庭の沈丁花、つぼみがちょっぴりふくらんできました。
「あ~モシモシ、Kさん?」(わたしの旧姓)
「あ!!S先生!!」
小学校時代の恩師から、嬉しい電話だ。
結婚されて頭文字は、K先生となられたが、いまだに旧姓のS先生で呼んでいる。
毎年、年賀状はS先生のを一番に書き始める。
先生からの賀状には、「たまには、深呼吸してひと休みなさいよ」とわたしたち夫婦の健康を
気使うあたたかい言葉がならんでいる。
それがとてもうれしい。
S先生とは、もう60年余も続く師弟の間柄なのだが
いまだに新鮮な気持ちで、姉のように甘えられるのがさらにうれしい。
5年位前に、心臓のバイパス手術をされたが、その後はお元気のようだ。
最近は、「ちょっと膝がいたいけどネ・・・」といってあったのが、少し気にはかかるけど・・・。
特に梅の時期になると、「Kさん、まだ梅干しあるの?」
「あら~、もう品切れで~す」
「じゃ、あなたは古漬けが好きだったよね。いっぱいあるから、いらっしゃい!!」
「は~い、すぐ行きま~す!!」
先生の好物、羊羹をもって車でいそいそと出かける。
S先生が師範学校を卒業されて、初めて受け持たれた第1号のクラスの生徒になったのが、
私たち50余名。 小学校4年生(4の4組)の時だった。
勉強のほかに ドッチボール、キャンプ、新聞作り、銀行ごっこ等など、放課後の
懐かしい思い出がいっぱいだ。
ある日のこと、先生にたずねた。
「先生、いま何才ですか?」
「そう、丁度ジヤストよ!!、ジヤスト!!」
英語でいわれて???
「あなたたちがぴったり10才で、ジヤストね。
わたしはジャストがふたつで、20才よ」とにっこり。
「へ~、ぴったりでジャストか!!
ジャストがふたつで、20才か。 英語覚えた! ぴったりでジャスト、ジャスト」と、
繰り返してはよろこんだものだった。
あ~、幼き日のなつかしい思い出・・・
月日が経過すると、なにもかも美しく懐かしい思い出がいっぱいですね。
映画、「二十四の瞳」を思い出しました。
わたしがいちばん感謝していることは、恩師S先生から
放課後に毎日本を読んでいただいたことです。
菊池 寛 代表作の『 【恩讐の彼方に】他多数あり。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%8A%E3%82%93%E3%81%97%E3%82%85%E3%81%86&dtype=0&stype=0&dname=0ss&pagenum=1&index=102865300000
一日数ページでしたが震えながら、次はどうなるのか?と楽しみに聞いたものです。
いま思うにその影響でしょうか、読書と文章を書くのが好きになってしまいました。恩師に感謝しています。
そういえば当時の先生もジャストジャストだったんですね。
花おじよりも14歳年上。も82歳になられる年です。
今も、あの頃のチビを思い出して、当時から変わらない小さい美しい文字で何賀状いっぱいに書き綴ってこられます。
あの時代の先生と生徒、美しい思い出がいっぱいです。
あ~、泣かせますね。
何才になって恩師と逢うときは、子どものまんまです。
おたがいに・・・ がんばりましょうね。
今は87歳ですが、矍鑠として長文を下さいます。
最後に必ず「僕より先に逝くなよ!」が書き込まれています。