「エマニュエル・ソーニエ展」 メゾンエルメス

メゾンエルメス
「ATM tempo I/II/III セロニアス・モンクに捧ぐ エマニュエル・ソーニエ展」 
7/14~10/31



メゾンエルメスで開催中の「エマニュエル・ソーニエ展」を見てきました。

1952年にパリに生まれたエマニュエル・ソーニエは、ジャズ・ピアニストのセロニアス・モンク(1917〜1982)へのオマージュとして、この展覧会を作り上げました。

タイトルのATMからして、ピアニストのA Thelonious Monkに由来しています。主に彫刻によるインスタレーションを展開していました。



構成はTempo1〜3と楽曲のようです。最初のTempo1からして独特でした。黒い彫刻がさながら空間全体を侵食するかのように置かれています。当然ながら、形は一定ではなく、床に這っていたり、壁に沿っていたりと、実に様々でした。幾つかは複数で組み合わさっているものもありました。



遠目では何で出来ているか見当も付きません。答えは木材です。いずれも黒い塗料で仕上げています。近づくと確かに木肌を確認することも出来ました。形は有機的とも呼んで差し支えないかもしれません。まるで未知の植物が至る所で生い茂っているようでもあります。

しばらく歩いていると壁の直線状の棒が木材でないことが分かりました。どうやらガラスの管のようです。やはり同じく黒く塗っています。さらに棒がアルファベットのMを象っているようにも見えました。これぞモンクを意味するのでしょうか。実際、このガラス管と木材は、モンクの「リズムやハーモニー」(解説より)を導いているそうです。ジャズの即興的なリズムなどを表しているのかもしれません。

このガラスこそソーニエが得意とする素材でした。そもそも作家は1980年年代のキャリア初期から、ガラスを重要な素材として利用してきました。

「ガラスに水や黒いインクを満たしたオブジェは、人間そのものの姿であり、薄い皮膜に覆われた/閉じ込められた人間の身体の重量と、透明になったその存在の脆さや儚さを暗示しているかのようです。」 メゾンエルメス公式サイトより



Tempo3における「キー」もガラスです。縦におおよそ3メートルほどの透明なガラス管が9本並んでいます。一見、床に直置きかと思いきや、その下には黒い本が敷き詰められていました。



ガラス管の上部には水泡が溜まっていて、管の中に水が満たされていることも分かります。このガラス管がすこぶるエルメスのガラス窓とよく映えて見えました。わずかにエメラルドグリーンに染まる姿も効果的です。ガラス本来の持つ美しさを引き出していました。



Tempo3ではほかにもスチールやガラスミラーなどを用いた彫刻も展示。光と影、さらに映り込む景色までを取り込んでは、繊細でかつ、どこか優美な空間を生み出していました。



なおエマニュエル・ソーニエは、2015年、ポンピドゥー・センター・メスより森美術館へと巡回してきた「シンプルなかたち展」にも参加していました。記憶に新しい方も多いかもしれません。



外光の差し込むエルメスのスペースです。日没後の景色もまた変化するのかもしれません。

10月31日まで開催されています。

「ATM tempo I/II/III セロニアス・モンクに捧ぐ エマニュエル・ソーニエ展」 メゾンエルメス
会期:7月14日(金)~10月31日(火)
休廊: エルメス銀座店の営業日に準ずる。
時間:11:00~20:00 
 *日曜は19時まで。入場は閉場の30分前まで。
料金:無料
住所:中央区銀座5-4-1 銀座メゾンエルメス8階フォーラム
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅B7出口すぐ。JR線有楽町駅徒歩5分。
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