のたりずむ♪ぷれ ~門耳(カドミミ)~

門耳=聞。小耳に挟んだ歌舞伎関連情報や見たお芝居の感想メモです。

なんか 楽しそう

2006-01-31 11:50:43 | その他
金土日月曜とかかりっきりでやってきた仕事に
ようやく一区切りついて、身もココロも疲れ果てた月曜の夜。

ふと思い出してテレビをつけたらやってました。

月曜ミステリー劇場湯の町コンサルタント4 「恋の湯伝説殺人事件」

もう、4作目なんですね(^_^;)

前チラッと見たとき、確か巳之助さんが出てきてて、お~親子共演だ~
と思ったのは覚えてるんですが、今回、はじめて ほぼ最初からちゃんと見ました。

まぁ、色々突っ込みたいところはあるんですが(^_^;)、それをさしおいて、
なんか楽しかったのが、三津五郎さんと角野卓造さんと、あと、でんでんさんの
ヤロー3人のじゃれあい。

お布団でゴロゴロしながら 色々話してたり、
(三津五郎さん、こういうときはベストは脱いでもいいんじゃないかな~(^_^;)
真田十勇士の名前を全部いえるかとか 神社で世界平和を口に出してお願いするとか
なーんか おじさんたちが かわいい♪

裏が西遊記だったから、視聴率、苦戦したかもしれないけど、
疲れ果てた昨夜の私は、こっちの方が 見ててここちよい楽しさを
味わえました♪
もし、5があったら、また、見よ~っと♪

あ、あと、こないだ教えてもらって初めてしった三津五郎さんの従兄弟という
池上季実子さんが三津五郎さんの妹役で出てました。
・・・あり?ショートヘアーだ。1/3に国立劇場で見たときはたしか
お着物で、髪はアップにしてたと・・・あれはウイッグだった??


コメント (2)
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むむ、私がネットを留守にしてる間に

2006-01-31 11:48:57 | その他
金土日月と私を忙殺してきたお仕事が よ~やく一区切り!
あー 疲れた。
というわけで、本日からネット復帰です!


で、私が忙殺されてる間に こんな発表をしてたわけですね。

4月の歌舞伎座で 玉太郎さんが松江さんになって
玉太郎さんのご長男 5歳になる彩人君が5代目玉太郎になるそうです。

彩人ちゃん初舞台 4月大歌舞伎で(中日スポーツ)
http://chuspo.chunichi.co.jp/00/hou/20060128/spon____hou_____007.shtml

松江さんは立ち役のお名前になっちゃうんですね。
なれるまで ちょっと時間がかかるかな~(^_^;)

5歳というと、こないだ初舞台の虎之助君(7歳)よりはちっこいわけで・・・
仁左さんとこの千之助君と同い年くらいでしょうか?

仕事人の東蔵さんのお孫さん、どんな舞台をみせてくれるのか、
襲名ということで玉太郎さんが どんなふうに化けてくれるのか、楽しみです♪
ところで、4月の演目は??


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2006年1月歌舞伎座:夜の部

2006-01-26 01:31:20 | 書いたぞ: 感想書きました~
千秋楽を目前に控えた歌舞伎座夜の部に出陣してまいりました♪

まだ 松竹座のレポも残っていることですし、サクっといきます。サクっと。

◆座席:3階B席



◆藤十郎の恋


【登場人物】
坂田藤十郎には 現藤十郎の息子さんの扇雀さん
藤十郎にかりそめの不義をしかけられる人妻:お梶に時蔵さん
藤十郎の一座の座元の若太夫に歌六さん

【あらすじもどき】
近松の「おさん茂兵衛」をやることになり 人妻と姦通してしまう密夫の役造りに悩んだ坂田藤十郎。
あげく、幼馴染で今は人妻のお梶に、役作りのために言い寄り、
その藤十郎の言い寄りに身持ちの固いお梶が 自分からすすんで
行動に出たところで逃げ出し、その経験をもって役づくりした「おさん茂兵衛」は
大当たり。
一方、藤十郎の真意を知ったお梶は 楽屋で自害。
藤十郎の心境やいかに というところで幕となります。

菊池寛の原作です。
私は、この本を¥100ショップで買いました(^_^;)
読んでみて・・・・
はっきり きっぱり、
「藤十郎って サイテー」
という一言に尽きてしまうお話しでした。(^_^;)

これを歌舞伎にした今回の舞台。
観てみて・・・
やっぱり はっきり きっぱり、
「藤十郎って サイテー」
という一言に尽きてしまいました・・・<(ーー;)

時間にして、1時間弱のお話しです。

去年、歌舞伎座でかかった「おさん茂兵衛」の舞台を観ているので、
今回の話もわりとわかりやすくなった気がします。

【役者さん】
・時蔵さん
藤十郎に言い寄られて、最後は自分から前掛けをはずし、行灯の明かりを吹き消します。
(藤十郎はこの時点で 逃げ出すわけです。なんてヤツ(-_-;)
この 前掛けをはずした瞬間、決意した女の姿で とても素敵でした。
それに、行灯を吹き消しに行く時に後ろを向いた時のお尻のラインが
やっぱり、とても艶っぽいんですよ~。
ほんとに、どうしたらそんなに艶気がだせるのか、聞いてみたくなってしまいます(^_^;)

・歌六さん
この若太夫、あまり見せ場がないお役のような・・・

【衣装】
藤十郎に言い寄られる時のお梶が、赤紫の色で梅が散らしてある着物に、
前掛けが、とても鮮やかなオレンジ色(といっていいのかな)で素敵でした。

座元の若太夫も黒で統一されて しまっている感じでかっこよかったです。
あと、藤十郎演じる茂兵衛の舞台衣装が 茶と黒の渋いお着物で素敵でした。

【花道度】そういえば、全然使ってないかも



◆口上


舞台上手にならんだ萬屋のお三方(歌六さん 歌昇さん 時蔵さん)のところ、
切り取って持ち帰りたくなりました(^_^;)
あ、どうせなら そのとなりの東蔵さんもいっしょに!

居並ぶ列の両端が、上手が幸四郎さん、下手が吉右衛門さんのご兄弟。
そのひとつ内側は、上手が我當さん、下手が秀太郎さんのやはりご兄弟。

成駒屋さんは 緑の裃。
下手から翫雀さんのご長男:壱太郎さん、扇雀さん 翫雀さん 扇雀さんご長男で初舞台の虎之介君。
と並んでおります。
親子で並べばいいのにな~ と思いましたが、最後に藤十郎さんが虎之介君を紹介するから
やっぱり、虎之介君は藤十郎さんのお隣がいいだろうし、かといって、
弟の扇雀さんを お兄さんの翫雀さんよりお父さんの近くに座らせるのも ってことなのかも。
難しいですねぇ。
虎之介君は7歳。きれいな声です。

幸四郎さんが 藤十郎さんに4代目がつかない理由に、
段四郎さんが 歌舞伎が世界無形文化遺産になったことに 触れてました。



◆伽羅先代萩


御殿・床下
【登場人物】
政岡はもちろん藤十郎さん
政岡の実子:千松は今、口上でご挨拶した虎之介君。
若君:鶴千代君は 鶴松君。
にっくき八汐は梅玉さん
政岡の味方:沖の井には魁春さん
同じく味方の松島には扇雀さん
ぬけてるのか、お茶目なのかよくわからない悪人サイドの人:栄御前に 芝翫さん代役で秀太郎さん

荒獅子男之助には 初役とは驚きの吉右衛門さん
一言も台詞のない仁木弾正には お兄さんの幸四郎さん
弾正が化けたネズミには 翫雀さん門下の翫祐さん

【見所】
御殿は、飯炊の場面からです。

鶴千代君が鶴松君と最初 気がつかなかったので、最初、「中村屋!」と声がかかって
びっくりしました(^_^;)
虎之介君が大健闘。かわいいです♪
この千松の雀の歌の振りについては、てぬぐいさんとこのブログ:てぬぐいぶろ(http://tenu.at.webry.info/)
に 楽しい図解がでております♪(2006/01/10 1月歌舞伎座 : ままじゃ。 )


注目の梅玉さんの八汐は・・・
飯炊の前の場面があったら、もう少し、印象違うのかもしれませんが、
憎々しさがちょっと物足りない?
それと、やはり、裾さばきとかが イマイチすっきりしないところが。
普段 立役やってる人には、難しいんだろうなぁ、女モノの衣装の裾さばきって。

藤十郎さんの政岡。玉さんとか、菊五郎さんとかの政岡を見てきましたが、
今回の「飯炊」は、珍しく爆睡度が低かったです(^_^;) なんでだろ?

あと、勘違い大王の栄御前が去ったあと、政岡がほっとしたのと、目の前でなぶりごろしにされた
自分の息子を観て 涙を流すんですが、これが赤い涙(ーー;)
目尻にさした紅のせいか なんなのかわかりませんが、ちょーっと怖かったです(^_^;)。


そして、この後の「床下」!
これが、よかった~!
吉右衛門さんの荒獅子男之助は、初役とは思えないほど、適役!!
姿といい、言い回しといい、いやー ほんと よかったです♪

それから、男之助に対峙するネズミさん。
これが またよかった!
ちぢこまった形で 男之助にアタマを踏みつけられてる時は、
両足がちゃんと浮いてるんです。
トンボの切れもよく、愛嬌もある。上手いな~。
今回、このネズミを演じるのは、中村翫祐さんだそうです。
詳しくは 中村梅之さんのブログ:梅之芝居日記(http://blog.goo.ne.jp/takasagoumeyuki/)
に、紹介されています。(2006/1/21 アラ怪しやな)
ネズミのベテランさんだそうです。納得!

しかし、今回思ったんですが、このネズミ、しっぽ長いですねぇ。
トンボ切るとき、気をつけないと踏んじゃったりとか、結構 危なそうです。

そして、幸四郎さんの弾正。
これが、私の席からは ほとんど見えなかったんですが、唯一、七三から花道の口のところに来てくれた時に
少し、見えました。
ひっこみのお姿は 当然、見えませんでしたが、下座のあたりに かなりはっきりと映る
弾正のシルエットが、ひっこむにつれて どんどん大きくなって 最後、シャリンという揚幕の
音とともに 場内が一瞬、闇に包まれて 幕切れとなります。

このシルエット観てるだけでも、素敵でした。

ん?もしかして、幸四郎さんてば、今月、口上のほかは、この一言も台詞のない+出演時間も短い
このお役だけ??
うお~ もったいない!

【花道度】
やっぱり、弾正の引っ込みありますし。
ただ、「御殿」の場面では、栄御前の出入りくらいしか使いません。



◆島の千歳


福助さんの踊り。
背景は厳島神社を望む海上です。
上手には鳥羽屋里長さんらの長唄と なんと鼓は望月朴清さん ただ1人!
囃子方が1人というのは初めてです。
しかし、この組み合わせ、贅沢ですね~♪

福助さんの千歳は 紫色の長絹が素敵でした。

しかし、1人でこれだけ踊るの 大変だなぁ~
それに、この踊りの振りを覚えて、昼の袖萩の台詞も覚えて、芝翫さん代役の
昼の「万才」の振りも覚えて・・・
なんか 福助さん、今月忙しそう(^_^;)

【花道度】皆無



◆関三奴


鳥羽屋の里長さんは、こちらの踊りにも登場です。

白塗りの若衆系奴に染五郎さん
赤っ面の荒事系奴に橋之助さん

染五郎さんは 緑と白の格子
橋之助さんは 黒と白の格子 の着物。

染五郎さんが白髪の毛槍
橋之助さんが黒髪の毛槍 を操ります。

しかし、この毛槍の毛・・・なんか ヅラ を思い起こすなぁ・・・(^_^;)

足拍子を効果的につかう踊りで、始終ダン・ダンと音がしてるので
観てて なんかリズミカルで面白いです。

【花道度】
最初の出の時、二人で 暫く七三のとこで なんかやってます。
見えなかったんで、何やってたのかわかりませんが。
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2006年1月松竹座夜:五段目・六段目

2006-01-25 00:50:31 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆演目・人物関係・あらすじもどき
省略

◆見所 
浅草の方はきっかり2時間。
今回の松竹座は 1時間40分ほど。
どこで縮めてるんでしょう??

というわけで、記憶のうすれつつある浅草との対比を中心に、
順を追って見て行こうと思います。
なんでちょっと配役対比表をば。


※クリックすると別画面で表示します。

まずは山崎街道の場。
仁左さんの勘平は 多少、くたびれたように見えるのは、
先に浅草をみたせいかもしれません。(^_^;)

うわ~ 久しぶりの段治郎さん(千崎弥五郎)だぁ~
うわぁ。仁左さんの勘平とのセリフのハモリが美しい~♪

そういえば、弥五郎が「ノミにも食わさぬこの身体」というところで、なんか羽織を開いて
勘平に着物を見せるような仕草がありましたが、あれは何を見せてたんでしょう??
ちなみに この「ノミにも食わさぬ」の言い方は、浅草のお二人に比べて ちょっと一本調子だったかな。

あれ?そういえば、ここで弥五郎の住居をたずねたり、勘平が自分のうちを教えるくだり、
あったかな? あれ? もしかして、私、ここ記憶が飛んでる・・・
まさか寝てたのかな?<(-_-;)、
どなたか覚えてたら、ぜひ、教えてくださーい。

さて、定九郎は愛之助さん
唐傘に顔を突っ込むようにして、ダーっと花道をかけって登場。
ん?浅草でこんな場面あったっけ?? あったかな? あれ?
ここも覚えのある方、ぜひ、おしえてくださーい(^_^;)

あ、ちなみに傘の壊れ具合の激しさは浅草の勝ちです!

このあとの、わら束の中から にゅーっと伸びてくる愛之助さんの手、これが 長くて、
その上形がきれい!!
それから、髪先の露をはらう指先の美しさ!これは、3公演通して愛之助さんが
ピカイチだと思いました。
もちろん モモも形がきれいで血のしたたり具合もばっちり♪

鉄砲に撃たれて もがくところでは、刀は浅草のように藪に投げ込んだりせず、
下にボトリと落としてました。この方が自然ですね。

花道から登場した仁左衛門さんが明かり代わりに振り回す火縄・・・
本物だっ!! 火がついてる ついてる!
ぐるぐる回すと、ちゃんと光の後が丸く残ってる!!すごーい!
確か、浅草ではこれは火はついてなかったよな~。

あと、浅草では勘平が木にぶつかって火が消えてたと記憶してますが、
今回は火縄だけが木に当たってますね。

それから、火縄銃の扱いは さすがに仁左さんの方が本物っぽく見えます。
というか、年季が入ってる感じです。(^_^;)

それと いのしし運搬用の紐を取り出す仕草に艶気があるんですよね~仁左さん。
さすがです♪

で、定九郎の引っ張り方もちょっと違います。
仁左さんは上に持ち上げようとして 「持ち上がらない~」 となるんですが
浅草ではここは、花道の方に引っ張っていこうとしたけど 「動かない~」 となってました。

次の与市兵衛内の場への転換は廻り舞台を使います。
浅草は一旦、幕が降りたよな~ と思いましたが、そうでした、浅草は廻り舞台がなかったんでした(^_^;)

判人源六は松之助さん。延夫さんあたりでも見てみたかったな~このお役。
もちろん、松之助さんの源六もよかったですが。

笑三郎さんのお才は 口調がしっかり関西というか上方というか になってて
なんか、すごく女将な雰囲気に満ち溢れてました。
浅草の門之助さんのお才もよかったですが、笑三郎さんのお才もまた違う魅力で素敵です。

玉さんのお軽は・・・うーん あの、肌の白塗りに後光が差してるというか・・・
それに、道行の時と違って、着物のせいでしょうか、なんかすごく姐さんな印象というか
こう、鋭さのようなモノが感じられて、ちょっと怖かったです(^_^;)
きれいなんですけどね。

家に帰ってきた仁左さんが蓑をとると、着物は松嶋屋にかけた松の字の入った格子柄。
こういう趣向は好きです♪

お軽が外で待ってる源六に 勘平の足をすすいだの水をかけそうになっちゃうところは、
浅草では笑いが起きてたのに、こちらでは ほとんど反応がなかったようです。

お軽・勘平の別れのクライマックス。仁左さんは「まめで・・・居やっ」の「居や」で
お軽を突き放しました。七之助さんが同じやり方だったかな?

お軽のひっこみですが、これは、浅草の七之助さんのが とても悲痛な声だったのが
印象的ですが、玉さんはそこまで悲痛な感じではありませんでした。

お軽が行ってしまったあとのおかやの嘆きが 浅草に比べて短い気がしました。
このへんで時間短縮してるかな?

勘平がうつぶせになってもだえながら、ござを丸めて部屋の隅に投げるのは、浅草と同じでした。

一方、浅草ではあまり印象にないんですが、親父様のなきがらに取りすがってたおかやが
縞の財布に思い当たり、「ハッ」となるところ、これが今回は鮮明でした。
そんで、竹三郎さん、財布でほんとに勘平の仁左さんをぶってます。
浅草では・・・ぶつ振りで 実際には当たってなかったような気が。
(ウソかも(^_^;)

それから、勘平の大小。これは、浅草では着替えた時に一緒にでてきましたが、
今回は、数右衛門たちが来た時に 仏壇の下の押入れ?から取り出してきます。

この時点で、浅草と同じく勘平の顔には青みが加わってます。
が、まぶたの辺りに本当にうっすらとだけです。
もしかしたら、六段目出てきたところから のってたかもしれません。
そのくらい わずかな青みです。
でも、それでも悲壮さは ばっちり出てます。

さて、弥五郎 数右衛門。
浅草では 弥五郎とやってくるのは 「原 郷右衛門」でしたが、
松竹座では「不破 数右衛門」です。
そして今回は段治郎さん 弥十郎さんの背高コンビ~♪
お二人で並ぶと、弥十郎さんの方がやや背が高いようです。

共に口跡のよいお二人。一緒に出てくると つい、比べてしまいますが、
今回の段治郎さんは ちょっと早口で声もくぐもってる感じがして、
いつもの口跡のよさにいまいち曇りがあるように感じました。
段治郎さんも乾燥でダミ声になってるのかな??

そして 言い訳勘平。
仁左さんは「天から恵みの金っ」という所でパッと喜びの顔になり
上を向いたところで、両脇の二人の冷たい視線に気がつき、ハッとなって
叱られた子どものようにシュンとなってしまうところが、すごく鮮やかで
失礼かもしれませんが、なんか とてもかわいらしく感じました♪

浅草でも 同じようにやってたかもしれませんが、記憶に残ってないとこみると
わりとあっさりやってたのかもしれません。

それから、もうひとつ、仁左さんの勘平ですごくよかったのが、
弥五郎たちが親父様の遺体を改めて「疑いははれたっ!」と言ったあとの
勘平の表情。
これが、ほんとうにうれしそう。すごくうれしそう。
よかったねぇ と言ってあげたくなります。

それと、この後、お腹に刀を突き刺した状態なのに、ちゃんと着物の裾をただしてから
二人に向き合い、「疑いはれましたか?」と聞くのが、ありえない気力だと思いつつ、
そうする勘平の仕草が なんだか納得できてしまいます。
浅草のお二人は、最初に二人が訪れた時に向き合うときは、ちゃんと裾直しをしてたけど
ここの場面では、やってなかったのでは?

それにしても、仁左さんの勘平は、こういうちょっとした表情の変化や仕草が
すごく印象に残ります。
こういうところは、浅草のお二人が 勢いで引っ張って行ってるのと
対照的に感じます。

あと、ちょっと戻りますが、勘平が腹を切ったところで、おかやが勘平の背後に飛んできません。
おかやは衝立の向こうで親父様の亡骸にくっついたまんまです。
浅草では、おかやが飛んできて、勘平の背後にくっついてました。

最期に勘平はおかやに百両そのまま弥五郎たちに差し出させるところで 今回、
「ちょっとまて、その百両 まるまるなくなったら、この先、おかやの生計はどうするんだ!」
とふと気がつき、勘平ってなーんも考えてないな、と思った一瞬も。(^_^;)

さて、注目の段治郎さんの弥五郎は、勘平が腹を斬ってから、そばで支えるあたり、
仕草・視線・表情、どれをとっても手抜きがなく、きっちり 役になりきってる感じで
「さすが」と思いました。
あと、最期に勘平をおいて立ち去るところで涙するのが、すごく弥五郎の情が感じられて
よかったです。

数右衛門が血判状に名前を書くために取り出した矢立。
浅草はふたが上下にスライドするタイプでしたが、松竹座のは
円心状にスライドするタイプでした。(^_^;)

幕切れでは、勘平はおかやに「軽を 軽を・・・」と言伝して成仏。
浅草では どうだったかな~ 言ってたかなぁ?



さて。
3公演を通して、共通して感じたのは、早まって腹を切った勘平の疑いが晴れ
数右衛門(郷右衛門)が「仏果を得よ」というのに対して「仏果とはけがらわしい!」と
切り返す手負いの勘平の激しさです。
ここは3回観て、3回とも 勘平の台詞に「ビクッ」としてしまいました。
この気迫。これが、どれだけすさまじくできるかが この演目、
結構ポイントになるのかもしれません。

で、浅草との比較という点では、やはり浅草のお二人は、まだ若いな~ と。
勢いはあるけど、深みが追いつかない感じです。
今回の仁左さんは 深さも勢いもバランスよい感じでした。

4月はこんぴらでこの5・6段目がかかりますが、
こちらは 残念ながら観劇予定なし。
海老蔵さんの勘平に亀治郎さんのお軽 と 浅草と今回の松竹座の中間に位置するような
配役と思われ、なかなか面白いものが見れそうなんですが・・・残念。
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2006年1月松竹座夜:春調娘七草

2006-01-25 00:10:35 | 書いたぞ: 感想書きました~
おもだか屋のお三方による 正月吉例曽我もののお目出度い踊りです。

段治郎さんの十郎・春猿さんの静・市川猿弥さんの五郎の順に 下手から登場。

・・・あれっ、段治郎さんてば、六段目の幕切れまできっちり出ててるのに
ここでは 先頭きって登場ですか!
ちなみに、5・6段目のあと、この演目の幕開きまで、幕間は5分です。
いくら同じ白塗りのお役とはいえ・・・5分で身支度は大変だ~っ

さて、1点、どうにも気になるんですが、
なんで 曽我物に静御前が出てくるんでしょう??
なんかイヤホンガイドで解説してたのかもしれないんですが、
ちょっと意識が段治郎さんのかっこよさに集中してたため 気がつきませんでした。(^_^;)
どなたか、ご存知の方ありましたら、教えてくださいませ。m(__)m

まず、衣装ですが、
五郎・十郎は横棒2本入った赤い着物に おなじみ蝶と千鳥の意匠の浅葱の裃。
静御前は赤姫のこしらえです。
浅葱の裃が 赤との対比で なんとなくすがすがしいです。

今月の歌舞伎チャンネルで 田之助さんの十郎・我當さんの五郎・秀太郎さんの静
というとりあわせのこの演目の舞台の放送がありましたが、それでは、五郎・十郎は
黒、かな?とにかく濃い色の裃で、これはこれで、ちょっと大人な感じで素敵でした。

ちなみに、五郎の方はまず裃を脱ぎ、次に着物も脱ぐんですが、襦袢も真っ赤。
十郎の方は 裃の片袖までだったんで、どうかわかりませんが、多分 同じなんでしょう。


次に踊り。
この踊り、3人とも同じ振りをすることが多いのですが、
静は静の、五郎は五郎の、十郎は十郎の それぞれに個性に
あった動きになってるところが「同じであって同じにあらず」な状態で
面白いです。

振りで印象的だったのは、段治郎さんの首。
最初の方で、3人そろって人形ぶりのようにキビキビと首をふる動きもきれいだったんですが、
はやる五郎を留めて「ダメ、ダメ」とゆったりふる首の動きが、やわらかい感じでとてもきれいでした。
やわらかな動きということで、女性の静と同じになるかというと、
そうでもないように感じるのは、やはり女形のやわらかさとはまた違うやわらかさを出しているからなんだと思うんですが、でも、その違いは わからないんですよね~(^_^;)

それから、途中に 太鼓をたたくような動作があったんで、
「なんだろう? あれ」 と思ってたら、どうもあれは、すりこぎで草を叩いてる仕草だったようです。

梅の大木を背にした お目出度い踊りで きもちよく打ち出し。
5・6段目は見ごたえがあるんですが、ちょっと悲しい終わりのドラマなんで
この演目が最後に入ったのは、ありがたかったです。

なんせ、一緒に行った家人なんか 5・6段目見終わった時点で怒ってましたからね~。
「どうして正月だってのに、こんな暗い話ばっかりなのっ!」って。
なんとも言い返せないところが。(^_^;)

◆花道度:なし
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らいおんを飼ってみた

2006-01-24 14:39:46 | 書いたぞ: 感想書きました~
頭から食べられた。(T_T)

ではなくて(^_^;)、三津五郎さんと平幹二郎さんが火花を散らす「獅子を飼う」を
サンシャイン劇場で見てまいりました。

◆サンシャイン劇場
JR池袋駅から徒歩15分というのは 嘘じゃないかも。
結構、遠いみちのりです。
サンシャインについてからが結構あります。

劇場は入り口が4階、そこから1階席後方と2階席は階段をのぼる必要があります。
今回は2階席でしたが、結構、のぼりました。
(途中踊り場があるんで2階分+アルファの段数をのぼります。)
エスカレーターとかエレベーターは ありません。
足の悪い人には 酷だと もらしていた方がいましたが、まさにそのとおり。

それから、場内は飲食禁止です。
でも、場外のベンチなどは あまり数がありません。(2階について言えば)
自販機事情もあまりよくないようです。

ちなみに開幕19:00。休憩は1回15分で終演は22:00です。
結構、ハード(^_^;)

2階席は 階段の段差にかなり高さがあり、急勾配です。
おまけに2階席の柵が低めなので、降りる時は結構、怖いです。

客席には結構男性の方の姿が目立ちました。
それからテレビ録画が入ってました。
2/25(土)山川静夫さんの招待席です。

踊る三津五郎さん見たい方、おすすめです♪

◆役者さん
私、どっちが秀吉で、どっちが利休か、はっきり覚えてなかったんで
劇場に貼ってあったポスターを眺めたんですが、どっちがどっちでもいけそうに
見えたんで、観てのお楽しみにしてましたが、答えは
三津五郎さんが秀吉。
平幹二郎さんが利休。
でした。

どっちかってぇと、逆の方かと思ってたんで ちょっと「へぇ」と。

この主役のお二人はもう、文句なし。
三津五郎さんは どうにも憎めない人物であり、どうにも孤独だった秀吉という人を好演。
他にも異人服?で踊ってくれたし♪♪ 扇で三成をペシっとやるところも絶妙の間でナイスでした♪
昨日はくしくもお誕生日だったそうで、最後のご挨拶のところで、
「大和屋っ お誕生日おめでとう!!」と声をかけたくなったりして(^_^;)
そういえば、掛け声ってかかってませんでしたね。

平さんは 利休の秀吉への恋とも羨望ともいえるような、
妖しくも微妙な気持ちが感じられて同じく好演。
直接対決の所は空気がビンとして見ごたえがありました。

あと、私、秀吉の弟という存在を知らなかったのですが、
今回出てきた秀長という人物に、惚れてしまいました。
私、こういう影で支えるタイプを演じる人に弱いんです。(^_^;)

この秀長を演じたのが高橋長英さん。これが、また上手い方だったのも大きかった。
この方を観れたのは今回収穫。

それから、異人のペドロ役の立川三貴もいい味だしててよかったです。
筋書きみなかったら、ハーフの方かと思うほどでした。

あと、ねねの平淑恵さんも さすがでした。ねねってほんとにああいう感じの人だったのかな
と思いました。
あと、女性陣では 利休の妾?の於絹に元宝塚の娘役トップで大鳥れいさんというきれいなお姉さんがおりまし
た。

他に、三津五郎さん門下で 八大さんと大和さんが出てました。

◆演出
光と布の使い方がうまいな~と感じました。
あと、場面転換も面白かった。
それから舞台面がアクリル板をはったような感じで、上に立ってる役者さんが映りこむのも
上から見てると面白い演出でした。
舞台のほぼ真ん中に鎮座する石がどの場面でも違和感なく溶け込んでいるのも面白かったし。
ただ、利休の像ってのは、なんかミイラみたいでちょっと・・・<(ーー;)

あと、音楽がナマ演奏でした。舞台の両脇で。
これは、結構うれしかった♪ なんか贅沢な気分を味わいました♪
音調も面白かったし。
しかし、あれ、タイミング合わせるの難しいでしょうねぇ。
ただ、同じ音でも、於絹の歌う歌は・・・うーん、私の感覚的にはこの芝居にマッチしませんで<(ーー;)
お姉さんの声はとってもきれいだったんですけど。
個人的には ああいう硬質の澄んだ声の歌より、謡いのような低音の響く歌や、
常磐津みたいな邦楽の艶気というかあだっぽい感じのある歌のほうがよかったかなという感じです。

あと、今回1番気にいったのは、衣装です。
シンプルながら、デザインといい、配色といい素敵なのが多かったです!
まぁ、秀吉のは派手でしたが(^_^;)
特にマントがすばらしかった!!
特に秀長! かっこよかった~♪
ちなみに衣装は緒方規矩子さんです。


◆お話
秀吉が帝と茶会をやったころから 利休を殺すことを決意するまでの間の時代が舞台です。
正直、歴史に弱いというか、何度大河ドラマでみても、このへんの出来事の順序なんかが
頭に入ってこない私ですが、そういう意味では、時代の流れが色々わかりやすかったです。
でも、利休と秀吉の薄氷を踏むような微妙なとでもいいましょうか、
そういう二人の間にある関係は、やはり生身の人間の感情のことだけに、理解するのが難しい。
それを うまく紐解いて、ひとつの解釈をみせてくれようとしているのがこのお話だと思うんですが、
ほんとにそうだったかは別にして、秀吉と利休の関係についてあまり予備知識のない私には結構、説得力はあり
ました。
ただ、やっぱりちょっと難しかったです。
でも、今回のお芝居で私の中にひとつ新しい秀吉像が加わったかなと思います。

今、大河ドラマで秀吉が出てますが、(三津五郎さんも出てますが(^_^;)
三津五郎さんに秀吉やらせても面白かっただろうな と思いました。
それから、最初にも書きましたが、秀吉と利休、キャストを入れ替えてやったら
これもまた、面白いと思います。もし、あったら、ぜひ観てみたいです。

獅子は 秀吉。獅子を留める檻は茶の道。
はたして獅子は最後まで檻に留まっていたんでしょうか?

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愛之助さんインタビューその2

2006-01-24 12:21:43 | その他
先日に引き続く 愛之助さんのインタビューを見つけました。
これ、あと1・2回続きそう(^_^;)


名前ある役に戸惑う(読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/miseru/mi60123a.htm

うーん たしかにこういう戸惑いってあるんだろうなぁ。


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松緑さんおめでとー♪

2006-01-23 12:37:03 | その他
1/20に二人目のお子さんがご誕生だそうです。
今度は男の子。とりあえず未来の辰之助君ですね。
しかし、ここんとこ、おめでた続きですなー 梨園は。うれしいことです♪

尾上松緑に“世継ぎ”長男誕生(スポーツニッポン)
http://news.goo.ne.jp/topics/geino/others_geinou/kabuki/

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愛之助さんと薪車さん

2006-01-23 10:44:10 | その他
松竹座寿初春大歌舞伎にご出演のお二方に関連した記事2題みつけました♪

まずは「義賢最期」を熱演の愛之助さんのインタビュー記事。

初春に遠い夢 実現(読売新聞 )
http://osaka.yomiuri.co.jp/miseru/mi60119a.htm
子役のころの丁稚姿のお写真があります。
今月の義賢からを見ると 「可憐な女形」がいまいちピンときません(^_^;)


こちらは 昼夜3演目にご出演の薪車さんが「咲くやこの花賞」を受賞したという記事です。

「咲くやこの花賞」 、2005年度受賞5者決定 (日経ネット関西版)
http://www.nikkei.co.jp/kansai/culture/31014.html

この賞は過去に右近さん 愛之助さんも受賞しています。
個人的には、今の薪車さんに、さほど「上方」という印象はないのですが、
今後の動向に期待です♪


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2006年1月松竹座昼:義賢最期

2006-01-23 00:23:40 | 書いたぞ: 感想書きました~
◆演目について
並木千柳、三好松洛の合作「源平布引滝」というお話しの中のひとつ。
ちなみにこの二人に竹田出雲らが加わると、3大時代物(千本桜・忠臣蔵・菅原伝授)の
作者になります。

この物語は全5段からなる浄瑠璃で、今回の「義賢最期」は2段目にあたるお話しです。
このあとの3段目にあたる「実盛物語」は 最近では、海老蔵さんが
襲名公演にやってましたが、よく、かかる演目です。

この話しにでてくる人物が、今回の「義賢最期」にも出てきます。
この2つ、続けてみると、すごくわかりやすいと思うんですが、
続けて上演したのって、見たことないなぁ。


◆人物関係:
頼朝の父ちゃん:義朝の弟がタイトルロールの義賢さん(愛之助さん)
平家に従うふりして、ちゃっかり源氏の白幡を大事にしてたりする人です。
この奥さんが、のちの実盛物語で手を産んだことにされちゃう葵御前(笑三郎さん)
ちなみに、葵御前が本当に産んだのは後の木曽義仲なので、義賢さんは義仲のパパということになります。
気性が激しいとこだけ 似ちゃったねぇ。
それはさておき、
この葵御前は後妻さんでして、義賢さんと先妻さんの間に生まれてるのが待宵姫(春猿さん)
この待宵姫が惚れてるのが奴の折平実は多田蔵人(段治郎さん)

この蔵人の奥さんで、実盛物語では 白幡握った手だけ先に登場する小万(孝太郎さん)
その親父様が九郎助(橘三郎さん)

白幡詮議にやってくる平家の使者2人組(延夫さん・猿四郎さん)
義賢討伐にやってきた平家の討手その1:進野次郎(薪車さん)
同じくその2:矢走兵内(猿弥さん)


◆あらすじもどき:
義賢の館に小万が 親:九郎助と倅:太郎吉と共に訪れる。
小万はこの館の奴:折平が、7年前、自分が太郎吉を産んだあと行方不明になった夫だとわかり
たずねてきたわけだが、当の折平はなんと多田蔵人への使いをたのまれ外出中。

子どもうまれた奥さんおいて7年間も音信不通。おまけに今は奉公先のお嬢さんと
いい仲になってるって、人間としてどうなんだ折平!

ま、それはさておき。
帰ってきた折平は 言われたところに蔵人の館はなかったと義賢に告げるが、
預けた文箱の封印が切れてるもんだから、義賢は問い詰める。

で、ここで、お互いの正体・本心を明かして打ち解けあうんだけど、
今度はそこに平家の使者2人。
「白幡出せ」と詰問のあげく「兄貴のしゃれこうべを踏んでみろ」と来たもんだから、
キレたね、義賢。ついでにその様子をのぞいてた折平もキレて、平家の使者を1人は斬ったが
1人は討ちもらした。
となると、そいつが告げて この館に平家の軍勢がおしよせるのは眼に見えてる。

というわけで、義賢は自分は捕まって生き恥さらすよりここで討ち死にするといい、
娘の待宵姫を折平に託して落とす。

この時、討ち死に覚悟の父親を置いて行きたくない娘と父の 枝折戸をはさんでの
なかなかのドラマな駆け引きがあるんですが、しかし、娘を説得するのに
「今ここで腹を切るぞ」と脅す父親ってのもねぇ(^_^;)

それに、身重の奥方はどーすんだ と思ったら、こちらは白旗を託して、
と共に居合わせた小万たちに預ける。

でもね~ これ、絶対、白幡預ける相手、間違えてると思う<(ーー;)。
折平に託しなさいよ、折平に。
だって、このあと、この葵御前、いとも簡単に平家の手勢:矢走兵内に
白幡奪われちゃいますもん。
でも、まぁ、この後 生まれてくる自分の子どもに証しをもたせたかったのかなぁ。

で、このあとは タイトルの「義賢最期」の場面に向かって めくるめく立ち回りの連続。

子どもを背負って棒の先に鎌をぶら下げたのを振り回して じーさまもがんばります。
子どももじーさまの背中で棒をぶんぶんふりまわしてがんばります。
どーみても 無謀ではあるんですが。(^_^;)

でも、最終的に身重の葵御前をつれて逃げるのは、このジジと孫。
よく 逃げ切れたなぁ。(^_^;)

最初に 葵御前を任された小万はといえば、敵を蹴散らすうちに葵御前とはぐれ、
最終的には最後の最後まで館に残ってます。
で、葵御前→矢走兵内と巡って義賢の元に戻ってきちゃってた白幡を
義賢から託されるわけです。

こんな託され方したら、そりゃぁ 命がけで守らざるを得ませんわなぁ。
実際、小万はこの後、自らの命をおとしても白幡を離さない執念を見せてくれます。
あれもすごいと思ったけど、その性根の源流は この「義賢最期」にあったのか となんか納得。

そして、いよいよ義賢最期。
娘は落とした、白旗も託した。もう思い残すことはない。
が、ただひとつ。これから生まれるわが子の顔が見れないのが残念だ。
と言い、それでも、最期は堂々と仏倒しになって事切れます。

この人が 生きてたら、もう少し歴史が変わったかもなぁ と思いました。

◆みどころなど
最初から順々に行きます。

まずは、小万一家の花道の出。
うーん この席からだと、小万の孝太郎さん、うなじしか見えない~ 
こっちむいて~っ(>_<)

小万はこのあと舞台で正座しますが、そのあと、立ったら、濃い紫の着物のおしりに
白粉の白いあとが(^_^;)
あれ?でも、草履履いて正座してたんだけど・・・・どういう風に座ってたのかな?

さて、この後 花道を登場してきた段治郎さんは、七三でくるっと一周。
うーん 「こっち向け~」という念波を あっちこっちから感じたかな?

次に登場の義賢の愛之助さんは 低く地の底から響くような声。
うーん 「らぶりん」なのに「ゴルゴ」に思える・・・<(ーー;)
しかし、愛之助さん、低音の声を出すときのお役って、なんか とてもいいことが多い。
今回も大当たりだったし♪

それから、義賢の(多分)三重に重なった裾が 重なりがキレイで、動くと
それがハタハタとするのが、またキレイ。

折平と正体・本心明かしあう場面では、
義賢は 盆栽の松を引き抜き、松で手水鉢の端を叩き割り、それでも水が流れ出ない
=>源はそのまま。 =>源氏をまだ大事に思ってるよ
ということを折平に示すんですが・・・しかし、あなた、盆栽とはいえ、根元から松をぬくかっ!
それに、この松で動作の意味するところを、一応、折平さんが「松は陽で 水は陰で・・・云々」と解説してくれるんですが、
だれかもう少し、わかりやすく説明して~ よくわかんない~<(ーー;)

この後、平家からやってくるキンキラの衣装に身を包んだお使者コンビは
やった!延夫さんに猿四郎さんだっ!!ご贔屓コンビ~!(^^)!

しかし、首桶(中にしゃれこうべ在中)をもってる時の猿四郎さん、なんか視線が明後日の方を
向いたままで、なんか不自然でしたが、しゃれこうべを義賢の前に出すあたりからは、さすがさすが♪
視線といい、ちょっとした反応といい、いい仕事してます♪
その姿を双眼鏡で一生懸命追ってたら、上手から一瞬 姿をみせてたらしい段治郎さんを見損ねてしまった(^_^;)

さて、この場面、義朝の髑髏を踏めず苦しむ義賢を真ん中に
下手に義賢の顔を下からじっと見つめる猿四郎さん、
上手に観客席の方に顔を向けながら、視線は義賢を注視する延夫さん
の3人でビシッとごとく決まるところがあります。
かっこいい~ ここの舞台写真がほしい~っ!!!
でも、ほんと、写真があってもおかしくないくらい、ビシっと絵になって決まってた
非常に「あぁ眼に幸あり」な場面でした♪

しかし、最後は悪役の悲しさ。
猿四郎さんは 義賢により さっきさんざん足蹴にしてた 義朝の髑髏で
打ち据えられ、挙句、突き殺されちゃうんです・・・(T_T)

この場面「加賀見山」のお初が草履で打たれる場面を思い起こしてしまいました(^_^;)

この後、死を覚悟した義賢が、「あらあら うれしや」と
今までしめていた病鉢巻を後ろにぽーんとほうりなげる場面があります。
なんか、こう、ふっきれたすがすがしさ(やけになっただけか?)のようなものがあって、
気持ちのいい場面でした。

枝折戸ごしの親子の別れは、いい場面なんだと思います。
が、やはり、愛之助さんの父親は まだ少し若くて、ちょっと軽い印象をうけました。
仁左衛門さんや吉右衛門さんに 時蔵さん 福助さんあたりの待宵姫でやると
さぞや濃いドラマになりそうです。
今回の愛之助さん・春猿さんも 年季が入ってくれば、今、これだけできるんだから
かなりいい感じになりそうで 今から楽しみです♪

ちなみにこの後、待宵姫の手をひいて折平が引っ込んでいくところ。
舞台写真では 横顔のショットがありましたが、私の席からはちょうどお顔の正面♪
いい表情が真正面から堪能できました♪

平家の追手その1として出てくる進野次郎の薪車さんは、優男系も艶気があっていいですが
こういう 荒々しい 眉の濃いタイプも 結構、似合います。
幅広いですね~。

子役を背負って 立ち回りする九郎助。私、これを寿猿さんだとばかり思ってまして
(私の頭の中で老け役=寿猿さんという図式がありまして・・・(^_^;)
なんで、寿猿さん すっごい大変だろうなぁと思ってたんですが、
休憩時間に筋書きよく見たら橘三郎さんでした。(^_^;)

さて、黄色のしごきをつけて「旅姿」ということになった葵御前。
お供をするのは 行きがかりからかどういうわけだか なぜか小万。
対する追手は 三枚目の矢走兵内。
兵内に対峙して、 小万が見せる余裕の笑みが素敵です!
私、孝太郎さんの、こういう強い女性が結構好きです♪
しかし、実際問題、いくら相手が兵内とはいえ、この人数に1人で立ち向かうのは
かなり無謀な気が(^_^;)

しかし、猿弥さん、夜の「道行」の鷺坂伴内といい、似たようなお役ですねぇ。

で、いよいよ出てきたのが既に右肩と左眼のあたりを血に染めた 手負いの義賢。
襖を派手に押し倒して登場です。

いくら鎧を着けないにしても、長袴で立ち回るのはどうなんでしょう(^_^;)
しかし、立ち回りは万全の気配り。
倒した襖はきちんと回収。すばやく回収。その都度回収。
きっちり、徹底しております。その徹底さに観客から笑いが起きるほど。(^_^;)

で、まず見せ場その1:襖崩れ。(というのかどうかは知りませんが(^_^;)
おぉぉぉぉっ!!これはすごい!!
4人がかりで愛之助さんののった襖をもちあげるんですが、4人で持ち上がるもんなんですね。
まず、そこで感心。そして、その襖を立ててある2枚の襖の足に乗せ、
そこで愛之助さん 立ち上がった!
最期は上手手前の1人が手を離して 愛之助さんは襖に乗ったまま 下手の方へゆーっくりと
倒れていって、着地。
この着地したところで決まるのが、またきれい!
そして ここでも襖はすばやく回収(^_^;)

次の見せ場は 左右から容赦なく飛んでくる矢の嵐
あれ、顔に当たったりしないんでしょうか?足のあたりには だいぶ当たってたようですが
(でも ささりはしませんが(^_^;)
これも 相当、危険なんじゃないかと思います。
あ、ちなみに、この乱れ飛んで舞台に散らばった矢も 黒子さんがきっちり回収(^_^;)

次は敵を花道七三先まで追い詰め、敵を倒すも自分も力尽きて七三でべっちゃりとバッタリ
これはね~ 七三横の席の人、相当びっくりしただろうなぁ。
私だったら、思わずよけちゃうかも(^_^;)。そのくらい ほんとに「べっちゃり」という
倒れっぷりでした。
で、この後。暫くしてから気がついて、むくっと起き上がり、ノドを抑えてあえぐんです。
あ~ 水、水だよ!水が欲しいんだよ!だれか持ってきてあげなよ~っ と
叫びたくなるほど、苦しさとしんどさがにじみでてました。

おまけにやっと手水鉢にたどりついたのに、水面に映る敵を見つけてひしゃく投げちゃって
結局の見損ねるし・・・(T_T)

さらにこの後、ついに気絶してしまった義賢の前で 矢走兵内に追いかけられる葵御前が
白幡を奪われちゃった!! 大変~っ!と思ってたら、起きたよ、義賢!
で、白幡奪い返して、そこに来合わせた九郎助に葵御前を託したとこまではよかったんだけど
九郎助と後ろ髪ひかれる葵御前が花道ひっこんだ後、
 「あ”~っ しまった~~っ!! 白幡預けるの忘れた~っ!!(>_<)
という台詞があるわけではないんですが、一声も出さず、仕草と表情でこういう心境が
ひしひしと伝わってくるのは、愛之助さんの迫真の演技の力です。

ここでは、花道を引っ込む短い間の中に、葵御前の身を引き裂かれるような悲しさも
ひしひしと感じられました。笑三郎さん さすが!

さて、いよいよクライマックスも近づき、ついには 進野次郎に羽交い絞めにされた挙句
生け捕りの名乗りまで上げられちゃったから、もう、ここまでと 自分の腹から串刺しで
進野も貫く義賢の激しさ!

ちなみに、ここで羽交い絞めにされた状態で、進野と義賢が段上に移動するんですが、
最期の一段あたりで、一瞬、薪車さん、愛之助さんを持ち上げてました。
・・・愛之助さんって、軽いのかな?

しかし、この串刺し。博多座の「三人吉三」のラストを思い出します・・・

そしていよいよ最期にあたり、白幡をどうにかしなくちゃなりません。
そこで、なんで知ってるんだか 小万の名を呼ぶ義賢。
で、出てきた小万に白幡を託しますが、ここからは、行けといわれても
瀕死の義賢を置いていくに行けず、ゆれる心の小万を演じる孝太郎さんが上手かったです。
すごく 小万の迷いが伝わってきました。

しかし、ここに際して、やっぱり思うのは「白幡は絶対、蔵人に預けるべきだった」<(ーー;)

まぁ、それはもうさておいて、今度こそ、本当に最期、タイトルどおりの「義賢最期」。
仏倒しで 階段落ちです。

ん~ やっぱり、顔から落ちてるみたいに見えますねぇ・・・
どうして、あれで大丈夫なんだろう・・・

一緒に見た家人曰く、
この後、夜の部の定九郎まで出番がないのは、その間、顔を冷やしてるから。
そうじゃぁないとは思うんですけどね(^_^;)

しかし、この幕切れ、見ている身としても これでようやく義賢にやすらかな時間が訪れたと思うと
なんだか、ほっとしてしまいました。

正直、今回の公演、昼夜通してどれも大満足だったんですけど、
あえて1本選べ といわれたら、これを挙げたいです。
そのくらい、よかったです。
愛之助さん この先が楽しみ~♪♪


なお、今回、唯一 残念なところは みなさん、ノドをやられてるようで、
いい声ながらも みんなダミ声になってたところ。
松竹座さん、お願いですから、空調 もう少しどうにかして~(^_^;)

◆花道度:高
なんつっても 七三バッタリな義賢がありますから♪
花道使用は 小万親子孫の出、折平の出、平家勅使の二人の出、折平・待宵姫の引っ込み、進野次郎ご一行の出、矢走兵内ご一行の出、九郎助太郎吉+葵御前の引っ込み それと、小万が七三まで引っ込みかけてますが、本舞台に戻ります。
結構、ありますね。
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