へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

ビーカーラーメン

2006-08-06 21:49:47 | ひるまのもめごと

【ひるまのもめごと】

ファミレスのトイレに入ったら、とたんに“けつ”が飛び込んできた。・・・“けつ”じゃなければ“お尻”か
なんでそんなものがあったかというと…浮かんでいたわけじゃねえぞ…、ズボンからパンツまで、しっかり下げて“けつ”を出して“小”をしていたんだ。
「げっ
おりゃ驚いたね。まさか、隣に並んでするわけにもいかず思わず個室に飛び込んでしまった。
女のものなら別にかまわないが、男の“けつ”なんざ興味ない
悪いが、俺はタンクトップは似合わないぞ。
白いやつは、貧相なからだだから、もっと似合わない…と思うが、本人曰く、
「悪いけど、これでもジム通いしてんだからねっ
忙しいコイツが、ジムに通ってるとは思うないが、事務室通いなら納得するな。
え~と…。
深い意味はない(^_^;)

のぶちゃんの「教務手帳」なくした発言にため息をつく。
教師が、生徒の重要書類やデータ入りのパソコンを持ち歩き、車上狙いやひったくりにあう事件が起こる度管理職から、
「校外には持ち出さないように」
との通達が、県の教育課からの文書とともに下される。これは、俺たちの学校だけじゃなく、県内ひいては全国の小中高をはじめとして学校と名の付くところ、すべて同様だ。
「俺、二重帳簿つけてるよ」
突然、藤川が、ガラにあわないことを言った。
「なに
「俺、教師になった年は県立で“常勤講師”をしていたんだけど、その時にいた先生も出張中に教務手帳をなくしたらしい」
俺たちは、黙って聞き入る。
「その先生は、出張先から駅のホームのゴミ箱まで探したがみつからなかった。けれど、別にきちんと記録をとっておいたから助かったんだって。俺、その話を聞いて妙に感心した記憶があって、それからずっと教務手帳はしっかり成績と出欠の2冊を余計に2冊つけることにしている」
意外にマメな藤川。
「へー」
匿名希望の東山先生の、藤川を見る目が変わっている。
「前田先生さ、あんたそういうの、つけてないの?」
白いやつはそう聞くものの、どうせつけてはいめえ、という表情をしていた。
「んなものつけてたら、ここにはいなかっぺなあ」
紀藤造園の親方は、判で押したようなことしか言わない。
のぶちゃん、ますます頭を垂れる。
「責めるほど、頭を垂れるウドの大木。いい句だわあ」
もしもし、庵住さま?
が、ここで、俺は1人ある矛盾に気がついた。
「のぶちゃん、俺、あんたのクラスの成績つけたんだよね」
「へっ?」
のぶちゃん、いきなり頭をあげた。
「学籍簿も要録も書いてやった」
全員が一斉に、俺を注目した。
気分は…悪くないな。
「何で?」
「やっぱり二重帳簿?」
「だから、それ書いてたら…」
「黙れっ
紀藤の親方は、藤川ににらまれると押し黙った。
「あんたら体育科はさ、パソコンでスパイダーソリティアか、パチンコのゲームしかやらねえべ?んでよ、データ入力後回しにしてるから苦労したけど、幸いあんたが失くしたという問題の教務手帳があったからできたんだよね」
再び一同のぶちゃんに注目。
「どこにあったの」
「ほれ、高校の卒業式の日、卒業生が理科準備室に来て飯食ったっぺ?」
「ああ、一度ビーカーとアルコールランプで、ラーメン作りたいって言ってた連中か」
のぶちゃんは、その時のことを思い浮かべた。
「確か、薬品棚の上にラーメンが箱ごとおいてあって、あれを取る時、ひょいと棚に乗せ…
白いやつが、ぷちんと切れた。
「あんたねっ、年度末の忙しい時に、何してくれたんだっ
と、ふだんの様子からでは信じられない切れっぷりを見せて、のぶちゃんにそこらにあった線香の箱をぶち投げた。
藤川も、
「このバカ野郎、さんざんけんちゃんに心配させやがって」
と、俺の言いたいセリフを先に言って飛びかかって行ってしまった。
「うわあああっ
のぶちゃん、俺は、藤川以上に腹立ってんだっ
「ひええええっ

…というわけで、前田先生は、男3人にさんざんぶちのめされたのでした
ちゃんちゃん 
by タコ壺保健室の先生

次回は、最終回よ~



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2 コメント

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Unknown (コンバイン)
2006-10-04 22:39:05
内容があまりにもリアルだ(*≧艸≦)
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え? (赤星らぶり~)
2006-10-05 21:35:20
何が?どこの部分が?けつ?それとも…(?_?;)これ以上、聞けねえなあ。
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