都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ポスターで見る映画史Part3 SF・怪獣映画の世界」 東京国立近代美術館フィルムセンター
東京国立近代美術館フィルムセンター
「ポスターで見る映画史Part3 SF・怪獣映画の世界」
1/4~3/25

国内外のSF・怪獣映画ポスターが一堂に会しました。東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の、「ポスターで見る映画史Part3 SF・怪獣映画の世界」を見てきました。

「金星ロケット発進す」 1960年 クルト・メーツィヒ監督
前半は海外のSF・怪獣映画です。冒頭を飾るのは、1927年に公開された、古典的SF映画の「メトロポリス」のポスターでした。フリッツ・ラング監督によるドイツのサイレントの作品で、制作時から100年後のディストピア的世界を描きました。ポスターは1984年のリバイバル版でしたが、日本初公開時のパンフレットもあわせて展示されていました。幾何学モチーフを駆使したデザインは、今もなお、新鮮に映るかもしれません。

左下:「原始怪獣現わる」 1953年 ユージン・ロリー監督
「原始怪獣現わる」のポスターも迫力満点でした。1953年にアメリカで制作された作品で、映画史上、初めて核実験で誕生した怪獣が登場し、のちに日本の「ゴジラ」にも影響を与えました。牙を向いては街に襲いかかる怪獣の姿と、大混乱の中で逃げ惑う人々の光景には臨場感もありました。当時も、相当のインパクトをもって受け止められたのではないでしょうか。
スタンリー・キューブリック監督の映画ポスターも見どころの1つです。うち目立つのは、宇宙ステーションをデザインした、「2001年宇宙の旅」のポスターでした。言わずとしれたSF映画の金字塔で、私もリアルタイムでこそなかったものの、子どもの頃に何度かTVやメディアで見ては、かのラストへと至る謎めいたシーンに、何とも不思議な気持ちにさせられたことを思い出しました。
さらに続くのが、1960年代から80年代へ至るヨーロッパのSF映画で、タルコフスキーの名を世界に広めた「惑星ソラリス」などのポスターが目を引きました。
昨年12月にエピソード8が公開された、「スター・ウォーズ」シリーズのポスターもありました。1977年に公開の「新たなる希望」にはじまり、1980年の「帝国の逆襲」、さらに「ジェダイの帰還」から、のちにエピソード1として公開された「ファントム・メナス」へと続きます。第1作〜第6作目までの歴代ポスターが揃っていました。

「スター・ウォーズ 公開一周年記念ポスター」 1978年
また第1作の日本公開時に来日した、スタッフ、出演者が直筆のサインをした「スター・ウォーズ 公開一周年記念ポスター」も見逃せません。写真では分かりにくいかもしれませんが、スター・ウォーズ1周年を祝うためのケーキを模した部分に、監督のルーカスをはじめ、ハン・ソロのハリソン・フォード、さらにレイア姫のキャリー・フィッシャーらのサインが記されていました。なお一周年とあるのは、日本の公開が、アメリカより1年後であったためだそうです。まさにお宝ポスターでした。
さらに1970年代末から80年代にかけて、世界的にヒットした「エイリアン」、「グレムリン」、「ターミネーター」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ロボコップ」などのポスターも展示されています。またファンにとって嬉しいのが、1979年に公開された「スター・トレック」のポスターがあったことでした。七色の光の放つ宇宙空間の中を、カークやスポックの姿とともに、エンタープライズ号が進む姿をデザインしています。スター・トレックの原作者でもある、ジーン・ロッデンベリーが自ら製作した、記念すべき映画版の第1作でした。
後半は日本のSFと怪獣映画のポスターです。うちやはり目立つのが、一連の「ゴジラ」のシリーズで、1954年の1作目より、2004年の「ゴジラ FINAL WARS」までの13点のポスターが紹介されていました。とりわけ熱線を吹き出しながら、暴れるゴジラの立ち姿を描いた1作目のポスターは強烈で、赤く太い「ゴジラ」の題字も、先の「原始怪獣現わる」を彷彿させなくもありません。
そのゴジラのヒットにより生み出された、モスラやガメラなど、ほか怪獣映画のポスターも充実していました。中でもポスター8枚を並べ、幅3メートルにも及ぶ「モスラ」のポスターは圧巻の一言でした。これほどに巨大なポスターをどこに貼ったのでしょうか。
ラストは1970年以降の日本のSF映画のポスターでした。小松左京原作の「日本沈没」や、筒井康隆の小説に基づく「時をかける少女」も興味深いかもしれません。海外SF映画や日本の怪獣映画のポスターとはまた違ったセンスが感じられました。
全117点の展示です。ほかに映像や資料も加わります。何も映画の内容を知らずとも、ポスターを前にするだけでわくわくさせられるような展覧会でした。
数枚のポスターのみ撮影が出来ます。(掲載写真は、撮影可能コーナーで撮影。)
3月25日まで開催されています。
「ポスターで見る映画史Part3 SF・怪獣映画の世界」 東京国立近代美術館フィルムセンター(@MOMAT60th)
会期:1月4日(木)~3月25日(日)
休館:月曜日。
時間:11:00~18:30
*入館は閉館30分前まで
料金:一般250(200)円、大学生130(60)円、高校生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*常設展示「日本映画の歴史」の入場料を含む。
住所:中央区京橋3-7-6
交通:東京メトロ銀座線京橋駅出口1より徒歩1分。都営浅草線宝町駅出口A4より徒歩1分。
「ポスターで見る映画史Part3 SF・怪獣映画の世界」
1/4~3/25

国内外のSF・怪獣映画ポスターが一堂に会しました。東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の、「ポスターで見る映画史Part3 SF・怪獣映画の世界」を見てきました。

「金星ロケット発進す」 1960年 クルト・メーツィヒ監督
前半は海外のSF・怪獣映画です。冒頭を飾るのは、1927年に公開された、古典的SF映画の「メトロポリス」のポスターでした。フリッツ・ラング監督によるドイツのサイレントの作品で、制作時から100年後のディストピア的世界を描きました。ポスターは1984年のリバイバル版でしたが、日本初公開時のパンフレットもあわせて展示されていました。幾何学モチーフを駆使したデザインは、今もなお、新鮮に映るかもしれません。

左下:「原始怪獣現わる」 1953年 ユージン・ロリー監督
「原始怪獣現わる」のポスターも迫力満点でした。1953年にアメリカで制作された作品で、映画史上、初めて核実験で誕生した怪獣が登場し、のちに日本の「ゴジラ」にも影響を与えました。牙を向いては街に襲いかかる怪獣の姿と、大混乱の中で逃げ惑う人々の光景には臨場感もありました。当時も、相当のインパクトをもって受け止められたのではないでしょうか。
スタンリー・キューブリック監督の映画ポスターも見どころの1つです。うち目立つのは、宇宙ステーションをデザインした、「2001年宇宙の旅」のポスターでした。言わずとしれたSF映画の金字塔で、私もリアルタイムでこそなかったものの、子どもの頃に何度かTVやメディアで見ては、かのラストへと至る謎めいたシーンに、何とも不思議な気持ちにさせられたことを思い出しました。
さらに続くのが、1960年代から80年代へ至るヨーロッパのSF映画で、タルコフスキーの名を世界に広めた「惑星ソラリス」などのポスターが目を引きました。
昨年12月にエピソード8が公開された、「スター・ウォーズ」シリーズのポスターもありました。1977年に公開の「新たなる希望」にはじまり、1980年の「帝国の逆襲」、さらに「ジェダイの帰還」から、のちにエピソード1として公開された「ファントム・メナス」へと続きます。第1作〜第6作目までの歴代ポスターが揃っていました。

「スター・ウォーズ 公開一周年記念ポスター」 1978年
また第1作の日本公開時に来日した、スタッフ、出演者が直筆のサインをした「スター・ウォーズ 公開一周年記念ポスター」も見逃せません。写真では分かりにくいかもしれませんが、スター・ウォーズ1周年を祝うためのケーキを模した部分に、監督のルーカスをはじめ、ハン・ソロのハリソン・フォード、さらにレイア姫のキャリー・フィッシャーらのサインが記されていました。なお一周年とあるのは、日本の公開が、アメリカより1年後であったためだそうです。まさにお宝ポスターでした。
さらに1970年代末から80年代にかけて、世界的にヒットした「エイリアン」、「グレムリン」、「ターミネーター」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ロボコップ」などのポスターも展示されています。またファンにとって嬉しいのが、1979年に公開された「スター・トレック」のポスターがあったことでした。七色の光の放つ宇宙空間の中を、カークやスポックの姿とともに、エンタープライズ号が進む姿をデザインしています。スター・トレックの原作者でもある、ジーン・ロッデンベリーが自ら製作した、記念すべき映画版の第1作でした。
後半は日本のSFと怪獣映画のポスターです。うちやはり目立つのが、一連の「ゴジラ」のシリーズで、1954年の1作目より、2004年の「ゴジラ FINAL WARS」までの13点のポスターが紹介されていました。とりわけ熱線を吹き出しながら、暴れるゴジラの立ち姿を描いた1作目のポスターは強烈で、赤く太い「ゴジラ」の題字も、先の「原始怪獣現わる」を彷彿させなくもありません。
そのゴジラのヒットにより生み出された、モスラやガメラなど、ほか怪獣映画のポスターも充実していました。中でもポスター8枚を並べ、幅3メートルにも及ぶ「モスラ」のポスターは圧巻の一言でした。これほどに巨大なポスターをどこに貼ったのでしょうか。
ラストは1970年以降の日本のSF映画のポスターでした。小松左京原作の「日本沈没」や、筒井康隆の小説に基づく「時をかける少女」も興味深いかもしれません。海外SF映画や日本の怪獣映画のポスターとはまた違ったセンスが感じられました。
全117点の展示です。ほかに映像や資料も加わります。何も映画の内容を知らずとも、ポスターを前にするだけでわくわくさせられるような展覧会でした。
【フィルムセンター】本日4日、展覧会「ポスターでみる映画史Part 3 SF・怪獣映画ポスターの世界」が開幕しました! ここでしか見られない幅約3メートル、8枚組の『モスラ』巨大ポスターにぜひご対面ください→ https://t.co/4ETvLHbD24 pic.twitter.com/f3Amv1qkJx
— 【公式】東京国立近代美術館 広報 (@MOMAT60th) 2018年1月4日
数枚のポスターのみ撮影が出来ます。(掲載写真は、撮影可能コーナーで撮影。)
3月25日まで開催されています。
「ポスターで見る映画史Part3 SF・怪獣映画の世界」 東京国立近代美術館フィルムセンター(@MOMAT60th)
会期:1月4日(木)~3月25日(日)
休館:月曜日。
時間:11:00~18:30
*入館は閉館30分前まで
料金:一般250(200)円、大学生130(60)円、高校生以下無料。
*( )内は20名以上の団体料金。
*常設展示「日本映画の歴史」の入場料を含む。
住所:中央区京橋3-7-6
交通:東京メトロ銀座線京橋駅出口1より徒歩1分。都営浅草線宝町駅出口A4より徒歩1分。
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