卓球王国 196ページ 1620円
荻村伊知朗の夢、すなわち彼が成し遂げたこと、道半ばで終わったものを解説した伝記本。
荻村伊知朗は世界選手権で12個の金メダルを獲得。その後、指導者として、また国際卓球連盟会長として活躍。特に国際卓球連盟会長であった頃は卓球のメジャー化を目指して、ユニフォームのカラフル化、卓球台の色の変更、賞金大会の導入などの改革を進めた。当時実行することができなかったラリーを続けるためのボール・サイズの変更や有害な接着剤の使用禁止などは荻村伊知朗の死後に実現された。
荻村伊知朗は名選手であり、これに加えて論理力と表現力が優れていた。荻村伊知朗の言葉は分かりやすく、書く文章はそのまま新聞記事にできるほど。そして英語力も秀でていた。そうなると、国際卓球連盟会長として良い意味での政治力を発揮して、ルールの改正や朝鮮の南北統一チームの編成などの活躍につながるのは突然の帰結。
書物としてはまとまりが悪く、大学のクラブの会報の編集ものというくらいの出来映えです。しかしながら、荻村伊知朗の活躍を伝えよう、後生に残そうという気概を感じ取ることができる生きた本になっています。
荻村伊知朗についての蘊蓄を仕入れたいという人向けの、特殊なカテゴリの本です。
 | 荻村さんの夢―偉大なる「Mr.卓球」荻村伊智朗の伝説の数々 (卓球王国ブックス) |
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