるかと思いきや、顔は逆行なのか、影になってほとんど見えず、
手にした手紙だけが浮き上がるような照明の当て方でした。
(同じ時、舞台の端の方を歩いているロクサーヌには
ちゃんと照明当たってるんです。)

これがとても効果的に感じたのは、右近さんの声の力も大きいと
思いますが。
ただ、なんせ円形。最後の場面は、位置的にかなり照明がまぶしかったです(^_^;)

・スロープ
円形ですから、登場は観客席を抜けていく形になります。
四方の出入り口には、黒くて表面テカテカのスロープが。
表面には、かかとで、かな? こすったような線状の跡がついてました。
結構、急といえば、急かな~あのスロープ。

・死者の退場
どうやって 円形舞台の真ん中から死者が引っ込むんだろう?
暗転かな?それとも場面看板持った人の影にかくれて
一緒にひっこむのかな?と思ってたら、
場面看板持った人の後から、手を胸のあたりで組んで、
歩いてひっこんでいかれました。なるほどね~。

・ナマ演奏
バイオリンとアコーディオン。
お2人とも女性の奏者です。上手いですね~ おふたりとも。
お芝居の雰囲気造りへの貢献度はかなりのものかと。

しかし、仕方ないんでしょうが、時々、私の座席の真横のスロープで
演奏されるんですが、そうすると 舞台の方の役者さんのせりふが
ちょっと聞き取りにくかったり…(^_^;)

・栗田さん
が、いたのかな?客席の一番後ろに座って、帽子かぶってた方が、
筋書きに出てた栗田さんのお写真とよく似てたような。
お芝居終わると、すぐに退場されてましたし。
私、てっきり、舞台に参加されてるのかとおもってましたが、
筋書きとか見る限りでは、今回は、参加はされていないようですね。


以下最後まで【9/3追記】
・析
始まりは歌舞伎と同じ析。周りの定式幕と合わせて、「うーん?歌舞伎っぽい
演出の展開にしちゃうのかな?」とちょっと残念なような気持ちと、
面白そうな気持ちが半々になったんですが、最終的には、歌舞伎色は
あんまりなかった といえるのかな と思います。

・シラノがあの世に持っていくもの、それは?
最後に末期症状で死神?の幻覚が見えていると思われるシラノが
死神に向かって「貴様は俺から全てを奪っていく。しかし、どうやっても
奪えないものがひとつある。俺はそれを持ってあの世に行くんだ」
と、いうような内容のセリフを言います。
それに対してロクサーヌが「それは?」と問いかけ、
シラノは誰にともなく、その答えを「私の心意気だ!」と答えます。

このシラノの独白とロクサーヌの問いかけと
それに答えるシラノの最後のセリフの間が絶妙でした。
余談ですが、このとき、私も心の中でロクサーヌと同じように
「うん、何、持って行くの?」と 問いかけてしまいました(^_^;)

この「心意気」は「羽根飾」と書いて、「ココロイキ」と読ませるそうです。
そういえば、出演の皆さん、羽根飾り満載の帽子をかぶっていました。
(いや、それが関係あるかどうかはわかりませんが(^_^;)

「羽根飾」っていうと、なんとなく、自分を大きく見せようとする虚栄心の
象徴のようなイメージもあるんですが、シラノの心意気を虚栄心と言うのは
なんか違うような気がしますねぇ。
私は虚栄心はあんまり好きではないですが、シラノの心意気は結構好きです♪
コメント (8)
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