福島第一原発事故以後を舞台とした短編集『象は忘れない』。
各章のタイトルが謡曲から採られているのが興味深い。
全体に救いのない物語である。
多分、今まで無意識のうちに
どこかに微かな光が見えそうな作品を選んで
私は読んできたのだろうと思う。
現実はそうではないからこそ。
中でも、東京に避難した母子を描いた「卒塔婆小町」 は
ラストの急展開に背筋が寒くなる思いだった。
それは正しいことではない、けれど
あぁそういうこともあるだろうと思わされる。
象はとても記憶力が良くて
自分が受けた仕打ちは決して忘れないという。
それにひきかえ人間は忘れっぽすぎる。
忘れやすいと自覚するからこそ
こうして読み続けている。
思い出して、考え続けるために。
椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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6月18日(土) 義太夫体験教室@一心寺・南会所
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