鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

垂直な穴を「ゆっくり」落ちる!(WONDERLAND1‐4)

2013-06-16 17:06:34 | Weblog
 兎の穴は、途中までトンネルのようにまっすぐだが、やがて傾きが急になり、突然井戸のようにストーンと落ちる。井戸があまりに深いせいか、あるいは、アリスが非常にゆっくり落ちているせいか、落ちていきながら、彼女には、時間がたくさんあった。

 ◎コメント1:落ちていきながら、時間がたくさんある、つまり長い時間落ち続けるとは、井戸があまりに深いか、あるいは、ゆっくり落ちているからだというのは、正しい推論。 続く話の展開が、事態を決定する。
 
 時間がたくさんあったので、アリスは周りをゆっくり見回した。

 ◎コメント2:「井戸が深い」ため長く落ち続ける場合は、スピードがどんどん速くなり、周りを見回す余裕などない。とすればアリスが長い時間落ち続ける理由は、彼女が「ゆっくり」落ちているからである。

 ◎「不思議の国」が不思議な理由(4):井戸のように垂直な穴を、アリスは、「ゆっくり」落ちる。日常の現実では、垂直な穴を「ゆっくり」落ちることはない。この点で「不思議の国」は、不思議である。

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