へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

保健室

2006-05-16 23:54:41 | ひるまのもめごと
けんちゃんだよ。
髪の毛はいつも洗いっぱなしの立ちっぱなし。

俺は、のぶちゃんを探す前にしなければいけないことがあった。
成績つけである
そのあとに、学籍簿と指導要録なんていうのを書かなくてはいけない
テレビドラマの先生たちは、生徒をかっこよく指導しているが、あんなにうまくいくもんか
俺たちは雑用が多いし、面倒なことがあれば、こっちが悪くなくても頭を下げなければいけない。それにな、どんなに頑張ったって悪者になる覚悟をしなくては、いまどき教師なんてやってられないぞ。
予備校と違って、必ずしもやる気がある生徒ばかりじゃないからな。

と、疲れたから保健室でも行くかな。
ではなく、情報を仕入れに行くんだ。
保健室ほど、あらゆる情報が入る場所はない。ただし、養護教諭が話してくれれば・・・だけどね。
こっちも仮病を使ってベッドに寝て耳をすましていれば、聞きたくもない情報を耳にする場合もある。時々、悪口もあるけどなあ。悪口も言われているうちが花さ。いちいちガキどもが言う悪口なんか気にしていられっか。
なんだけど、注意しろよ。それが親の耳に入って、エラいめにあったやつもいるからな。
うちの学園内には、中学・高校・大学とそれぞれに保健室がある。それとはまた別に、カウンセリング研究所がありその付属施設にも保健室がある。通称・・・タコ壺保健室と言われているのがここだ。
ここは、体育館と正門に近いせいもあり、絶えず中学・高校生が出入りしては養護教諭に叩き出されている。鬼と言われようが、悪魔と言われようが、きっちり仕事はこなすしっかり者である
いつぞやは、息子の細太郎に嫌われた色の白いへなちょこ野郎が、腹減らしてひっくり返って運び込まれたこともあったな。たまたまあの時、居合わせた俺は、色の白いやつがぴーぴー奥のベッドで泣いている現場を目撃した。
情けないというより、哀れをもよおしたね。

世の父親ってのは、いったいどうなっちまったんだ?

全くなあ
細太郎が父親に似ず、たくましく育って欲しいと思っているのは、俺だけじゃねえだろうな。

おっと、無駄話していたら時間がきちまった。
悪いが、また明日
コメント (1)
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