2019年9月に見たい展覧会【桃源郷/バスキア/竹工芸名品展】

暑かった8月が過ぎたものの、残暑も厳しい日が続きます。いかがお過ごしでしょうか。

いよいよ秋の展覧会シーズンも開幕です。気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・「マイセン動物園展」 パナソニック汐留美術館(~9/23)
・「日本のよろい」 東京国立博物館(~9/23)
・「1933年の室内装飾 朝香宮邸をめぐる建築素材と人びと」 東京都庭園美術館(~9/23)
・「嶋田忠 野生の瞬間 華麗なる鳥の世界」 東京都写真美術館(~9/23)
・「みんなのレオ・レオーニ展」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(~9/29)
・「奥の細道330年 芭蕉」 出光美術館(~9/29)
・「生誕250年記念 歌川豊国―写楽を超えた男」 太田記念美術館(9/3~9/29)
・「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」 東京都写真美術館(~10/14)
・「引込線/放射線」第19北斗ビル(9/8~10/14)
・「没後90年記念 岸田劉生展」 東京ステーションギャラリー(~10/20)
・「ミュシャと日本、日本とオルリク」 千葉市美術館(9/7~10/20)
・「慰霊のエンジニアリング」 TODA BUILDING(9/14〜10/20)
・「大観・春草・玉堂・龍子―日本画のパイオニア」 山種美術館(~10/27)
・「新創開館10周年記念 美しきいのち 日本・東洋の花鳥表現」 根津美術館(9/7~11/4)
・「北斎没後170年記念 茂木本家美術館の北斎名品展」 すみだ北斎美術館(9/10~11/4)
・「士 サムライ―天下太平を支えた人びと」 江戸東京博物館(9/14~11/4)
・「DECODE/出来事と記録―ポスト工業化社会の美術」 埼玉県立近代美術館(9/14~11/4)
・「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部―美濃の茶陶」 サントリー美術館(9/4~11/10)
・「チェコ・デザイン 100年の旅」 世田谷美術館(9/14~11/10)
・「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」 国立新美術館(~11/11)
・「桃源郷展」 大倉集古館(9/12~11/17)
・「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」 森アーツセンターギャラリー(9/21~11/17)
・「不思議の国のアリス展」 そごう美術館(9/21~11/17)
・「おかえり 『美しき明治』」 府中市美術館(9/14~12/1)
・「茶の湯の名碗 高麗茶碗」 三井記念美術館(9/14~12/1)
・「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション―メトロポリタン美術館所蔵」 東京国立近代美術館工芸館(9/13~12/8)
・「描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき」 DIC川村記念美術館(9/14~12/8)
・「コートールド美術館展 魅惑の印象派」 東京都美術館(9/10~12/15)
・「オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」 横浜美術館(9/21~2020/1/13)

ギャラリー

・「小早川秋聲展」 加島美術(~9/16)
・「竹中大工道具館企画展 木工藝 清雅を標に―人間国宝 須田賢司の仕事」 ギャラリーA4(~9/20)
・「第13回 shiseido art egg 遠藤薫展」 資生堂ギャラリー(~9/22)
・「青柳龍太|sign」 ギャラリー小柳(~9/27)
・「二つの魂の神話 ヴァサンタ ヨガナンタン写真展」 シャネル・ネクサス・ホール(9/3~9/29)
・「珠洲焼 – 中世日本海・黒のやきものグラフィック」 渋谷ヒカリエ8F(9/18~9/29)
・「栗林隆展」 アートフロントギャラリー(9/6~9月末)
・「有山達也展 音のかたち」 クリエイションギャラリーG8(~10/05)
・「シュテファン・バルケンホール」 小山登美夫ギャラリー(9/7~10/5)
・「利部志穂 マントルプルーム ― イザナミ、ペレの怒り。」 KAYOKOYUKI(9/7~10/6)
・「Sculptural Type コントラプンクト」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(~10/12)
・「法貴信也展」 タカ・イシイギャラリー東京(9/14~10/12)
・「戸谷成雄 視線体」 シュウゴアーツ(9/21~10/19)
・「αMプロジェクト2019 東京計画2019 vol.3 vol.4 ミルク倉庫+ココナッツ」 ギャラリーαM(9/28~11/9)
・「椅子の神様 宮本茂紀の仕事」 LIXILギャラリー(9/5~11/23)
・「アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー展」 TOTOギャラリー・間(9/13~11/24)

まずはリニューアルオープンの情報です。2014年4月より増改築工事のため休館していた大倉集古館が、約5年間に及んだ工事を終え、この9月12日に再開館します。



「桃源郷展」@大倉集古館(9/12~11/17)

それを記念して行われるのが「桃源郷展」で、新収蔵品の呉春の「武陵桃源図屏風」がお披露目される他、蕪村や周辺の画家が描いた桃源郷の世界を紹介します。また国宝「普賢菩薩騎象像」や横山大観の「夜桜」など、同館のコレクションもあわせて公開されます。


増改築に際しては建物の外観に手をつけず、新たに地下階を増築して収蔵庫機能などを移転させたそうです。そしてリニューアルを祝うに相応しく、桃は古くからお目出度い存在として尊ばれたモチーフでもあります。以前とは異なった環境で、お馴染みの名品を楽しめるのかもしれません。

続いて現代美術です。1960年、ニューヨークに生まれたアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアの日本初の大規模な回顧展が、森アーツセンターギャラリーで開催されます。



「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」@森アーツセンターギャラリー(9/21~11/17)

1980年代のアメリカのアートシーンで活動し、1988年に27歳で薬物の過剰摂取で死去したバスキアは、約10年間あまりの間に2000点を超すドローイングや1000点以上の絵画を描き、同時代のみならず、今日へ至るアートやファッションなどにも大きな影響を与えました。

そしてバスキアは日本の世相を反映したモチーフなどの作品も制作し、度々来日しては複数回の個展やグループ展を開催しました。今回のバスキア展では、絵画やドローイング、それに立体など約130点が公開される上、日本とも関わりのある作品も出展されます。


近年、何かと日本でも知名度の高いバスキアですが、実際に作品をまとめて見られる機会は殆どありませんでした。現在、森美術館での塩田千春展も人気を博していますが、同様にバスキア展も話題を集めるのではないでしょうか。9月末より10月にかけての六本木ヒルズは、2つの大規模な現代美術展で大いに賑わいそうです。

最後は竹工芸です。東京国立近代美術館工芸館にて「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション」が行われます。



「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション―メトロポリタン美術館所蔵」@東京国立近代美術館工芸館(9/13~12/8)

アメリカの美術コレクター、アビー夫妻は、日本の近現代の竹工芸品を蒐集し、有数のコレクションを築き上げました。そのコレクションが里帰りするのが今回の展覧会で、約75点の竹工芸とともに、工芸館所蔵の近代工芸の作品があわせて展示されます。


なお本展は、2017年から翌年にメトロポリタン美術館でも開催され、47万名以上を動員するなどして注目を浴びました。いわゆる国際巡回展(国内では先行して大分県立美術館でも開催。)でもありますが、このところ関心も高まっている竹工芸を愛でる良い機会となりそうです。



夏休み中は特に遠出も出来ませんでしたが、近場ながらも水戸芸術館の「大竹伸朗 ビル景」、そしてポーラ美術館の「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」、それに小田原にある杉本博司の手がけた「江の浦測候所」などを鑑賞、ないし見学してきました。追ってブログでもまとめたいと思います。

それでは今月もどうぞ宜しくお願いします。
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