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へんたい みやけ さんの仮想世界? 理想郷

「ロスジェネの逆襲」 池井戸潤

2013-08-21 | 本と雑誌

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ダイヤモンド社 384ページ 1500円+税

「半沢直樹」シリーズ 3作目。
前作 伊勢島ホテルへの不正融資の活躍で、半沢は銀行内の調和のために東京セントラル証券へ出向させられていた。そこは、一旗揚げて銀行に戻ろうとする出向者と、これに対して不満を持ち続けるプロパー社員、そしてまたバブルとその後の就職氷河期のロストジェネレーション世代がいがみ合う組織であった。
そこに大手IT企業の電脳雑伎集団の社長から、ライバルの東京スパイラルを買収するので協力を得たい旨の相談が入る。半沢のグループがこの担当になるが、親会社の東京中央銀行がこの案件を奪ってしまう。半沢はこれに対して、東京セントラル証券が買収をかけられている東京スパイラルのアドバイザーとなり、東京中央銀行と真っ向から対決を始めた。

メモ
・バブル世代は、会社という枠組みを超え、いまや世の中の穀潰し世代なのさ。まさに社会問題そのものだ。
・仕事は与えられるもんじゃない。奪い取るもんだ。
・組織の論理、大いに結構じゃないか。プレッシャーのない仕事なんかない。仕事に限らず、なんでもそうだ。嵐もあれば日照りもある。それを乗り越える力があってこそ、仕事は成立する、世の中の矛盾や理不尽と戦え、森山。オレもそうしてきた」
・「サラリーマンはーーいや、サラリーマンだけじゃなくて全ての働く人は、自分を必要とされている場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。会社の大小なんて関係がない。知名度も。オレたちが追求すべきは看板じゃなく、中身だ」
・「人事が怖くてサラリーマンが務まるか」
・「仕事の質は、人生そのものの質に直結しますから」
・「どんな時代にも勝ち組はいるし、いまの自分の環境を世の中のせいにしたところで、結局虚しいだけなんだよ。ただし、オレがいう勝ち組は、大企業のサラリーマンのことじゃない。自分の仕事にプライドを持っている奴のことだけどさ」
・「簡単なことさ。正しいことを正しいといえること。世の中の常識と組織の常識を一致させること。ただ、それだけのことだ。ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される、そんな当たり前のことさえ、いまの組織ではできていない。だから駄目なんだ」
・「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく。そういう連中が増えれば、当然組織も腐っていく。組織が腐れば、世の中も腐る」

たくさんメモが残りました。このほとんどが、半沢が部下の森山に語った言葉です。
本作は部下の森山の動き、成長がおいしいところです。当初は半沢を腰掛けの出向のように見て敵対心をもっていたものが、半沢と行動を共にしていくことで、何のために働くのかを知り、大きな成長を遂げます。最後にはヘッドハンティングの誘いが出ますが、今の証券会社でやるべきことをやるという意思をもって、証券会社に残るという決断をします。こういうの、胸が熱くなる嬉しい話です。

今回は子会社出向の身でありながら、副頭取を相手に「倍返し」。本当に胸がすっきりします。現在第4作が週刊ダイヤモンドで連載中。これが出版されるのが待ち遠しいです。

私は観ていないのですが、TVドラマの大ヒット。これに引っ張られて、原作本もミリオンセラーになりました。本作はおそらく今夏のTVドラマには使われないでしょう。とすると、映画化かな。是非とも映画化して欲しいです。

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