観劇日:2007/7/24(火) 16:00~19:00ころ
会場:日本青年館 大ホール
座席:1階D列下手より
短い花道の七三に当たる部分の真正面♪
今回の座席はプレオーダーでゲットしたんですが、
それにしては、大当たりな席でした。
1:歌舞伎のみかた
◆配役
解説員:
笑三郎さん・春猿さん
助手:
笑子さん・笑羽さん・裕喜さん・笑野さん・
喜昇さん・喜久於さん・喜太郎さん・猿紫さん
◆のたりの眼
澤瀉屋さんの名コンビによる解説。
お2人は紫帽子をつけて、羽織を羽織っての登場。
紫帽子(って名前でいいのかな?)は左端に澤瀉屋さんの三ッ猿の紋が
抜いてありました。
あ、この解説では、マイク バリバリでした。
なくても大丈夫そうな気もしましたが(^_^;)。
解説では、笑三郎さんの義太夫や、春猿さんの立ち役の喜怒哀楽。
左バッターの笑三郎さんに
澤瀉屋の藤原紀香さんが登場するわ、
ご本人たち、淡々としつつも、しっかり面白いところが、さすが♪
大向こうや見得の体験もありました。
見得は希望者を舞台に乗せてくださると、既にこの公演を見た方から
聞いていたので、もっと希望者がでるかと思いましたが、結構、
女性数人+坊やとお母さんと、思ったより少なかったです。
そう、一応、ホールの外の注意書きには「
未就学児童の入場はダメ」と
いうようなことが書いてあったのですが、お母さん、どうどうと坊やを
参加させちゃってました。いいのかなぁ(^_^;)
まぁ、この後の「俊寛」の時は、席を外してくれたので、個人的には助かりましたが。
最後は「俊寛」の説明。
実際のお写真からつくったお面をつけた助手のみなさんが登場。
なぜか千鳥の笑也さんのお面が、なんとなく三津五郎さんの女形の時の
お顔に似ているような気がしました(^_^;)
あと、段治郎さんのお面かぶってた方(残念ながらどなたかわからなかったんですが)、
リアクションが、とってもかわいらしかったです♪
2:平家女護島 俊寛
◆配役俊寛僧都 | 右近さん |
海女千鳥 | 笑也さん |
丹波少将成経 | 笑三郎さん |
平判官康頼 | 段治郎さん |
瀬尾太郎兼康 | 猿弥さん |
丹左衛門尉基康 | 門之助さん |
◆のたりの眼
浅黄の振り落とし幕で始まったんですが・・・
すみません、前半、ウトウトしてました(^_^;)。
でも、最初の方って、出演者のみなさん、舞台に座ってるじゃないですか。
なんか、ちょうど目線がくるんですよ、D列(4列目)なのに(^_^;)。
(立ってると、もうちょっと後ろの方に目線が行くんだと思うんですが・・・)
そんな出演者の方の視線を感じつつ、抗いがたい眠気に襲われつつ
ココロの中で「
ゴメンナサイ ゴメンナサイ~っ(ーー;)」と思いながらの前半でした。
舟が出てきたところからは、もう、目が離せませんでした。
というわけで、
【役者さん/お役】
右近さん/俊寛
右近さんに限ったことではないんですが、わりと、この俊寛って人は
いい大人、それも元僧侶だった人にしては、嘆きっぷりが激しい人だなぁ
という印象があります。
まぁ、流人生活というのが、それだけ人の心を弱らせるほどのものだということ
なんだろうと思いますが。
右近さんの俊寛は、奥さんが殺された話を聞いたところで、
わりとすぐ、その事実を受け止めての嘆きっぷりとなります。
個人的には、奥さんが殺されたということは、そんなすぐには
受け止められないんではないだろうか、という気がするので、
ここは、も少し、放心状態の態があってもいいのかな~
と思ったりしました。
終盤の瀬尾との対決のあたりや、舟がさってからの独壇場に至っては
ほんとに、一挙一動に目が離せないという感じで、グッとくるところも
多々ありました。
特に、最後の崖の上で松の陰から「お~~~いっ」と
言う
声の弱弱しさ。これには、特にグッと来るものがありました。
あと、個人的には、なんとなく終盤の方は、幸四郎さんの俊寛のイメージと
ダブルような感じがありました。
うーん、目の表情、ですかねぇ、似てるのは。
ところで。
俊寛って、本当に謀反に加担してたんでしょうか?
それとも、ぬれぎぬ、とばっちりの類だったんでしょうか?
もし、前者だとしたら、瀬尾の言うとおり、目をかけてもらってたのに
謀反を企てたのは、やはりまずいですよね。
そうすると、俊寛1人、赦免されなかったのも、なんか自業自得という気が
してきてしまうんですが(^_^;)
猿弥さん/瀬尾太郎
私、俊寛の瀬尾って、すっごく憎らしく感じることが多いんですが、
でも、結構、好きだったりするお役です。
で、今回は猿弥さん。ちょっと声があぶなくなってきてるような気もしましたが
途中で気になるほどではありませんでした。
真横からお顔を見ると、うーん、
眉が動く動く♪すごいぞ猿弥さん♪
瀬尾のセリフの中では、「
慈悲も情けもみどもはしらぬ」というのが好きなんですが、
今回の猿弥さんの瀬尾ではその後の「
見ても見ぬふり、知らぬふり」
という方が印象的でした♪
笑三郎さん/丹波少将成経
白塗りのお兄さんです。
この配役でも、段治郎さんとお役をチェンジしてもいけそうな気がしてしまう
笑三郎さん。以前は女形というイメージが強かったんですが、
最近、立ち役でも違和感がほとんどなくなってきました。
今回も、細かい動作まで少将としての神経がいきわたってる感じで
自然な感じの少将でした。
笑也さん/千鳥
舟が来たところへ、みんなと一緒に行くんですが、船から下りてきた瀬尾や
成経達の様子をみて、どうしたもんか、と躊躇しながらも とりあえず岩陰に
隠れることにするところが、なんか、そうした感じがよく出てて、千鳥の戸惑いが
わかりやすかったです。
しかし、千鳥の願いは「せめて一夜の契り」だったようですから、
この島に一泊すれば瀬尾も死なずにすんだわけですよねぇ。うーん・・・
段治郎さん/平判官康頼
これも今回の段治郎さんに限らず、前も疑問に思ったことがあるんですが、
どうして、康頼の髪の毛は茶髪なんでしょう・・・なんか気になるところです。
門之助さん/丹左衛門尉基康
スキッとさわやかなお役人です。
「慈悲も情けも・・・」をそっくりそのまま瀬尾に返すところは、
いつ見ても、爽快なところです♪
その他、ご贔屓のみなさん♪
欣弥さんが瀬尾の家来で、
延夫さん、猿四郎さん、瀧之さんは丹左衛門尉の家来で登場です。
なんと、ご贔屓ぞろい♪
ただ、丹左衛門尉の家来は 上手の床の前に並んで控えて、下手の方には
全然来てくれないのは残念でした。
でも、ご贔屓がズラッと並んだ所はなんかうれしい♪
ところだったんですが、が、ですよ。
家来の左お2人(弘太郎さんと延夫さん)は、俊寛や丹左衛門尉のいる
舞台中央に視線を向けられているのですが、
なぜか右お2人(猿四郎さんと瀧之さん)は、客席の方に視線を向けられて
いたんです。
本当は前から4列目でも双眼鏡でじっくり見たいくらいのご贔屓の整列だったんですが
お2人と目が合ってしまいそうで、あんまり見れませんでした。
・・・あぁ、私の根性なし_| ̄|○
でも、お2人、私が見れないのはおいておくとしても、やはり舞台の役者さんの方を
見ていて欲しかったな~。なんか家来衆が違う方向見てるのは、ちょっと違和感でした。
ちなみに、猿四郎さんと瀧之さんはセリフはありません。
が、丹左衛門尉と一緒に一度引っ込んだ後、瀬尾との対決シーンで
再登場する丹左衛門尉の腰掛を持ってきて、その後、脇に控えているのが瀧之さん、
対決の後、
俊寛を置いていくことに躊躇する千鳥の突き飛ばし舟乗せ係で出てきたのが
猿四郎さんでした。(^_^;)
ちなみに最後に舟のとも綱をといて俊寛の方になげる水夫は
喜之助さんでした♪
あと、水夫といえば、舟から島への上陸用の板を支える二人の水夫が、皆が渡り終えたあと、
ちゃんと2人で「うん」とうなづきあってから引っ込むところが、細かいところですが
リアリティが感じられて好印象でした。
今回、何度か見てる演目と踊りだから とイヤホンガイドを借りませんでした。
が、義太夫さんもハキハキとして、わかりやすかったし、イヤホンなしでも
大丈夫でした。
が、家人は、大体の筋はわかるんだけど、やはりあった方がよかったかな~
と思うところが、何回かあった。
といってました。
たしかに、「地獄道がウンタラ」 というあたりとかは、唐突にでてくるので
初めて見る人には、ついていきがたいものがあるかもしれません。
◆花道度:中
最初の方での、成経と康頼が登場するところと、
康頼に呼ばれて出てくる千鳥の出戻りと再度の出
だけだと思います。
あ、あとは、最後に俊寛が、舞台転換の間に「おぉ~い~」と叫びながら
七三あたりまで来ます。
3:お祭り
◆配役鳶頭 | 段治郎さん |
芸者 | 春 猿さん |
鳶頭 | 猿 弥さん |
芸者 | 笑三郎さん |
芸者 | 笑 也さん |
鳶頭 | 右 近さん |
◆のたりの眼
今回も 始まりは浅黄幕の振り落とし。
あ”
清元は家元さんでした・・・(^_^;)
【お衣装】
芸者さん
うーん、みなさん、キレイですね~♪♪
同じ黒地に裾に波の模様なんですが、裏地が
みなさん、違ってました。
・春猿さんは白地に薄紫の波。
・笑三郎さんはもえぎの吉原つなぎ
・笑也さんはエンジの吉原つなぎ
あと、帯も面白い結び方だったみたいです。
正面に来る部分がクロスするような結び方になってたみたいです。
そういえば、笑三郎さんが、途中、帯の表に出てた赤いしごき?の端を
「あら」という感じで帯と着物の間に押し込んでしまう場面があったのですが、
あれは、アクシデントだったんでしょうか??
春猿さんの芸者さんも艶っぽかったですが、
微妙に酔態の笑三郎さんの芸者さんも絶品!
笑三郎さんは最後の総踊りでも、一番、艶っぽかったし、
柔らか味があって素敵でした♪
鳶頭
段治郎さんだけ、金糸銀糸でお獅子?の刺繍。
他の鳶頭さんは、首抜きでした。
で、段治郎さんは途中、片肌脱いで真っ赤な鮮やかな襦袢を見せた上、
最後はそれも脱いで 刺青ご披露。
でも、ナマ足はなかったのがちょっと残念。せっかく舞台に近い席だったのにな~(^_^;)
いや~ でも、そんなことを差し引いても、
かっこよすぎますわ、段治郎さん♪
まぁ、もてちゃって もてちゃって♪
いいアニさんがいい姐さんにもてる図というのは、どこを斬っても絵になるって感じで
いいですね~♪
あ、リズミカルに足拍子をダンダン打つところも好きです♪
【その他】
・棒
最初のところで、頭がもって出てくる棒。
地面にドンと突くとシャランと金属音をたてるやつ。
あれ、吉原の花魁道中で先触れがもってるやつだと思うんですが、
私、あれ、大好きなんです♪
で、今回、めずらしく間近に見れたんですが、
なるほど、上の方が棒がちょっと細くなって、その部分にその長さよりちょっと短めの
筒状の同じ金属をかぶせてあるんですね。
私は、いままでこの棒で「ドン!」と地面を突いたとき、
音を出すのは棒の天井についてる銀の輪束のみだと思ってたんですが、
この筒状のが跳ね上がって戻って、本来の太さの部分にぶつかる時の音も
入っているんですね~。
・外は暑いが・・・
最後はみんなで牡丹の模様の扇でパタパタとあおいでいるところで幕となるんですが、
立ち回りをこなした段治郎さんは、本当に暑そうでした(^_^;)
しかし、この最後は、なんとも涼やかな感じがしますね~♪
観ている方もなんとなく涼やかな感じになります。
ここで、「そういえば、外はものすごい炎天下だったんだよな」と
ふと思い出しました。
・しんがり
段治郎さんの鳶頭を襲撃すべく、鳶の者たちが走り出てきますが、
この時、しんがりにいたのが(多分)
喜之助さん。
そういや、喜之助さん、こういう たての時、しんがりになることがわりと多いような?
・タテ師は
もちろん、猿四郎さんと瀧之さんのお2人です♪♪
◆花道度:高
段治郎さんの鳶頭、弘太郎さんの出、
笑三郎さんの引っ込み
右近さん、笑也さん、猿弥さん、笑三郎さんの出
あと、鳶の若いもんの出入りがあります。
【おまけ1:筋書きのお写真】
表紙は、チラシの時のように、出演者のみなさん横並び。
格好はチラシと同じですが、手にはお写真、もってません。
裏表紙は、その後姿。
同行した家人に「どれがだれだかあててみ」
といわれまして、一応、全部あたりましたが、家人は
真ん中と両端のお2人はわかるものの、間の皆さんが区別がつきにくい。
と申しておりました。
うーん、言われてみればそうかも。
あと、立ち姿、特に足が、みなさんそれぞれで面白かったです。
段治郎さん、右近さんは
男の人らしいゆるさがありますし、
笑三郎さんと春猿さんは
女らしさが。
立ち方がきれいだなぁと思ったのは門之助さんと猿弥さん。
笑也さんは、ちょっと足の感じがわかりにくいおズボンでした(^_^;)。
中にも、それぞれの立ち姿全身のお写真があるんですが、
ここではなぜか笑也さんが
「ドドン!」という感じの
仁王立ち(^_^;)。
笑三郎さんも仁王立ちなんですが、笑也さんのは なんかこう、
「この先は一歩も通さんっ!」という意気込みが感じられるような仁王立ちでした。
どうしたんでしょう笑也さん(^_^;)。
あと、ここでも立ち姿がきれいだなぁと思ったのが猿弥さん。
そういえば、猿弥さんはチラシでも写真の持ち方が1人だけ片手なんですけど、
なんかそれがかっこいいですね~♪
あ、役者さん紹介のところのお写真には、先月の中日のお写真も出てます♪
あと、国立のとヤマトタケルの時と、あと、今年5月のかな、玉さんとの舞踊公演の
お写真の方もいらっしゃいました。
どれも、舞台写真の販売がなかった(すみません、5月の舞踊公演は
販売があったか知りません)公演なので、結構、うれしいところです。
ただ、1ページ丸ごと使って載せてる、今回のお役のお写真の方が
ちょーっと、ピンボケ気味な気がするのが、ちょっと気になるところでした。
【おまけ2:開演前余談】
開演時間の1時間くらい前についちゃったんで、炎天下にあたりをウロウロしてました(^_^;)。
なんか、オミソが幾分蒸発したような・・・(^_^;)
(脂肪が蒸発してくれるなら、砂漠でもどこでも歩いてやるのに・・・(ーー;)
すぐお隣の神宮球場では夏の高校野球の真っ只中。
ちょうど1回戦が終わったあとで、吹奏楽部らしき 楽器をもった一団などが
わさわさおりました。
行きはJRの千駄ヶ谷から行ったのですが、
「たしか神宮の近くには地下鉄の駅があったはず。
帰りはそっちから帰ってみよう。」
と思い、「駅はどこだ~」と神宮周辺を歩いていたのですが、
あんまり来たことないところだったので、暑かったですけど、ある意味、面白かったです。
神宮球場の、道をはさんだ向かいには、都立と私立の高校が隣り合って建っていました
ちょっとめずらしいですね。こういうふうに隣接しているのって。
【おまけ3】
あ”、そういえば・・・三越歌舞伎のチラシ、ありませんでした・・・(/_;)