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「幻の女」 ウイリアム・アイリッシュ

2011-07-14 | 本と雑誌

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ハヤカワ文庫 456ページ 940円+税
先日入手した「ハヤカワ・ミステリ総解説目録―1953年‐2003年」のベストテンの首位にこの「幻の女」がありました。他の海外ミステリのランキングでも常に上位に位置する本作を読んでいないのはどうしたものか と反省して早速購入しました。(文庫本で税込 1000円弱。あいかわらず早川書房の本は高価ですね)

妻殺しの冤罪で死刑執行の日が刻々と迫る中、嫌疑を晴らすために殺人当夜にバーで出会いレストランで食事をしてカジノ座へ一緒に行ったオレンジ色の帽子をかぶった女性「幻の女」を親友や刑事が追う。しかし、事実に近づいたかと思うと、情報を持った男女が事故で死んでいく。果たして死刑執行の日までに「幻の女」を見つけることができるのか。。。

1942年の作品です。ニューヨークを舞台として、ハイテンションのサスペンスが繰り広げられます。加えて、トリックや意外性など本格推理としても第一級。ベストワンに選ばれるのが分かります。

冒頭の有名な書き出し
「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。苦虫をつぶしたような彼の表情は、かなり手前からでもそれとわかった。・・・」
この調子でミステリが進んでいくんです。原文は当然のこととして、稲葉昭雄さんの翻訳文も類を見ない名文の連続です。こういう文章を書いてみたいですね。

無駄も不足も無い見事な構成、さらに読者に「やられた」を言わせる意表を突いたどんでん返し。ベストワンの名に恥じない名作でした。
今頃に本作を読んだのは・・・少し恥ずかしい。


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