都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「北大路魯山人の美 和食の天才展」 三井記念美術館
三井記念美術館
「北大路魯山人の美 和食の天才展」
4/12~6/26
三井記念美術館で開催中の「北大路魯山人の美 和食の天才展」を見てきました。
元は書家を志し、篆刻家、画家、陶芸家、料理家としても幅広く生きた北大路魯山人(1883~1959)。つとに良く知られているのが作陶の世界ではないでしょうか。
「織部長板鉢」 昭和30(1955)年 銀座久兵衛
建設当時の趣きを残した展示室1からして魅せます。照明の効果もあるのでしょう。いずれの作品にも華を添えています。冒頭の「青織部籠形花器」が見事でした。ちょうどサッカーボール大の籠。透かしは不揃いです。台形であり、また三角形であったりします。緑、あるいは草色をした花器。どのような花をあしらえればより際立つでしょうか。
「織部俎板盤」も美しい。横50センチほどの盤です。竹の面と緑の帯を挟んで青い面がせめぎ合います。ふと青みが海に見えてきました。まるで海岸線の風景を俯瞰したかのような構図です。センスが伺えます。
「銀三彩輪花透鉢」も印象的でした。銀ゆえにシルバー。グレーと言って良いかもしれません。透かしだけにたくさんの穴が空いています。穴は水滴のようでもあり、時に星の形をしています。可愛らしい。地の部分に黄、ないし青い斑紋が描かれていました。開口部はさも花びらを模すかのようにうねってもいます。
「絵瀬戸草虫文壺」 昭和27(1952)年 北村美術館
「絵瀬戸草虫文壺」の草むらにはバッタがいました。僅かにクリーム色を帯びた大きな壺。正面には草が描かれ、その茂みに隠れるかのように虫がいます。筆は大胆です。力強さが感じられます。
基本的に陶磁の展示ですが、漆器にも目を引く作品がありました。例えば「一閑塗日月椀」です。椀の蓋と側面に金と銀の円が表されています。日月とあるので、金が陽、銀が月なのでしょう。ほか「銀地色ねじ文大平椀」も良い。とはいえ、あくまでも器は使う物です。何を盛ってはより映えるのかを想像してしまいます。
富士を見立てた「不二鉢」も面白いのではないでしょうか。外側の上部は青みがかり空を描いています。下方は松林でしょうか。三保の松原かもしれません。そして内に富士山が現れます。シルエット状です。うっすらと白みがかります。頂に降り積もる雪を表してもいます。
「絵瀬戸平鉢」 昭和25(1950)年頃 足立美術館
「志野ジョッキ」や「紅志野ジョッキ」も趣深い。さらには「つり燈籠」や行燈なども出品されています。また「如庵」の再現空間も魯山人流のしつらえです。織部の鉢に漆膳「露堂々」。奥に「閑林」がかかります。さすがに雰囲気がありました。
出品は足立美術館や京都国立近代美術館などのコレクションが多数。一部に個人蔵が加わります。
「椿鉢」 昭和15(1940)年頃 足立美術館
展示替えの情報です。会期中、前後期で半数程度の作品が入れ替わります。
「北大路魯山人の美 和食の天才展」出品リスト(PDF)
前期:4月12日(火)~5月22日(日)
後期:5月24日(火)~6月26日(日)
リピーター割として、会期中、一般券、ないし学生券の半券を提示すると、2回目以降は団体料金が適用されます。
高級料亭「星岡茶寮」の顧問を務めた魯山人は、自らの手で器を作り、時に料理を振舞いました。「器は料理の着物」という言葉も残しています。作陶と料理は表裏一体です。ただその辺の関係を伺える展示はほぼありませんでした。パネルなどでもう一工夫があっても良かったかもしれません。
「魯山人の器 (NHK美の壺)/日本放送出版協会」
6月26日まで開催されています。
「北大路魯山人の美 和食の天才展」 三井記念美術館
会期:4月12日(火)~6月26日(日)
休館:月曜日、但し5月2日(月)は開館。
時間:10:00~17:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1300(1100)円、大学・高校生800(700)円、中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*70歳以上は1000円。
*リピーター割引:会期中、一般券、学生券の半券を提示すると、2回目以降は団体料金を適用。
*割引引換券
場所:中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅A7出口より徒歩1分。JR線新日本橋駅1番出口より徒歩5分。
「北大路魯山人の美 和食の天才展」
4/12~6/26
三井記念美術館で開催中の「北大路魯山人の美 和食の天才展」を見てきました。
元は書家を志し、篆刻家、画家、陶芸家、料理家としても幅広く生きた北大路魯山人(1883~1959)。つとに良く知られているのが作陶の世界ではないでしょうか。
「織部長板鉢」 昭和30(1955)年 銀座久兵衛
建設当時の趣きを残した展示室1からして魅せます。照明の効果もあるのでしょう。いずれの作品にも華を添えています。冒頭の「青織部籠形花器」が見事でした。ちょうどサッカーボール大の籠。透かしは不揃いです。台形であり、また三角形であったりします。緑、あるいは草色をした花器。どのような花をあしらえればより際立つでしょうか。
「織部俎板盤」も美しい。横50センチほどの盤です。竹の面と緑の帯を挟んで青い面がせめぎ合います。ふと青みが海に見えてきました。まるで海岸線の風景を俯瞰したかのような構図です。センスが伺えます。
「銀三彩輪花透鉢」も印象的でした。銀ゆえにシルバー。グレーと言って良いかもしれません。透かしだけにたくさんの穴が空いています。穴は水滴のようでもあり、時に星の形をしています。可愛らしい。地の部分に黄、ないし青い斑紋が描かれていました。開口部はさも花びらを模すかのようにうねってもいます。
「絵瀬戸草虫文壺」 昭和27(1952)年 北村美術館
「絵瀬戸草虫文壺」の草むらにはバッタがいました。僅かにクリーム色を帯びた大きな壺。正面には草が描かれ、その茂みに隠れるかのように虫がいます。筆は大胆です。力強さが感じられます。
基本的に陶磁の展示ですが、漆器にも目を引く作品がありました。例えば「一閑塗日月椀」です。椀の蓋と側面に金と銀の円が表されています。日月とあるので、金が陽、銀が月なのでしょう。ほか「銀地色ねじ文大平椀」も良い。とはいえ、あくまでも器は使う物です。何を盛ってはより映えるのかを想像してしまいます。
富士を見立てた「不二鉢」も面白いのではないでしょうか。外側の上部は青みがかり空を描いています。下方は松林でしょうか。三保の松原かもしれません。そして内に富士山が現れます。シルエット状です。うっすらと白みがかります。頂に降り積もる雪を表してもいます。
「絵瀬戸平鉢」 昭和25(1950)年頃 足立美術館
「志野ジョッキ」や「紅志野ジョッキ」も趣深い。さらには「つり燈籠」や行燈なども出品されています。また「如庵」の再現空間も魯山人流のしつらえです。織部の鉢に漆膳「露堂々」。奥に「閑林」がかかります。さすがに雰囲気がありました。
出品は足立美術館や京都国立近代美術館などのコレクションが多数。一部に個人蔵が加わります。
「椿鉢」 昭和15(1940)年頃 足立美術館
展示替えの情報です。会期中、前後期で半数程度の作品が入れ替わります。
「北大路魯山人の美 和食の天才展」出品リスト(PDF)
前期:4月12日(火)~5月22日(日)
後期:5月24日(火)~6月26日(日)
リピーター割として、会期中、一般券、ないし学生券の半券を提示すると、2回目以降は団体料金が適用されます。
高級料亭「星岡茶寮」の顧問を務めた魯山人は、自らの手で器を作り、時に料理を振舞いました。「器は料理の着物」という言葉も残しています。作陶と料理は表裏一体です。ただその辺の関係を伺える展示はほぼありませんでした。パネルなどでもう一工夫があっても良かったかもしれません。
「魯山人の器 (NHK美の壺)/日本放送出版協会」
6月26日まで開催されています。
「北大路魯山人の美 和食の天才展」 三井記念美術館
会期:4月12日(火)~6月26日(日)
休館:月曜日、但し5月2日(月)は開館。
時間:10:00~17:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1300(1100)円、大学・高校生800(700)円、中学生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*70歳以上は1000円。
*リピーター割引:会期中、一般券、学生券の半券を提示すると、2回目以降は団体料金を適用。
*割引引換券
場所:中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅A7出口より徒歩1分。JR線新日本橋駅1番出口より徒歩5分。
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