1 時代
時代は近未来。舞台はタイ王国の首都バンコク。
石油は枯渇。石炭エネルギーが軍事用に残る。メタンが重要な燃料。エネルギーは新型ぜんまいに蓄積する。
遺伝子操作生物により生態系が破壊され、瘤病など新種の疫病が蔓延する。
温暖化による海面上昇でバンコクは水没の危機。
穀物は不稔化され西洋人のカロリー企業(穀物企業)から購入するしかない。
遺伝子操作生物の登場。死肉をあさるチェシャ猫、力仕事をする巨大な象型動物メゴドントなど。
民族浄化=中国人虐殺がマレーシアなどで発生している。
2 タイ王国
タイ王国は検疫の強化と疫病の絶滅作戦、つまり鎖国によって時代を生き延びる。
環境省と白シャツ隊が検疫と防疫を担当。鎖国派。トップはプラチャ将軍。
通産省は開国派。トップはアカラット通産大臣。その黒幕が摂政ソムデット・チャオプラヤ。
西洋人アンダースンはカロリー企業アグリジェン社の代理人。遺伝子多様性の宝庫であるタイ王国の種子バンク、また遺伝子操作の天才科学者ギボンズ博士を獲得しようとする。
ギボンズ博士は環境省が軟禁し検疫と防疫について諮問される。
3 クーデター
開国派通産省のアカラットが鎖国派環境省のプラチャ将軍を打倒するためクーデターを起こす。
通産省のアカラットは西洋人のカロリー企業と手を結ぶ。
この同盟は一方で権力闘争の勝利のための野合、他方で開国がタイ王国を救うとの経済路線にもとづく。
この野合に際し、西洋人のカロリー企業に種子バンクの種子を提供することを通産省のアカラットがOKする。
4 白シャツ隊のカニヤ隊長
かつて子どものころ、環境省白シャツ隊の防疫作戦で村を焼き尽くされたカニヤは、報復のため通産省のスパイとなり、白シャツ隊に潜入。やがてバンコクの虎、ジェイディー隊長の副官になる。
ジェイディー隊長の死後、カニヤが隊長となる。
通産省のクーデター成功後、カニヤは降伏し協力を誓うが、環境省白シャツ隊の隊長であり続ける。
4-2 新たなバンコクの虎、カニヤ隊長
最後にしかしカニヤは、カロリー企業に種子バンクの種子を提供する通産省アカラットに敵対。カロリー企業の西洋人を殺す。
報復の西洋人の攻撃でバンコクは水没。しかし種子バンクは秘密の場所に移され西洋人から隔離された。
カニヤ隊長にとって守るべきはタイ王国の誇りと独立だった。
5 ねじまき少女エミコの運命
遺伝子操作の合成生物がねじまき。軍用ねじまきなど多くの種類がある。新人類とも呼ばれる。しかし心=魂はない。簡単に破壊・廃棄される。
ねじまきは試験管から生まれる。不妊。またねじまきとわかるように動きがギクシャクするよう作られる。
だが、ねじまきの髪の毛からクローンを誕生させ、それを遺伝子操作で子孫産出可能にできる。また動きも普通の人類と同じにできる。
そうすれば、不妊とギクシャクした動き以外の点はすべて、これまでの人類より優秀な新人類=ねじまきが、人類に取って代わる日がやがて来る。
そして確かに、実はすでに、ねじまきは心=魂を持つ。
《読後の感想》
① タイのバンコクが舞台でエキゾチズムにあふれる。
② ストーリーの展開が見事。
ホク・センはただの従順な中国人ではなかった。かつての大財閥の零落した姿。
カニヤは環境省白シャツ隊のただの副官ではなかった。彼女は実は通産省のスパイ。
アンダースンはただの新型ぜんまい工場のオーナーではなかった。彼は世界を支配するカロリー企業(穀物企業)アグリジェン社の代理人。
エミコはただの従順なねじまき少女ではなかった。軍用ねじまきに等しい暴力的能力が隠されていた。ねじまき少女エミコの隠された超人的能力。
③ メッセージは
(1)遺伝子操作の合成生物も心を持つのだ、人類と変わらないということ。
(2)穀物企業による輸出or販売穀物の不稔化は許されるべきでないこと。
(3)生態系破壊の最大の問題は、疫病・新種の微生物の出現であること。
時代は近未来。舞台はタイ王国の首都バンコク。
石油は枯渇。石炭エネルギーが軍事用に残る。メタンが重要な燃料。エネルギーは新型ぜんまいに蓄積する。
遺伝子操作生物により生態系が破壊され、瘤病など新種の疫病が蔓延する。
温暖化による海面上昇でバンコクは水没の危機。
穀物は不稔化され西洋人のカロリー企業(穀物企業)から購入するしかない。
遺伝子操作生物の登場。死肉をあさるチェシャ猫、力仕事をする巨大な象型動物メゴドントなど。
民族浄化=中国人虐殺がマレーシアなどで発生している。
2 タイ王国
タイ王国は検疫の強化と疫病の絶滅作戦、つまり鎖国によって時代を生き延びる。
環境省と白シャツ隊が検疫と防疫を担当。鎖国派。トップはプラチャ将軍。
通産省は開国派。トップはアカラット通産大臣。その黒幕が摂政ソムデット・チャオプラヤ。
西洋人アンダースンはカロリー企業アグリジェン社の代理人。遺伝子多様性の宝庫であるタイ王国の種子バンク、また遺伝子操作の天才科学者ギボンズ博士を獲得しようとする。
ギボンズ博士は環境省が軟禁し検疫と防疫について諮問される。
3 クーデター
開国派通産省のアカラットが鎖国派環境省のプラチャ将軍を打倒するためクーデターを起こす。
通産省のアカラットは西洋人のカロリー企業と手を結ぶ。
この同盟は一方で権力闘争の勝利のための野合、他方で開国がタイ王国を救うとの経済路線にもとづく。
この野合に際し、西洋人のカロリー企業に種子バンクの種子を提供することを通産省のアカラットがOKする。
4 白シャツ隊のカニヤ隊長
かつて子どものころ、環境省白シャツ隊の防疫作戦で村を焼き尽くされたカニヤは、報復のため通産省のスパイとなり、白シャツ隊に潜入。やがてバンコクの虎、ジェイディー隊長の副官になる。
ジェイディー隊長の死後、カニヤが隊長となる。
通産省のクーデター成功後、カニヤは降伏し協力を誓うが、環境省白シャツ隊の隊長であり続ける。
4-2 新たなバンコクの虎、カニヤ隊長
最後にしかしカニヤは、カロリー企業に種子バンクの種子を提供する通産省アカラットに敵対。カロリー企業の西洋人を殺す。
報復の西洋人の攻撃でバンコクは水没。しかし種子バンクは秘密の場所に移され西洋人から隔離された。
カニヤ隊長にとって守るべきはタイ王国の誇りと独立だった。
5 ねじまき少女エミコの運命
遺伝子操作の合成生物がねじまき。軍用ねじまきなど多くの種類がある。新人類とも呼ばれる。しかし心=魂はない。簡単に破壊・廃棄される。
ねじまきは試験管から生まれる。不妊。またねじまきとわかるように動きがギクシャクするよう作られる。
だが、ねじまきの髪の毛からクローンを誕生させ、それを遺伝子操作で子孫産出可能にできる。また動きも普通の人類と同じにできる。
そうすれば、不妊とギクシャクした動き以外の点はすべて、これまでの人類より優秀な新人類=ねじまきが、人類に取って代わる日がやがて来る。
そして確かに、実はすでに、ねじまきは心=魂を持つ。
《読後の感想》
① タイのバンコクが舞台でエキゾチズムにあふれる。
② ストーリーの展開が見事。
ホク・センはただの従順な中国人ではなかった。かつての大財閥の零落した姿。
カニヤは環境省白シャツ隊のただの副官ではなかった。彼女は実は通産省のスパイ。
アンダースンはただの新型ぜんまい工場のオーナーではなかった。彼は世界を支配するカロリー企業(穀物企業)アグリジェン社の代理人。
エミコはただの従順なねじまき少女ではなかった。軍用ねじまきに等しい暴力的能力が隠されていた。ねじまき少女エミコの隠された超人的能力。
③ メッセージは
(1)遺伝子操作の合成生物も心を持つのだ、人類と変わらないということ。
(2)穀物企業による輸出or販売穀物の不稔化は許されるべきでないこと。
(3)生態系破壊の最大の問題は、疫病・新種の微生物の出現であること。