のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

2009年8月:歌舞伎座 八月納涼大歌舞伎 1部

2009-08-16 03:04:15 | 観たぞ: 観てきて一言

溶けちゃいそうに暑い終戦記念日、歌舞伎座で1部を観て参りました♪
開演5分前に席にすべりこんだら、なんか結構、席に空きがある。
1部はあんまり人気ないのかな?なんて思ったんですが、開演までには
きっちり満席になりました(^_^;)


==============================
1:天保遊侠録


真山青果先生のお話です。観るの初めてかな。


・「葛西太郎」
という料亭が舞台です。
まるで人の名前のような屋号で、面白いな~と思ったんですが、
この料亭は実在で、八百膳なんかと並ぶような高級料亭だったそうです。
知らなかったな~。時代小説とか結構読みますが、出てきたことなかったと。


・勘太郎さん
ちょっと声がガラガラしてたような。
2部では、まるでお父さん、3部では、勘太郎さん独自というか、いつもの
勘太郎さんの声でした、この1部では、勘太郎さんの声とお父さんの声を
足して2で割ったような感じでした。面白いもんですね~。


・橋之助さん
「見ていい時の親父より、見て悪い時の親父の方が多い」というセリフ
まんまの御家人ぶり。
小吉ってのは、暴れん坊でも、子煩悩なお父さんなんですよねぇ。と
思わせてくれるのは橋之助さんの大きい演技によるところが大きいかと。


・扇雀さんと萬次郎さん
扇雀さんがいい女っぷりを見せてくれます。3部のお国とはまた違う艶があり、
相変わらずうまいなぁと思わされます。

萬次郎さんは、貫禄のある演技で、舞台が引き締まるってのはこういう感じなんだな
というのを感じさせてくれました。

扇雀さんと萬次郎さん、この二人の女形による部分も大きい舞台だと思いました。


・お中臈様
阿茶の局が「お上から賜った名を申せば・・・」と自分の身分を明かすところが、
気持ちがいいです♪
しかし、裾を持つのも自分でやらず、お付の人がお手伝い。
なるほどね、高貴な方はそうなんだ。
と思いました。
ちなみにお付の人はしのぶちゃん♪

・ご奉公の理由
幕切れに御殿に向かう麟太郎君の乗った籠にお父さんが叫びかけると、
「早く御殿のご奉公から戻ってこれるようにしてください」
と麟太郎君が言うのですが・・・、うーん、このおとっつぁんが、どうしたら、
麟太郎君は御殿から戻ってこれるのでしょう?


貧乏御家人の悲しさを自覚して、上司に我慢してアタマを下げる生き方をしろ
ということなんでしょうか?


となると、私は麟太郎君は、お父さんが自分のために無理して上司や上役に
ヘコヘコするより、いままでどおりの豪放磊落な生き方をして欲しくて、
自分の心配をしなくてすむように御殿にご奉公にあがるんだと思ってたんですが、
そうじゃないのかな~

うーん、イマイチ良くわからなくなりました。
このお話、続きがあるのかな。小吉がこの後、どうなるのか、どうするのか、ちょっと興味がありますねぇ。
真山青果全集. 第6巻 に収録されてるようですが・・・うーん、地元の図書館は
貸し出し禁止資料になってるなー(-_-;)。

真山先生の作品て、もっと新装版で読みやすくして出してもいいのになぁ。
骨太ドラマが多いから、今読んでも、面白いというか、読み応えがあるの
多いと思うんですけどねぇ。
戯曲ってのがネックなのかな。

==============================
2:六歌仙容彩
  遍照・文屋・
業平・小町・喜撰・黒主


三津五郎さんがたっぷりみせてくれる1時間45分。

・遍照
なんかあごひげのつき方が不思議な。
なんかあごの下からひげがのいるようにみえるなぁ。(^_^;)

それから、小町さん、なんか髪を結い上げてると小町さんに思えない~(-_-;)


・文屋
・官女
なんか官女の皆さんが、左團次さんの演じる「身替座禅」の玉の井を彷彿とさせる感じ。
ってことは、あまり露骨にごつくないんですね。

・くいな
その官女の皆さんにコイ尽くしを持ちかけられた文屋康秀が答えに詰まったのが「くいな」。
水鳥かなんかですよね、これ。うーん、鯉を喰うのかな。


・彌十郎さんと亀蔵さん
うーん、濃い(^_^;)
選挙ネタはタイムリーですね~
しかし、最後、亀蔵さん、踏んでったぞ彌十郎さんを。
ガタイのいい亀蔵さんのことだから、結構、重量ありそうなのに(^_^;)
ま、でも、彌十郎さんもがっちりしてるから、大丈夫か(^_^;)


・業平
うん、やっうぱり小町さんは髪は下ろしてる方がそれらしい。
ところで、あのうちかけの上に、前後反対にしてつけてるエプロンのような
あれはなんだろう?

あと、眉が、あの平安朝のぽってり眉と普通の眉と二段になってたみたいですが・・・
あのぽってり眉って、普通の眉にプラスで書くものでしたっけ?


・喜撰
・山台
清元のみなさんをのせた山台が下手から出てきて、車の車庫入れみたいに
黒御簾前に移動するのですが、あれlって、滑らかに動くもんなんですね~。
上にあれだけ人がのってるのにな~
(と思ってたら、最後の黒主では、長唄のみなさんにお囃子のみなさんまで
乗った山台がスススーッと動いてました(^_^;)

うーん、車がついてる・・・にしても、ガタガタせずにスーっと動いてるよなぁ。
あの緋毛氈めくってみてみたいな~

この場は長唄と清元のかけあいでしたが、太夫さんの多い長唄の方が
音が大きかったな~

・・・すみません、肝心の踊りの方は、なんか熟睡で・・・(^_^;)

・黒主
おぉ、山台が割れた!で、割れた間から黒主と小町ののった一畳台が登場。

この場の小町さんは衣装は業平の時と同じですが、襷がけ?して袂を押さえた
格好。攻撃的?でかっこよかったです♪

最後は花四天が黒主と出てきてたちまわりになり、黒主が緋毛氈のお立ち台にのって
フィニッシュ。


しかし、変化舞踊とはいえ、やっぱり1時間45分の長さはちょっときついな~(^_^;)

・大和屋さん後見
大和屋さんの裃は柿色というんでしょうか、肌色っぽい色であざやかですね~
あと、着物の方も黒地で袖口や襟に鮮やかな青がのぞいているのが、なんとも♪。
黒と青の潔さと柿色のやわらかさは、三津五郎さんのイメージに通じるものが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2009年8月:歌舞伎座 2・3部

2009-08-11 02:16:05 | 書いたぞ: 感想書きました~

夏休みをとった1日は、チケット取りと歌舞伎座2・3部、ぶっ通しで終わりました♪


9月の歌舞伎座、WEBでは、私の行きたい日に限って、取りたい席が出てこない。
他の日だと、出てくるのに~(-_-;)

仕方ないので平行チャレンジでかけた電話も、これまたなかなか、通じない。
結局、電話つながるまでえ、1時間くらいかかっちゃいました。
うーん、「今回のチケット合戦はたいしたことないかな~」
なんて、甘くみてたのがいけなかったか。


==============================


さて、歌舞伎座。
今月は8日開幕だから、まだ3日目なんですね~
とりあえず、サクっと感想書いときますと・・・


2・3部とおして1番、面白かったのは、3部の「お国と五平」。
谷崎先生原作のお話なんですが、なかなか、なかなか。
ドラマとして見ごたえありました。

元婚約者の弱虫臆病を自覚する友之丞に、武士の鑑のようなダンナを闇討ちにされた
お国さんと、忠義の五平の仇討ち旅。
4年(だったかな?)近くの放浪の果てに、ついに二人の前に仇の友之丞が現れますが・・・

というお話で、友之丞が三津五郎さん、お国が扇雀さん、五平が勘太郎さん。
夕暮れに薄の野っぱらを舞台に、登場人物は3人きりで、場面転換もなしでみせる50分。
(花道も使いません)
舞台は屋外なんですが、ある意味、密室劇っぽい濃さが感じられました。


お国のダンナをやみ討ちにしたことの理由を語る友之丞には、
最初は「ダメだ、ヘタレだ。」と思い、友之丞とお国五平の会話の
かみあいというか、なんというか、根底の次元が食い違うような会話に、
「ストーカー犯罪者の心理はこんななのかなぁ、うーん、怖いなぁ」と思いました。
ちょうど、この日、家で、こないだ起きた耳かきのお姉さんのストーカーの人の
殺人事件の話が話題になってたばかりでしたし。

しかし、このお話、そこから意外な逆転が起こります。
コレが面白い。


まだご覧になってない方のために、というのは建前で(^_^;)、
面倒なので細かい説明は省略しますが、
お国と五平は、「おのれ許さん、友之丞」から一転して、友之丞と同じ側になって
しまい、「お願い許して、友之丞」となってしまうわけです。

でも、まぁ、個人的には、お国と五平の罪の発端は友之丞の殺人なわけで、
それがなければ、その罪はなかったかもしれないわけで、
そこを考えると友之丞とお国・五平は同じ側ではない気がするんですけどねぇ。
あと、もうひとつ、お国五平は合意の上でなわけですし。


というわけで、私としては、このお話の展開に
「いーじゃないか、それで。二人で幸せになれよ。なんにもうしろめたいことは
ないよ」といってあげたいんですが。
うーん、このお話の時代背景では、そうも言えないんですかねぇ。

しかし、まぁほんと、面白かったです。この話。


友之丞を演じる三津五郎さんが、うまい。
徹底的にヘタレで、みじめといえばみじめな役なんですが、
これはうまい役者さんがやらないと、面白さがでないのではないかと。
そういう意味で、ヘタレなのに三津五郎さんのうまさが際立った感じです。

あと、2部の「豊志賀の死」では、お父さんと声が瓜二つだった勘太郎さんの声が、
この演目では、そうは聞こえなかったのも、個人的にはプラス得点でした。

==============================

他には2部が「豊志賀の死」と「船弁慶」。
豊志賀の死」は元が落語だから、怖いなかにも笑いがあっていいのかも
しれませんが、ちょっと笑わせすぎな気も。
怖いはずのところも、笑っちゃうんですよね。うーん。いいのかなぁ。

でも、今月、勘太郎さんと勘三郎さんがガチでぶつかる?のはこの1本のみ。
二人の場面はなかなか面白かったです。

船弁慶」は、福助さん、橋之助さんが義経・弁慶初役というのがちょっと意外。
四天王のフレッシュな顔ぶれも要チェックですが、やはり、個人的には
舟長・舟子が注目。
三津五郎さんの舟長に、高麗蔵さん・亀蔵さんの舟子と、ご贔屓さんがそろい踏み♪
なんか、最近この演目、この役がポイント高いこと多いなぁ(^_^;)

==============================

3部
は上述の「お国と五平」のあとに「怪談乳房榎」
勘三郎さんの早替りの速さにおどろかされました。
最後の方は正助の足に刺青が見えたり、後ろに引っ込むところが見えちゃったりと、
ご愛嬌なところもチラチラと。

この演目、勘太郎さん、でてもいいのにな~と思ってたんですが、どっかで
お父さんの身代わりやってそう(^_^;)

締めは、勘三郎さんのチラシに書いてない4役目で、うまい展開。
勘三郎さん、フルマラソンを全力疾走しきった って感じがしました。
しかし、千秋楽まで、毎日、あれで、身体がもつか心配です(^_^;)

そういや、この場面の幕、ご贔屓からの贈り物っぽいですが、左下に書いてあるあれは
「大根がし(河岸?)より」??

あ、そうそう、この幕、定式幕ではなく、緞帳で幕でした。
いつも、席を立つ頃には定式幕がひかれますが、今日は、緞帳のままでした。

終演は21:15でした。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いいぞ10月!

2009-08-10 23:58:41 | 観たいぞ: 気になる演目などの情報

歌舞伎座行ったら、10月の演目、出てました。
歌舞伎美人にも、情報出てましたね。


「歌舞伎座さよなら公演 芸術祭十月大歌舞伎」
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2009/10/post_48.html


昼は三津五郎さんの「毛抜」に、玉さんの「蜘蛛の拍子舞」、
藤十郎さんと時蔵さんの「河庄」に、
トリは松緑さんのご長男の初舞台「音羽嶽だんまり」。
大河君ですか、いくつなんだろう?


夜は吉右衛門さん玉さんの「渡海屋」と、
菊五郎さん・菊之助さん親子の「川連法眼館」
「義経千本桜」の通しで芸術祭参加。


個人的にうれしいところは、團蔵さん、3演目出演♪
「毛抜」の玄蕃に、「千本桜 川連館」の駿河次郎。
フフフ、いいですね~♪
あと一本は松緑さんのご長男の初舞台です。


渡海屋には富十郎さんが義経でご出演だし、
相模五郎・入江丹蔵は歌六さんに歌昇さん


昼の毛抜と河庄には東蔵さんも出てくるし。
そういや、三津五郎さんの弾正ってのも、初めてかな。
これも楽しみだな♪


なかなか観劇心をくすぐるラインナップです♪

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする