今回の取材をアテンドしてくれたのは、ロンドン在住のW氏。
W氏は最近、缶詰の魅力に気付いてしまい、缶詰が気になって気になって仕方がないという。
同氏は料理名人でもあり、このパスタも具にツナ缶がたっぷり使われている。
「こんな風になったのは博士のせいですよ。どうしてくれるんですか」
とのたまう。
そうして、あらためて周囲を眺めてみると、イギリスが実は缶詰大好き国家だったことに気付いた。
「今、イギリスでは日本と同じくグルメ缶詰が出てきてるんです」
な、何ですと?!
ということで、またまたスーパーへ調査に向かう。
このカラフルなパッケージはツナやサーモンのフレークで、スイートチリ味とか、バジル味とか、様々な味付けになっている。
トーストにのせて食べるのに便利そうだ。
これはハインツのスープ缶なのだが、最新バージョンは味付けが凝っている。
いわく「デリケート・コルマ・スパイス味」とか(コルマはインド料理らしい)、「スパニッシュ・チョリソー味」とか、「ローステッドガーリック&トマト味」とか、もうどんな味だか想像もできないほど凝っている。
こちらは低所得者向けのスーパー。
通路に段ボールが散らかってたり、蛍光灯が切れかかってたりと、やや荒んだ雰囲気があるが、確かに品物は安い。
こういう店は、他国から輸入してきた食材が揃っていたりするから面白い。例えば、香り高い香辛料が格安で売られていたりする。それがよく売れるから、回転も早くて、結果的にいつもフレッシュなものが並んでいるわけだ。
この店ではカレー缶が充実していた。それもパラク・パニールとか(ほうれん草とカッテージチーズのカレー)、ダル・マクナニとか(豆とバターのカレー)、何やら本格的なものばかりである。店主がインド出身なのだろう。
カレーを作るための素材缶も揃っていて、ほうれん草やじゃがいも、豆類、にんじんなどの水煮缶があった。
こちらはリドルというドイツ本社のディスカウントストアー。
ハインツなど大手の缶詰のほか、デンマークのさば缶、いわし缶もあった。
見た目がよかったので思わずジャケ買い。
4缶で約350円と激安であった。
市場をひやかす。ここのスモークサーモンが絶品ということで買ったが、現地に忘れてきてしまった。
市場とスーパーを求めて歩き回る。えーと、ここはどこだ?
ペッカムという町にあるペルシア料理&スパイス販売店「PersiainPeckham」。
写真のSally Butcherさんは著名な料理研究家らしく、料理本を何冊か出している。
食べた料理はどれもシンプルながらスパイスの使い方が素晴らしかった。スパイスの勉強をしようと決心し、この人の料理本を買う。
ここには枝豆の缶詰も売っていた。パッケージにちゃんと「EDAMAME」と書いてあるのだ。枝豆本場の日本にないのに、なぜロンドンにあるんだ?!
どこのスーパーでも売っていたライスプディングの缶詰。
ミルクで炊いた甘いご飯といった感じで、そう聞くと何やら不気味ではあるが、食べると美味しいらしいです。
ロンドンには様々な国のコミュニティがある。
僕が歩いただけでも、インド、イラン、ギリシアにポルトガルなど、各国の出身者が集まった地域があった。
そこで店を開き、ふるさとから取り寄せた食品を売ったり、外食として提供したりしている。それがみな本格的なものだから、ロンドンにいると下町価格で各国の食事が楽しめる。
まさに多様性であります。
何となれば、缶詰もいろんな国のものが売られている。そのうえ、最近はグルメ缶詰が登場してきたから、今のロンドンは缶詰が充実しているのだ。
最終日はアートギャラリーでトークショーを開催。日本のグルメ缶詰を紹介してみた。
みなさん想像以上に真剣なご様子。質問も
「加熱殺菌するというが、その最高温度は何度か?」
「フルーツ缶も加熱しているのか?」
などかなり突っ込んだものばかり。
最後は試食しながら打ち上げパーティー。
ノリのいい青年。抹茶味のチーズケーキ缶がお気に入りでした。
ギャラリー前で記念撮影。こうしてみると、ここがロンドンだか東京だか判らないなァ。
次回はぜひ、工場見学にも行ってみようと思うのであった。
おわり
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