子どものころは「昭和」だった

頭も悪く、体も弱い子どもでした。そんな子ども時代を思い出すだけ綴ります。
頭の悪い、体も弱い子の成長後も書いてみます。

初恋の人

2016年08月21日 | 昭和
初恋の人は、美代さんと言いました。

近くに住んでいました。4つ違いでした。
意識しだしたのはわたしが二十歳を過ぎてからです。
彼女は高校を卒業して地元で働いていました。

彼女には弟がいました。わたしが高校のころやっていた野球に
小学生で参加していました。遊んでやっていたようなものでした。

美代ちゃん(わたしはそう呼んでいました)とは自然に付き合いだしました。
音楽会に行ったり作家の講演会に行ったりしていました。
美代ちゃんは高校の音楽部に入っていたのでクラシックにも強く、教えてもらった
ものです。

わたしも彼女の家庭のことがわかります。彼女もわが家の内情は知っています。

静かな付き合いがまだまだ続くと思っていました。

ある日、冬の寒い日と覚えています。小さい火鉢がありました。
お母さんと美代ちゃんが座っています。
わたしはそこに呼び出されました。

お母さんが「美代と結婚してくれますか」と言いました。


わたしは突然のことで、「まだ出来ません」と小さく言ったようです。
「美代、結婚できんそうだ」「あきらめなさい」

いまの心情をくわしく説明すべきですが、急な話でわたしは説明できませんでした。

そのころはまだ結婚できる気持ちになっていませんでした。
もう少し時間をください、好きですから心と体が結婚できるようになるまで待ってください、
と言えませんでした。

口下手ですぐに適切な言葉が出てきません。これは今も同じですが。
打てば響くように口から言葉が溢れだす人が人がうらやましいです。

初恋はこの日で終わりました。
美代ちゃんたちはしばらくして引越ししました。

その後の消息は知りません。いつも美代ちゃんの幸せを祈っています。

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