角川文庫 270ページ 520円+税
サタミシュウの9作目。壇蜜主演で映画化された 1作目「私の奴隷になりなさい」(2005年)からほぼ1年おきに新作を発表しています。
3歳になる娘の妊娠から性行為をしていなかった妻の下着をはぎとると、いっさいの陰毛が無く、性器の真上にMの文字のタトゥーが刻まれていた。目を覚ました妻が「なぜ私がこうしているのか、それはとても長い話になるわ」と行って一晩を’かけて妻のこれまでの人生を語り出した。
高校1年生の時に友達に誘われて始めた援交、担任の教師との関係、そしてそれを知った弟。弟がご主人様になり調教が始まる。この話は、第6作「彼女はいいなり」、第7作「かわいい躾」、第8作「SでもMでもなくこれは恋とか愛」の別の切り口、裏側から描かれた小説になっています。試みとしては面白いですが、企みが成功したかというと賛成はできません。既に読んだ内容の描き直しとしか思えないのです。美樹の立場で美樹がどういうことを考えて、その行為に入っていったのかなど、逆の立場の心理描写があれば楽しめたと思いますが、これが無く残念です。
サタミシュウとしては、点数の低い小説となりました
私はただセックスをしてきただけ (角川文庫) | |
クリエーター情報なし | |
KADOKAWA/角川書店 |