実業之日本社 534ページ 1143円+税
先にDVD 3枚組 全5話のドラマを観てからの小説となりました。
赤松運送のトレーラーのタイヤが走行中に外れ歩道の母子へ激突。母親は程なくして死亡した。ホープ自動車の調査結果は、タイヤが外れた原因は「整備不良」。これによって赤松自動車は家宅捜査、顧客からの取引打ち切り、銀行からの融資中止、被害者家族からの訴訟と風前の灯火となる。しかし、赤松運送の社長は自社の整備記録を信じて整備不良とは違った真実を求めホープ自動車との闘いを始める。
赤松社長と社員達、家族それぞれの闘いがあります。この裏側でホープ自動車、ホープ銀行内で事実を知りこれを使って真相を明らかにしようとする者が動き、さらにはこの情報で自分の地位、仕事への見返りを得ようとする者が暗躍します。
銀行と自動車会社の自分達だけの都合でユーザー、取引先を悪者にする体質、さらには企業のコンプライアンスという言葉は企業の都合でどうにでも解釈をゆがめて進んでいく実態が赤裸に描かれます。
これに対して、零細な運送会社の社長が徒手空拳でたちいどんでいく姿には目頭が熱くなる感動があり、ラスト近くの弁護士を交えたホープ自動車との交渉のシーンは拍手喝采、胸がすく思い。
弱者(零細企業)が強者(銀行、大企業)に立ち向かうという図式ですが、このひとつひとつのシーンに血が流れている体温を感じる作品。お薦めです。
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