Tさん(大人・男性):
「悲愴ソナタ」第一楽章、そして基礎テクニックのために「チェルニー30番」も併用してレッスンしています。
今回は「チェルニー17番」、装飾音符のテクニックのための練習曲です。
装飾音符=文字通り「飾り」の音符で、メインのメロディーラインではないんですが、その役割は重要で、かつ弾き方も何種類もあり、一概に「こう弾きます」とは言えないのが複雑なところです。
「チェルニー17番」に出ているのは、装飾音符の中でも「前打音」と言われている物の代表的な2種類です。
メインの音の前に小さく書かれているのが「前打音」なんですが、これを拍の頭に合わせて弾くか、それとも拍の頭はメインの音で合わせて、前打音はそのもひとつ前にはみ出させるか、という2種類の弾き方があります。
曲にもよりますが、昔の音楽=バロックとか古典とか、は前打音を拍の頭で合わせることが多く、近代〜現代は、メインの音を拍の頭で合わせ、前打音は前に出す、という弾き方がほとんどです。余程「バロック風」をねらった曲とかアレンジでない限り。
「チェルニー17番」の前打音では、メロディーの流れからして前に出して弾くのが妥当という解釈が主流です。(見出し画像の、赤いラインで合わせる弾き方)
一方、前打音を拍の頭で合わせるのは青いラインの弾き方で、この弾き方にすると、2つの前打音+メインの音、合わせて3つが「三連符」みたいになります。
Tさんは、この曲で2種類の弾き方、両方とも練習して、どちらも身につけたいそうです。
何という立派な心掛けでしょうね!
ヒバリが生徒だった頃には考えられない熱心さ…偉い。
Tさんは、また、メインの持ち曲である「悲愴第一楽章」も、最後まで弾いて、それも暗譜してありました。長い曲なのに素晴らしい。
本当に熱心で努力家なTさんですね!
「悲愴」も、いよいよまとまってきました。
完成が楽しみです。
Facebook Hibari Music Lesson