ジェリーくん(小3):
先週、春休みの恒例「ドラえもん」の新作映画を観てきて、そのテーマ曲を弾きたいから楽譜作ってね、と約束をしていたので、今日、その曲(あいみょんの「スケッチ」)の前半まで、楽譜を作って渡しました。
「伴奏あり?」
「伴奏は、ほら、このコードネームでつければいいでしょ」
「そっか。最初はGか。Gってソからだね」とGのコード「ソシレ」を弾いてみたジェリーくん、ふと何か気づいたように言いました。
「なんで『ドミソ』って聞こえるの?」
おおー、それに気づいたか。
小さい頃からコード奏をやってきて、基本的なコードは大方つかめるようになった今、ただコードネームを見て構成音を見つけていただけの頃とは違って一段階アップしたようです。
「これはね、Gの鍵盤(ソだよね?)を主役にして『ド』と考えてるってことなの。Cのコードはドの音が主役で『ドミソ』だよね。そしたら、このソの音Gをドと考えて『ドミソ』を作ればさ、ほら、Gのコードになるじゃん?」
「ふーん、じゃあほかの音をドにしてもできるの?」
「できるよ。やってごらん」
ジェリーくんは、自分の知ってる曲のメロディーで確かめてみることにしたらしく、前に発表会で弾いた「カイト」のメロディーをソの音から弾いてみています。
🎵ソーレレー、ソラーシラソーシー
「ほんとだ!」
前に弾いた時は、先生がハ長調で楽譜を作ってあげてたから🎵ドーソソー、ドレーミレドミー と弾いていたんだけど、ソから始めてもちゃんと弾けるよね。
「へ〜」
ジェリーくんはこの新事実を確かめるように、いろんな音を「ド」に見立てて、いろんな調の「カイト」を弾いてみました。
🎵ファードドー、ファソーラソファラー
🎵レーララー、レミーファ♯ミレファ♯ー(この場合は黒鍵も使わないと変だね、ってことも、鍵盤をあちこち探して気づきました)
「黒いとこ(鍵盤)からでもできるの?」とジェリーくん。
「どこからでもできるよ。ぜーんぶの鍵盤でできる」と先生。
ジェリーくん、試しにF♯の音から弾き始めてみました。
「ほんとだ!できる」
F♯からだと、ほとんど全部に近い音が黒鍵になり、ちゃんと「カイト」のメロディーになりました!
ジェリーくんに専門的なことまでは言わなかったけど、これは「移調」とか「キーチェンジ」という手法であり、「○○の音をドに見立てる」という説明は「移動ド」と表現される用法でもあります。
🎵ドーソソー で弾いてた「カイト」を 🎵ソーレレー で弾くということは、ドを主音、Cをトニックコードとするハ長調(Cのキー) → ソを主音、Gをトニックコードとするト長調(Gのキー)へ移調(キーチェンジ)するということなのです。
これらの理論は、楽典(音楽の文法みたいな学問)では「調性」というカテゴリに含まれます。
ジェリーくん、いつのまにか「調性」のことを感じるまでになっていたんだね。
よしよし、この調子で、ひとつひとつ音楽の神秘を解き明かしていこうよね。
HP HIBARIピアノ教室
Youtube HIBARI PIANO CLASS