ひらけいメモBlog@goo

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DSC-HX5V購入レビュー4

2010-05-09 19:25:07 | GPS


 前回からかなり日があいてしまったが、SONY サイバーショットDSC-HX5Vを購入したので、簡単なレビューその4だ。
 今回は、GPSについてだ。

 まずは細かいことは後に回して、実際に旅行に持ち出して使ってみた感想を。
 結論から言うと、かなり意識して使わないと意味のある位置情報はつかない。特に、

・電源オフ時は位置情報が更新されない。
・測位が早いとはいえ、移動後の最初の一枚には測位が間に合わないことが多い。

ことから、

・移動後屋内で写真を撮る可能性があるときには屋外で一旦電源を入れておく。
・屋外で写真を撮るときにも、電源オン後測位できるまで待つ(ただ2枚目を撮る頃には測位できるので、複数枚撮るのであればそれほど神経質になる必要な無いですが)。

という具合に、意味のある位置情報をつけるのであれば、位置情報がつくことを意識して使う必要がありそうだ。
 DSC-HX5VはGPSアシストデータを採用するなど使い勝手をかなり考慮はしていて、確かに使いやすくはあるのだが、それでも無意識に撮影しても正しい位置情報がつくまでのレベルには達していないようだ。



 以下、詳細。

 DSC-HX5VでGPSを使うときには、「GPSアシストデータ」の更新を忘れてはならない。これがあると、電源投入してから測位成功するまでの時間を大幅に短縮することができる。これには、DSC-HX5VをケーブルでPCと接続する方法と、SDカードを経由する方法と、2種類ある。
 まずは、SDカードを経由する方法を紹介したい。なお接続ケーブルはコンポジットケーブルを兼ねていて取り回しが面倒なので、わたしはもっぱらSDカードをPCに挿入して使っている。
 ただ、PC側の操作はケーブルで接続した方が簡単だ。

1. SDカードをPCに挿入したのち、PMBランチャーを起動し、「GPS」を選択する。「GPSサポートツール」を起動する。



2.「ドライブ」に表示されているドライブがSDカードであることを確認し、「今すぐ更新」をクリックする。



3. SDカードをDSC-HX5Vに挿入し、電源を投入する。

以上で終了だ。なお3で電源を投入するとデータはカメラ側に取り込まれるので、SDカードをフォーマットしてデータを消してしまっても問題無い。
 次に、接続ケーブルを使う方法について。

1. PCとDSC-HX5Vを接続し、DSC-HX5Vの電源を入れる。USB接続モードで起動する。
2. しばらく待つと自動的にアシストデータが更新される。
3. DSC-HX5VをPCから取り外し、電源を投入する。

以上で終了だ。
 データが更新されたことは、DSC-HX5Vの「本体設定」-「GPSアシストデータ」で確認することができる。
 なお、データの有効期限は1ヶ月だが、鮮度の高いデータを使う方が望ましい。使用前に更新しておく方がよいだろう。

 これで、DSC-HX5Vの「本体設定」-「GPS方位」を「入」にすることにより、写真に電子コンパスによる方位情報つきのジオタグが付加される。
 測位時間は、環境がよければ電源投入後10~25秒程度と、十分実用的な早さだ。
 DSC-HX5Vの測位間隔は15秒(同梱のハンドブックによる)で、この仕様も実用的だ。ただし間隔を変更することはできない。また、電源オフの間は測位しない。
 写真を撮影したときに測位に失敗している(例えば屋内での撮影など)と、最も新しい測位結果がジオタグとして付加される。
 なおGPS測位を行うと、(電源をオフにしたときに)本体の時計が正しい時刻に修正される。これは測位により位置情報だけでなく時刻も得られることを利用している。


 次に、ジオタグつき写真の閲覧について。位置情報を扱えるツールはいくつかあるが方位を扱えるツールは限られるので、PMBを使うのが最も簡単だろう。
 PMBを開くと、右下に緑色の印のついている写真がある。これが、ジオタグがついた写真だ。地図に表示したい写真を選択し、「プログラムから開く」-「マップビュー」を選択する。



 すると「MapView」が起動し、選択した写真が Google Maps の地図上に撮影した向きとともに表示される。「プロパティ」画面から位置・向きの修正も可能だ。




 マップビューからは Google Earth 用の KML を作ったりすることもできる。こちらについてはGPS- CS3K購入レビュー5をご参照いただきたい。

 動画もマップビュー上に置くことができるが、その場所は撮影を開始した場所になっている。ただし動画ファイル中に撮影中の場所が記録されているらしいので、Webにアップするときなどはプライバシーの面で注意が必要だ。


 以上が DSC-HX5V での位置情報の使い方だ。個人的には、ジオタグの付け方からPC上での確認まで、とても使いやすくまとまっていると思う。ソニーは GPS 製品を以前から扱い、写真との組み合わせでも少なくとも GPS-CS1K の頃から取り組んでいるため、その経験が活かされているものと思う。



 ただ、気になった点、使いづらい点がいくつかある。それについて記載したい。

・SDカードをフォーマットするとSDカード上のGPSアシストデータが消えてしまい、PMBで自動更新できなくなる。
 これは、フォーマット後に本体に記録したGPSアシストデータをSDカードに書き戻せばいいはずなので、消えないようにしていただきたいものだ。

・GPSの「入」「切」がメニューの深いところにあり、変更しづらい。
 位置情報はプライバシーの問題があるので、不必要なときにはオフにしたい。しかしこの変更が面倒だ。ボタンとして用意してもいいくらいだと思うが、デザインの都合上できないのであれば、もっと変更しやすくするような配慮が欲しい。

・屋内で撮影すると、直近に取得したジオタグがついてしまう。
 これはそういう仕様なのだが、全然違うところのジオタグがついてしまうというのも困りものだ。例えばどこか屋外でジオタグつき写真を撮影したのちに電車などで移動し、どこかのお店の食事を撮影すると、大体は屋外で撮影したときの位置情報がついてしまう。せっかくの位置情報なのに、これでは逆に混乱してしまうだろう。GPSを「切」にすればいいのだが、上に書いたようにメニューの深いところにあって切り替えづらく、「切」にした「入」にするのを忘れてしまう恐れもある。
 なので、強制的に直前の測位結果を無効にするような機能が欲しいところだ。
 ただ、これに近いことはできる。本体の電池を抜くと直前の測位結果が消えてしまうので、これが利用できる。

・電源オフ中は測位できない。
 SONYの判断としては、電源投入後の測位が早いので、電源オフ中の定期的な測位は不要としたのだろう。
 ただこの方法では、上に記載したように「屋外撮影」->「移動」->「屋内撮影」とすると、屋内撮影時に移動前の屋外の位置情報がついてしまって困りものだ。もし1分間隔でも5分間隔でも、定期的な測位ができれば、ある程度は解決できるはずだ。
 電源オフ中の定期的な測位も選択肢としては設けるべきだったのではないだろうか。
 とりあえずは、屋内で撮影するときには、施設に入る前に一旦電源を入れて測位させるしか、回避する方法は無い。

・つけられるジオタグの場所が分からない。
 写真を撮影したときにつけられるジオタグが、実際どこの場所なのかを知る方法が無い。GPS搭載ハンディカムのように地図を搭載しておらず、またPanasonicの「DMC-TZ10」のように地名が出る訳でもないので仕方無いといえば仕方無い。
 特に困るのは、撮影時に測位が失敗していて直近の位置情報がついてしまうときだ。この位置情報がどこでついたものなのか分からないので、そのまま使ってよいのか、何とかして測位を成功させた方がよいのか、はたまたGPSを切るなりしてジオタグをつけない方がいいのか、選ぶことができない。
 せめて、使おうとする位置情報がいつ取得できたものなのか、時刻を知る方法くらいはあってもいいのではないだろうか。

・移動中には測位できないことがある。
 新幹線はおろか、在来線でも、移動中に電源を投入しても測位できないことが多いように思う。これは必要なときに測位をする DSC-HX5V の弱いところで、測位をし続けるGPSロガーには叶わない点だ。
 これは簡単には解決のしようがない。GPS受信チップの性能向上とアシスト機能の向上に期待したいところだ。



 実際に旅行に持ち出して使ってみた。
 思いの外、正しい位置情報がついていなかった、というのが正直な印象だ。次回は、ちゃんと意識して使いたい。
 まず、行きの車内で撮った写真には位置情報は無く、帰りの車内で撮った写真は最後に屋外で撮った場所がついていた。
 目的地について最初に屋外で撮った写真にも位置情報はなかった。そのまま屋内で食事をしたのだが、近くのよく分からない場所の位置情報がついていた。Googleのストリートビューで見てみると、着いて最初に撮った場所の位置情報だということが分かった。
 この他にも、札幌時計台で撮った写真が直前に食事をとったすすきのラーメン横丁だったり、かと思うと函館行きの特急車内で撮った写真が時計台で撮ったことになっていたり、ということがあった。
 こんな感じで、

・行き帰りの列車内の位置情報は、ついていなかったり、全く別の場所。
・屋内で撮った写真の位置情報は、全く別の場所。
・屋外で撮った写真も、最初の数枚は全く別の場所。

といったことが多発していた。
 これでは、そのまま位置情報つき写真としてWebなどにアップロードすることはできない。また、何年かあとに見返すことがあったら、細かいことは忘れていて混乱しそうな感じだ。

 もちろん、位置情報は無いよりもあった方がいい。これは確かだ。しかし現状は、かなり使い勝手を考慮した DSC-HX5V でも、意識して使わないと誤った情報だらけになってしまうということがよく分かった。DSC-HX5V の性能を過信してしまった感じた。せっかくの高性能な GPS なのだから、効果が出るように使うようにしたい。
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[Xperia] GPS性能新幹線編

2010-05-09 01:38:26 | GPS
 Xperiaを持って新幹線に乗る機会があったので、GPSのログを取得してみた。ツールはMyTracksだ。
 区間は、郡山駅手前~日暮里駅付近までだ。
 GPS性能味見での確認を含めこれまで何度か Xperia の GPS 性能を確認してきたが、今回は高速で移動している場合での確認が目的となる。

 ログ取得結果は、MyTracksからGoogle Mapsに直接登録したものを掲載した。データはGoogle Mapsからkml形式でダウンロード可能だ。



 地図と重ね合わせてみると良く追従していて、精度は問題無い。Xperia と併せて Garmin の eTrex Vista HCx でもログを取得していたが、両者はほとんど一致(ずれていても数mという精度)であった。

 トンネルから出た後の再測位の早さについても、問題は無かった。
 Google Mapsへのリンクで表示される地図は、東北新幹線の那須トンネル付近だ。このトンネルは全長7kmほどで、新幹線は280km/h弱程度で1分30秒かけてトンネルを通過している(この区間内ではGPS衛星を見失い、測位できない)。国土地理院の「ウォッちず」で確認する限りでは、Xperia ではトンネル通過後2秒強で再測位に成功しているようだ。
 なお eTrex Vista HCX では再測位までに4秒強かかっているので、この時は Xperia の GPS の方が優秀だった。

 新幹線移動時でも測位精度に問題無く、かつ再測位も十分早く、全く問題無い。
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