へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

彼岸もくそもない

2009-09-20 22:50:50 | へちま細太郎
「この時を待っていたぞ、盆の時の仕返しをしてやる」
「何の話でおじゃるかの」
「何をこのひな人形め、忘れおったか」
「知らぬでおじゃるよ」
「とぼけおって、そこへ直れ、成敗してくれる」
「こりゃ、分をわきまえよ」
そういって、近衛少将さんはまたも美都田吾作さんの頭を扇でぴしゃりと叩いた。
へちま細太郎でした。
しかし、執念深い御隠居さまだなあ。

運動会はスリラー

2009-09-19 22:58:52 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

午後一のスクールバスで、ぼくは美都に帰ってきてりょうこちゃんとの約束通り美都二小にかけつけた。
「よかった、間に合った」
「大丈夫、スリラーまだだよ」
ジャージ姿のりょうこちゃんは、肩にテニスラケットを抱えたまんまだ。ぼくもジャージだけど…。
「三田先生、ずっと放課後練習してたよ」
ぼくたちはムービーとカメラを構えるおとうさんたちのあいまから、競技場の中を覗いた。 去年までの、ぼくのおとうさんの姿だ。
撮られるの嫌だったなあ。
だんだん会場がざわついてきて、やがて何組かの男子と女子が出てきて、不気味なBGMに合わせて追いかけっ子を始めた。
まさか、こんなシーンから再現するの?
「最初は普通のかっこの六年生と五年生が踊るんだって」
「そうなの?」
りょうこちゃんは、妹から聞いたよって続けた。
「ゾンビのかっこは五年生六年生の男子全員と、あとは希望者だって」
「へ~、だけど、そうなっちゃうと楽しそうだね」
「やりたかったね」
ぼくたちは、汚い浴衣姿の三田先生とさらだ先生、おだじま先生を発見して、びっくり。そのあとの、三田先生のどうみても盆踊りに大爆笑した。
三田先生、面白すぎだよ~。
集団のTHRILLERはとても見応えあって、ぼくもみんなで学校でやりたいなあ、と思った。
「誘ってくれてありがとう、一人じゃこんなに楽しくなかったよ」
「私も…」
そういってぼくをみたりょうこちゃんは、にっこりと笑った。
う~ん、どきどきしちゃうじゃないか
でも、何だか幸せかも

明日は運動会

2009-09-18 22:12:41 | へちま細太郎
「こんばんは、私…、あの…」
「あ、りょうこちゃん?」
「あ、あの…明日、ひま?」
「明日?あ、部活」
「私もなんだけど、妹が運動会なのね」
「午後ならいいよ」
「ほんと?」
「いいよ、ぼくだってみたいもん、三田先生のスリラー」
というわけで、ぼくは明日、りょうこちゃんと美都二小の運動会に行くことになった。
で、関係ないけど、おとうさんは今夜も遅い。
へちま細太郎でした。

Re:(写メ付)【光一(29)】ドライブいきませんか?どこでも迎えにいきます!

2009-09-17 21:47:44 | へちま細太郎
「おい、こ~いっちゃん」
「なんだよ、うるせえな」
「おまえ、こんなサイト利用してんの?」
「ああ?バカ言ってんじゃねえよ」
「ほれ」
と、藤川先生が携帯にきた迷惑メールをおとうさんに見せた。
「ふざけんなよ、俺じゃねえよ」
ムキになって否定して、携帯を投げ返した。
「ま、女のことは心配しなくてもいいからな」
「もう、いらねえよ」
ふ~ん…、ん?おとうさん、今なんて言った?
ま、いいか。
へちま細太郎でした。

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ドライブいきませんか?どこでも迎えにいきます!

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クイズ

2009-09-16 23:21:17 | へちま細太郎
「藤川せんせ~い、勝負パンツって、なに?」
「こんなやつだよ」
「げげっ

さて、藤川先生がはいてみせたパンツはなんだったでしょう。

1:ふんどし
2:トランクス
3:ボクサーパンツ
4:ふつうのパンツ
5:ひもパン

へ、へちま細太郎でしたあ。

げえ~ みたくねえ

スリラー

2009-09-13 23:09:40 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

ぼくとみきおはプールの帰りに、小学校に寄った。 そしたら、三田先生が両腕を垂直にあげて、時々バンザイをするように、左右にあげていた。
「何してんの?」
「踊ってんの」
「何を?」
「スリラー」
「え?」
ぼくとみきおは顔を見合わせた。
「盆踊りじゃないの?」
「この素晴らしいステップが、盆踊りに見えるのか?」
三田先生は、不器用な仕種をやめて、言葉とは裏腹に疲れたように座り込んでしまった。
「やっぱ、ないのか、リズム感…」
う~ん。 かわいそうだから、その先が言えない。
「大丈夫だよ、先生がこういうの苦手だって、みんな知ってるから」
と、慰めたつもりが、
「だから、みんな笑うんだあ」
と、さらに落ち込んでしまった。
「笑うのはいつものこと…あっ
それを言っちゃあ、おしまいよ~。
何か情けないけど、ぼくは三田先生を見ているとホッとする。
「でも、笑われるのなら、とことん笑われてやろうじゃねえかあ」
あ~あ。
運動会で全校児童がスリラーを踊るって誰が考えたんだあ?。
三田先生は、盆踊りスリラーをしながら、校庭をすりすり動き回っていた。
「でも、何でスリラーなんだろ」
みきおとぼくは首を傾げた。
「まあ、楽しけりゃいいじゃん」
そして、三田先生のあとについて、ぼくらもスリラーを真似しながら、踊ってきた。
三田先生、サイコーだよっ、盆踊りがっ。
(^O^)/

おとうさんの外泊

2009-09-12 22:15:12 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

朝からラケット抱えてお出かけしたおとうさんは、まだ帰ってこない。
「最近、よくテニスに行くよね、試合でもあるのかな」
ぼくはバスケ雑誌をめくりながら、何気にきいてみた。
「あんたが相手にしなくても、確かにテニスはしてたけど、こんなには遅くならないわよねえ」
と、おばあちゃん。
「確かになあ、朝から行っても午後には帰ってきたしな」
おじいちゃんも、お茶をずすりと飲みながら、時計を見た。
「10時だな」
「藤川先生と合コンかな?」
「お~れ~はぁここに~いるぞぉ」
ふいに背後から寝ぼけた声がして、ぼくらはびっくりした。
「いたの?」
「い~た~よ~」
頭をかきむしりながら、椅子に座り、
「夕方から寝ちまってた」
と、テーブルの上のぶどうを手にとると、口の中にほうりこんだ。
「インフルエンザのおかげで、部活は中止だしなぁ、することねえし」
って、じゃあ、おとうさんはどうしたのさ。てか、することないってなに…
「こ~いっちゃんが、どおしたって?」
藤川先生も知らないのか。
「ま、子供じゃないんだし…」
おばあちゃんは、笑っているけど、ちょっと心配みたいだ。
連絡ぐらいよこせよな、子供じゃないんだから。