子どものころは「昭和」だった

頭も悪く、体も弱い子どもでした。そんな子ども時代を思い出すだけ綴ります。
頭の悪い、体も弱い子の成長後も書いてみます。

朝ドラ「ごちそうさん」を見て

2014年02月28日 | 小学生時代
朝ドラ「ごちそうさん」の評判がいいようです。ツレは毎朝目を凝らして見ています。わたしもときどき覗きこんでいます。

ツレが近所の子どもにもおやつを食べさせるシーンを見て心の広いヒロインだと感心し、「うちではそげんじゃなかった」と耳タコの話を繰り返します。

「戦後焼け出された叔母さんたちがしばらく同居された。叔父さんは国鉄(JRの前身)勤務だったので米がよく手に入ったようで、叔母さんの家族は白米を食べていた。叔父さんがわたし(4人兄弟の末っ子)とばあちゃん(叔母さんの実母)に1杯ずつやらんかと言われるけど、叔母さんは決してやらっさんじゃった」
「お互いのちゃぶ台はすぐ横にあるので食べているのもわかるのよ」
ツレは結婚以来なんどもこの話をします。

親にも食べ物をやらない時代に近所の子どもにまで食べ物をやるのは考えられない、という意見です。「ごちそうさん」は昭和19年秋ごろまで進んでいますが、食べ物がなかったのは戦後すぐも同じだったでしょう。

わたしが見ていて気になったのは建物疎開のシーンです。
わが市では工場の周辺から建物疎開(強制疎開と言いました)が始まりました。化学工場のすぐ横に小さい川があり、それに沿って狭い道がありました。その道沿いが最初に壊されました。

昭和20(1945)年には表通りと工場へ通じる道も壊されていきました。

「ごちそうさん」ではお上に文句を言いに行く人がありました。昭和19,20年ごろにそんな人がいたのだろうかとわたしは疑問に思いました。お上の言うことはなんでもごもっともで、盾つく者は非国民と言われました。

表通りで家が煙草屋を営んでいたT君は建物疎開になりわたしと同じ日(5年生の終業の日)に転校しました。

缶けり

2014年02月21日 | 中、高時代
いまはビールもコーヒーも缶に入っていますが、缶詰が多く出回ったのは戦後です。それも進駐軍が持ってきたと思います。
わたしが最初に見たのは炭鉱社宅にいた叔母さんの家に行ったときです。
「まる炭」と言って炭鉱労働者に特別に配給になった、ビーフ缶から肉を出してカレーライスを叔母さんが作ってくれました。缶の大きさとカレーライスの旨さにびっくりしました。

少しずつ缶詰が出回り、空き缶が子どもの遊びに使えるようになりました。その一つが缶けりです。
円の中心に缶を置き、鬼はそれを円の外までけりだします。鬼が缶をけった瞬間に鬼以外はテンデンバラバラ隠れます。鬼は缶を円の中心に置き、隠れた者をそれを見つけて回ります。一人見つけると「○○ちゃん、見つけた」と叫んで、円の中心の缶を踏みに帰ります。鬼が早く踏むと鬼の勝ち、隠れていた者が早く踏むと鬼の負けでまた鬼になります。いわゆる隠れ鬼です。

空き缶を使う遊びに缶に穴をほがしてひもを通して、竹馬のようにそれに乗る遊びもありました。

どちらも戦後缶詰がよく出回ってからの遊びです。

ラブレターの配達人

2014年02月13日 | 中、高時代
中学1年生のときと記憶しています。
近くに4年生の先輩がいました。いまで言うイケメンでした。名前は思い出せません。
この先輩から呼ばれました。何事と先輩のところに行くと、小さく折った白い紙を渡されました。この紙を龍ちゃんの姉さんに渡してほしいということです。

龍ちゃんのお姉さんは女学校の3年生でした。先輩はなにも言いませんが、ラブレターのようです。

断わることもできず、わたしはお姉さんに渡しました。

返事の配達はなかったです。
その後どうなったかもわかりませんでした。

龍ちゃんのお姉さんはきれいでスタイルのよい女性でした。数年前に偶然会いました。70代のはずですが、スタイルは若いときのままで、車は4輪駆動でした。颯爽とされていましたね。
結婚はされていないようでした。

先輩の恋は実を結ばなかったのですね。

米の中から石選び

2014年02月02日 | 中、高時代
おっかさんは玄米を農家から買い、それを精米して家に運んできます。それをすぐには売れませんでした。

米は隣の市の山手から買っていました。今と違って米は平地よりも山手がうまい、が自論でした。うまいかもしれませんが、一つ厄介なことがありました。
小さい石が入っていることです。山から引いてくる水の中にか、田んぼの中にか小石があり、それが米の中に混じるのです。それが白い小石で選ぶのに難儀します。

いまは精米機に石を取り除く機能がついているようで石が入っていることはないようです。昭和20年代の精米機にはそんな機能はありませんでした。
専ら人が選り分けていました。それがわたしの仕事でした。


これは再現写真です。縁側にちゃぶ台を置き、白紙をその上に並べ、米を載せ、少しずつ石がないかを調べて、石がない米だけを右の器に落としていきます。
時間と根気がいります。

この作業を夜にやるのはたいへんでした。照明が今よりも暗く、石が見分けにくいのです。
1.5や1.2あった視力が0.6くらいになったのはこのためかもしれません。(-_-;)