HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

最後まで弾きたいのは山々だけど(再度)

2020年09月08日 | クラシック曲

K子さん(大人):

今年のクリスマス発表会には、バッハの「イタリア協奏曲」を弾くことに決めました。

いかにもイタリア風、といった感じの明るく軽快な曲。親しみやすいメロディーは、きっと誰もが「聞いたことある!」と言うと思いますよ。

「夏休み明けぐらいから、そろそろ発表会の曲を始めましょう」と言ってたんですが、先週、初めてK子さんが練習してきた「イタリア協奏曲」を聞かせてもらってびっくり!

なんと、最後まで全部一人で予習してあって、しかも暗譜なんですよ!!

この曲、何ページあると思います?なんと7ページですよ〜

複雑なバロック曲を一人でここまで弾きこなして、しかも暗譜してるなんて、並大抵の練習でできるものではありません。

「すっごいですよね〜 すばらしい!」と絶賛したヒバリ先生ですが、

「来週 聞かせてもらうのは、1ページだけでいいからね。」とは。なんでや〜?

それはね、バッハの音楽にはいろんな仕掛けや約束事、弾き方のルールとかがいっぱいあるので、ひとつひとつ丁寧に譜面を読み取って、丁寧に音…音楽として表現していくことをレッスンで伝えるには、1回に1ページでも精いっぱいなんです。

…と、それを言ったのが先週のことでした。

今日、最初の1ページをレッスンしたのですが、まず出だしのフレーズでいきなり壁に阻まれることに。

細かくいうと冒頭から3小節目と4小節目。

譜面の右手パート、赤くなぞったのがメロディーです。

そしてすぐ下に重なった緑色の音列が「ファソラーシ♭ー、ラーシ♭ーシ♭ラ」とハーモニーを添えています。

この2つのメロディーが、それぞれ独立してきれいに聞こえてくるように、右手だけで正確に弾かなければいけません。切る音、伸びてる音、ごまかしのないように。

これで全部と思いきや、さらにその下にもうひとつ。

黄色でなぞった音が、バス的な役割を担っています。

この3つの旋律を、3つとも「メロディー」として綺麗に聞こえてくるように独立させ、かつ他の2つのメロディーとのカラミを正確に『右手だけ』で弾かなければならないのです。

指づかいや音の保持など、かなり難しいですが、しょうがない。

なぜって、左手は左手で、別のパートを弾かなくてはならないので、右手のパートを手助けするわけにはいかないのです。

バロック特有の「ポリフォニー」とはコレですね。

1ページ目には、もう1箇所、ややこしいポリフォニー部分があるので、その部分も集中レッスンし、この2箇所だけでレッスン時間が全部終わりました。

しんどいですが、これがバロックの楽しみでもあるので、がんばりましょう。

あんまりいっぱいやらないで、少しずつ丁寧にね(笑)

HP  ピアノのすすめ・PLAY AND PLAY

                                         

 



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