「はやくいって」 サタミシュウ

角川文庫 202ページ 476円+税
「私の奴隷になりなさい」に始まったサタミシュウのSM系恋愛・ポルノ小説の第4弾。
本作は6篇の短編集。連作ではありませんが、前3作のヒロインや脇を固めた女性が登場しています。
例によって地味なOLや冴えない主婦が「ご主人様」もしくはそういう性格を持った男性を知り、再び愛と性に目覚め変身した様が描かれています。
6篇の中の一番目「はやくいって」だけが少し性格が違います。OL友達2人は美人だけどなんとなく機会を逃して同期の女の子では未婚として残ってしまっている。焦りは無いようで実はあったりする。そうした時に同期会の後に二人で行った飲み屋で声をかけてきた男2人組とつきあいだして・・・という恋愛小説です。他とは明らかに味が違いますが、本作の中では私はこれが一番のお気に入りです。

短編ごとの書き味の違い、さらには出来不出来のばらつきが妙に大きいと思ったら、この6篇は「野生時代」「日刊ゲンダイ」「本の旅人」「an-an」そして書き下ろし と出自がばらばら。悪く言えば、溜まった短編の寄せ集めです。
ここは減点ですね。前3作と比較すると得点低いです。5月に第5作「恋するおもちゃ」が発行されていました。こちらは長編のようですので、期待しています。

お薦めのレベルには達しておりません。


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