鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

1人では年を取るのをやめられないが2人でならやめることができる!(GLASS6-15)

2009-02-07 23:07:28 | Weblog
ハンプティ・ダンプティが「お前は7歳で年を取るのをやめておけばよかったのだ」と言ったのでアリスが怒る。「年を取るべきか取らないべきかについてあなたに尋ねるなんて馬鹿げてる!」と。彼は「お前は誇り高いな!」とまたも変なことを言う。アリスは一層腹を立て「人は年を取るしかないのです! One can't help growing older! 」と怒る。

 PS1:年を取るのをやめるなんてできないとアリスが怒るのは当然だろう。アリスが正しい。人間一般に関して言えば、年を取るのをやめることができるというハンプティ・ダンプティは間違っている。だがこの話には続きがある。
 
 ハンプティ・ダンプティが言う。「1人ではたぶん年を取るのはやめられない One can't, perhaps 」と。しかし彼が付け加える。「二人なら年を取るのをやめることができる two can 。ちゃんと誰かに助けてもらえばお前は7歳で年を取るのをやめることができたかもしれない」と。

 PS2:ハンプティ・ダンプティの発言は論理的におかしくない。アリスは“One can't help growing older !”と言ったのだから、この発言と“二人なら年を取るのはやめることができる! Two can! ”は論理的に両立可能である。ここでは著者キャロルが “one”の二つの異なる意味、「人一般」と「人1人(ヒトリ)」を意図的に混同させ楽しんでいる。

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