宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

「賢い有権者だけで政治はよくなるのか?」『感情の政治学』(講談社)著者・吉田徹氏インタビュー

2015-03-07 18:34:41 | Weblog
 インタヴューのポイント一覧

(1) 2012年頃以降、今では憎悪や怨念、執着が澱のように社会に満ちている。(Ex.ヘイトスピーチ、Ex.脱原発デモ)
 実際、NHK放送文化研究所の意識調査を見ると、70年代以降初めて、投票以外の政治参加が大事だと考える人が少し増えている。

《評者の感想》
 2012年、民主党に期待を裏切られ下野させた状況が、投票を、政治参加として減価した。

(2)「民主主義が優れた政治制度なのは、何が正しいかが空欄になっているため。」(クロード・ルフォール)

《評者の感想》
 実践理性による最高善の探究の永遠の過程としての民主主義。
 カントの形式主義倫理学が正しい。
 とはいえカントは、実は決して形式主義ではない。
 カントは、「人間が理性存在として平等だ」という命題は「正しい」と、前提する。
 民主主義は、自然法的な価値前提を持つ。
 上記のクロード・ルフォールの主張には、このような価値前提があることを忘れてはならない。

(3)マンハイムが『イデオロギーとユートピア』で述べる言説:民主主義は「人間は絶対的な価値を持ちうる」と前提しない。だから科学が答えることができるのは、「手段と目的の連関の精査」のみである。

《評者の感想》
 民主主義が、上記(2)のような自然法的テーゼを、いわば絶対的価値としていることを、忘れてならない。
 それ以後の議論では、マンハイムの言説は正しい。

(3)有権者の政治行動を、合理的個人の次元だけで、論じることはできない。
 地縁、血縁、人間関係における評判、威信など、公共性へのコミットの次元をも、論じなければならない。
 例えば、投票に行く理由は、社会的尊敬を得るため。

《評者の感想》
 自らの共同体への愛着の表示が、共同体内で尊敬を得る。つまり投票への参加は、共同体への愛着の表示としてあるということ。 

(4)合理的個人の次元だけでなく、「感情や共同体を意識した形で政治を分析するツール」が必要と、吉田徹氏は述べる。

《評者の感想》
 「感情や共同体」が問題というのは正確な言い方でない。
 共同体に対する感情、共同体における自己の位置づけのプラスorマイナス感情、共同体成員からの評価に対する自己の感情などが、問題である

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