鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

歌‘門の上に座ってる’(その7):地面を掘るとバターロールが出てくる(GLASS8-35)

2010-12-05 23:12:19 | Weblog
 白の騎士の歌の第6連は、老人の仕事が鱈の眼から作ったボタンを売ることだと歌った。続く第7連は次の通りである。

「私はある時は地面を掘ってバターロールを探す ‘I sometimes dig for buttered rolls,
または鳥もちを用意して蟹を捕まえ蹂躙; Or set limed twigs for crabs;
またある時は私は草の小山で探す  I sometimes search the grassy knolls
二輪馬車の車輪。 For wheels of Handsome-cabs.

 PS1:第7連前半は原文では‘rolls’と‘knolls’、和訳では「を探す」と「で探す」が脚韻。また原文では‘crabs’と‘Handsome-cabs’、和訳では「蹂躙」と「車輪」が脚韻。

 PS2:地面を掘るとバターロールが出てくるのか?おかしい。鳥もちで捕まえるのは鳥なのになぜ蟹なのか?おかしい。草の小山に二輪馬車の車輪を探してあるのか?それは落ちているとしても馬車道で探すのではないのか?これもおかしい。鍛冶屋にあるのではないのか?

そしてそれが私の生業」(と彼はウィンク) And that's the way' ( he gave a wink) 
「そうやって私は稼ぎを実行― ‘By which I get my wealth―
かくてとても楽しい乾杯のドリンク And very gladly will I drink
祝すのは旦那様の高貴な健康。」 Your Honour's noble health.'

 PS3:第7連後半は原文では‘wink’と‘ drink’、和訳では「ウィンク」と「ドリンク」が脚韻。また原文では‘wealth’と‘health’、和訳では「実行」と「健康」が脚韻。

 PS4:老人は見当外れのところでバターロール、蟹、二輪馬車の車輪を探しだし、それを売るのが彼の生業だと言う。彼がウィンクしたのは自分の言っていることが荒唐無稽だと白状しているためかもしれない。しかしともかく彼はこうして稼ぐことができるのだから、めでたい。かくて楽しく乾杯である。

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