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一番の得策は

ずいぶんと暖かくなり、三郷山のモクレンが咲き始めました。
一昨日、コンサート終演後の話です。
「後半、トレモロがきれいでした」と、なじみのKさんからひとこと。
「ありがとうございます」と普通にお返事しましたが、後半でトレモロが出てくるのは、自作「パガニーニの主題による演奏会用練習曲」の第5変奏のみでして、「アルハンブラの思い出」は前半プログラムの2つ目です。
そう、かなり力点を注いで準備したはずのこの名曲は、今回もまた不本意な部分をいくらか残してしまいました。
普段、この曲を家で練習していると、たいてい、若い頃よりはずっとよく弾けています。
それにもかかわらず、たびたびこういう結果を生んでしまうというのは、特にこの曲の場合、コンディションを整えるのが、若いころよりもずっと難しくなってきたということなんでしょう。
「指の調子が出てくる前にこの曲を弾くのは、やめておいた方がいいな」
「この曲は、後半にもってくればよかったな」
……でも実は、プログラムの最後あたりにこの曲を持ってきて、それで失敗したことも何度かあります。私くらいの年齢になると、一人でワンプログラムを弾き終える頃には、すでに立っていられないほど疲れてしまっている……ということも珍しくないのです。
やはり、これほど、コンディションに左右されやすい曲は、プログラムに載せずに、アンコール用に準備しておくというのが、一番の得策かもしれませんね。
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