家の前の空き地に、梅の木が数本植えられています。
今まさに満開です。
そばを通ると、あまぁ~い香りがして、
春の気配を感じます。
この香りを届けることができなくって残念です!
去年、学問の神様で有名な菅原道真公を祭っている太宰府天満宮に行きました。
そこには、梅の花にまつわる「飛梅伝説」というのがあるのだそうです。
道真公は梅の花を好み、邸内にたくさんの梅を植えていたので、
邸宅は「紅梅殿」とも呼ばれていました。
都落ちの時を迎えて、道真は紅梅との別れを惜しんで
「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな」
と詠んだそうです。
「春になり東風が吹いたら、
その風に乗せて花の春を私が流されてゆく西の太宰府まで送ってほしい、
梅の花よ。
主がいないからと言って、春を忘れてはならないぞ。 」
という意味だそうです。
そんな主人の心を感じた梅が、
一夜にして大宰府まで飛んできて、根を下ろしたというのが、
この「飛梅伝説」ということです。
飛んだのは紅梅でしたが、代替わりを経て、
現在、太宰府天満宮境内にある飛び梅は白梅になっているそうです。
遠く離れた地に行かなければならないことが
それだけさびしかったのでしょうし、
すぐにご主人のところに飛んでいったといわれる梅の花の心も
とっても忠誠心にあふれて、けなげだなぁと思います。
もしかしたら、梅の花にたとえて、
誰か愛しい人を思い浮かべてたのかもしれないなぁとふと思いました。
そんなふうに、詩にする昔の人はとっても風流で、
そんな伝説があるというのも、とても趣があります
また、天満宮の参道には梅が枝餅という和菓子が売られていました。
梅が枝餅は、道真公が不遇の配所時代に困窮した生活を送っているのを
近在の尼さんが見かねて、
道真公が好んだ梅の枝に添えて焼餅を差し上げた、
という故事に由来するものなのだそうです。
現在は、もち米とうるち米からできた粉を練った生地で
小豆のつぶし餡を包み焼き型で平たく焼き上げているそうです。
私も焼き立てを一ついただいたのですが、
ほんわかあったかで、やわらかくって、ほんとにおいしかったぁ~~
梅の花もとってもきれいなのですが、
私はやはり、花より団子・・・かもしれません。
いえ・・きれいなお花の下で、甘いものを食べる、
これが最高に贅沢なのかもしれません。