へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

細太郎の父です

2006-08-02 23:20:07 | ひるまのもめごと
夏祭りに行くと、浴衣のお姉ちゃんが色っぽい、と藤川ははしゃぐけど、10人に1人は“死人”なことが興ざめだよな。。。
あんたら、浴衣の着方を知ってるの?みんな笑ってるよ。

さて、息子が割り込んだようですが、のぶちゃんにはまだ会えていないんですよ。
けんちゃんに変わって、今日はこの俺が続きをかきましょうかね。

棒斐浄寺の入り口で、庵住様や紀藤造園の親方、藤川やタコの飼育員やらがわいわい騒ぎ、のぶちゃんが餌付けしたというカラスが俺たちを取り囲むように、木々の枝に止まっていた。
けんちゃんが、何かを言いかけた時、門の上から頭ひとつ覗かせて、
「みんな、何やってるの?」
と、のぶちゃんが声をかけてきた。
「あ、のぶちゃん」
けんちゃんが真っ先に門に駆け寄った。
「どうしたんだよ、何かあったのか?何でこんなところにいるんだ?」
のぶちゃんは、黙ってけんちゃんを見ていたが、
「ここじゃ何だから、みんな中に入ったら?」
と、門をあけた。
門扉が開くにつれ、のぶちゃんの全身が見えてきた。
のぶちゃんは、どこで調達してきたのか坊さんスタイルだ。
「何だ、その格好は…
藤川が呆れた声を出した。
「ね、おばさまの趣味?」
と、庵住さまをみたが、 (おばさま、かよ
「若い頃ならいざ知らず、何で今更」
と、出家にあるまじき返答だ。
さすが、藤川の親戚だ。
で、一羽のカラスが枝から降りてきて、のぶちゃんの肩にとまった。
「やあ、ベンジャミン、いい子にしていたか」
べ・べべべ・ベンジャミン?
カラスに横文字の名前をつけるなんて…。
おかしくなったか

けんちゃんの表情が、悲しげに曇っていった。

と、つづく


最新の画像もっと見る

コメントを投稿