ロシア、米朝間の対話仲介する用意=大統領報道官 ・・・・・・
ラブロフ外相はこの日、米国のティラーソン国務長官と電話会談を行い、「米国の挑戦的なレトリック」、および周辺地域における軍事力強化により朝鮮半島の緊張が高まっており、こうしたことは容認できないとの考えを伝えた。:ロイター 2017年12月27日 / 05:29
米朝対立へロシアが「仲介の用意あり」と表明しました。
ロシアが、対立が激化するアメリカと北朝鮮の仲介を、「両国が望むなら」という条件付きで表明したようですが
さて
- 「ないよりはマシ」か
- 「あったために混乱が余計に加速される」か
注意深く見守らねばなりません。
ロシアが
アメリカへの対抗上「アメリカの挑戦的な言動が朝鮮半島の緊張を高めている」と敵意を表明する
のは、当然ですが、私は「ロシアが仲介する」と言わされた背景に注目しています。
ロシアの背景
- プーチンの再選をねらった3ヶ月後(2018年3月)の大統領選挙を前にして、野党指導者の立候補却下(とってつけたような前科付与で有力立候補者をなくす手段)、これでプーチンの独裁が保証されたような弾圧国家ロシア。まるで独裁国家中国みたいですね(笑)。
- ソチ五輪(2014年)終了直後に、元ソ連領だったとはいえ、もはや独立国であるウクライナのクリミア半島をロシアが武力侵略し自国の領土にしたことで、多くの国から制裁を受けて原油価格の暴落もあり経済が疲弊しているロシア。この結果、G5(仏・米・英・西独・日)→G6(伊が参加)→G7(加が参加)→G8(露が参加)→G7(露の資格停止)→現在 となっておりロシアはサミットから除外されているのでした。
- ロシアの国家ぐるみ薬物使用隠ぺい工作が2016年12月に暴かれたことで、IOCが1ヶ月ほど先に迫っている2018年冬季五輪平昌(韓国 02月09日-25日)への参加をロシア国として禁止しました(あとは厳しい条件がある個人参加への道しかありませんがプーチンはこの個人参加を認めているようです)。
- ロシアによる各国選挙への干渉の証拠があるようです。①米大統領選挙(2016/11/08)、②フランス大統領選挙(2017/06/11・18)、③ドイツ議会選挙(2017/9/24)、④スペインのカタルーニャ州分離独立住民投票(2017/10/1)などでフェイク・ニュースをもってして干渉したとされます。はっきり証拠を示すと次回から警戒され別の方法を編み出すため言えませんが、第三国を経由しての工作など数えきれないほどです。犯罪に手を染める人によく見られますが、自分が同じ手口でやられるのではないかとして、ロシアの大統領選挙での干渉対策を立てているようです。犯人が犯行後に現場へ行きたがる心境でしょうか・・・・・・ちょっと違うか。
- また米大統領トランプのロシア疑惑(民主党候補クリントンを破るためにはどんな汚い手でも使ったでしょう)は残り続け、大統領周辺から攻めており、やがて大統領弾劾へと進むと思われます。
- このように、制裁されているロシアが、制裁されている北朝鮮の側に立って「米朝の対立を仲裁する用意がある」としているのです。どれほどの信頼性があるか、きっとお分かりだろうと思います。
残念なことに、ロシアの仲介は
北朝鮮の言い分を前提としている
ようで、私はこの点に留意しています。
有事の場合に北朝鮮から要人の亡命が噂されているロシアとしては
- 北朝鮮からせかされた
- アメリカとの電話会談をした
ことで、やむを得ず「助け船」を出したつもりでしょう。しかし・・・・・・
- 朝鮮半島有事の際にロシアが本当に北朝鮮を擁護するかどうか分かりません。
- これは有事の際に中国が本当に北朝鮮を擁護するかどうか不明なのと同じです。
これを理解している北朝鮮としては、「微妙」な中国・ロシアの対立を読んで立ち居振る舞いを考えているようです。
要は
独裁国家である北朝鮮が、同じ独裁国家中国・ロシアの対立を利用しながら、「どちらかを味方につけられるはず」とにらんでいるためあの強硬なアメリカへの発言へとつながっている、と思われます。
いや
「どちらかを味方につけている」と思わせるためにも、強硬な声明を出さねばなりません。そうすると、相手が「どちらかを見方にしているはずだ」と想像するからで、「微妙」としたのはこういうことを言っていたのです。
さてさて、皆様はどう思われますか。