へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

運動会はスリラー

2009-09-19 22:58:52 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

午後一のスクールバスで、ぼくは美都に帰ってきてりょうこちゃんとの約束通り美都二小にかけつけた。
「よかった、間に合った」
「大丈夫、スリラーまだだよ」
ジャージ姿のりょうこちゃんは、肩にテニスラケットを抱えたまんまだ。ぼくもジャージだけど…。
「三田先生、ずっと放課後練習してたよ」
ぼくたちはムービーとカメラを構えるおとうさんたちのあいまから、競技場の中を覗いた。 去年までの、ぼくのおとうさんの姿だ。
撮られるの嫌だったなあ。
だんだん会場がざわついてきて、やがて何組かの男子と女子が出てきて、不気味なBGMに合わせて追いかけっ子を始めた。
まさか、こんなシーンから再現するの?
「最初は普通のかっこの六年生と五年生が踊るんだって」
「そうなの?」
りょうこちゃんは、妹から聞いたよって続けた。
「ゾンビのかっこは五年生六年生の男子全員と、あとは希望者だって」
「へ~、だけど、そうなっちゃうと楽しそうだね」
「やりたかったね」
ぼくたちは、汚い浴衣姿の三田先生とさらだ先生、おだじま先生を発見して、びっくり。そのあとの、三田先生のどうみても盆踊りに大爆笑した。
三田先生、面白すぎだよ~。
集団のTHRILLERはとても見応えあって、ぼくもみんなで学校でやりたいなあ、と思った。
「誘ってくれてありがとう、一人じゃこんなに楽しくなかったよ」
「私も…」
そういってぼくをみたりょうこちゃんは、にっこりと笑った。
う~ん、どきどきしちゃうじゃないか
でも、何だか幸せかも
コメント
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