集英社新書 206ページ 720円+税
アメリカのオーケストラ事情、文化、経緯などを分析して新書本としてまとめた書。
日本ではクラシック音楽はベルリン・フィルを中心としたドイツが本場。これに比べてアメリカは歴史・伝統が無い薄っぺらなものであるとの誤った認識をもたれています。
実際にはニューヨーク・フィルの設立はウィーン・フィルと同年。作曲家のドボルザーク、マーラーやバルトークはアメリカでの作曲などの活動を行っていました。著者は、アメリカのオーケストラは駆け出し者ではなく、歴史があることを説明しています。
また、アメリカのオーケストラ指揮者が第一次世界大戦のあたりで政治的な動きによってドイツ系を排除しフランス系になったことを解説しています。その後、ユダヤ系、ハンガリー人というように指揮者が遷移しています。
最後の章で、アメリカのオーケストラが衰退することもなく、今もなお活発な活動を続けていることの説明があります。これはアメリカならではのオーケストラ運営、マーケティングがあるから高い演奏能力を持ち続けているのです。
ショルティとシカゴ交響楽団、セルとクリーブランド管弦楽団の解説に意外なほどページを割いています。フィラデルフィア管弦楽団のファンの私としては、オーマンディのページを取って欲しかったです。
アメリカのオーケストラだけでの1冊の本。こういうの嬉しいです。続編も期待します。
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