「石内都『絶唱、横須賀ストーリー』」 横浜美術館

横浜美術館
「特集展示 石内都『絶唱、横須賀ストーリー』」 
2017/12/9~2018/3/4



横浜美術館の写真展示室では、企画展の「石内都 肌理と写真」にあわせ、石内のデビュー作である「絶唱、横須賀ストーリー」を紹介する展示が行われています。


石内都「絶唱、横須賀ストーリー」 1976〜77年

「絶唱、横須賀ストーリー」は、「Apartment」、「連夜(れんや)の街」と並ぶ、石内の初期三部作の1つで、例の黒い粒子を伴った、ざらりとした肌合いの肌理を特徴とするモノクロームの連作です。


石内都「絶唱、横須賀ストーリー」 1976〜77年

そもそも横須賀は、石内が6歳から19歳の間に暮らした街でした。しかし軍港の街に対して必ずしもポジティブではなく、むしろ馴染まなかったと語っています。石内は横須賀を離れてから9年後の1976年に再び戻り、おおよそ1年間かけて撮影しました。


石内都「絶唱、横須賀ストーリー」 1976〜77年

街全体を俯瞰した作品から、古びたアパート、そして小道で子どもが走り、猫がやぶにらみする様子など、何気ない日常の光景が捉えられています。不思議な距離感がありながらも、時に人の生活の気配が強く、街のいわば体温、言い換えれば臭いが感じられるような気がしてなりませんでした。馴染まなかったとはいえ、多感な思春期を過ごした地のことです。複雑な感情が投影されているのかもしれません。


写真集「絶唱、横須賀ストーリー」

「絶唱、横須賀ストーリー」は、いずれも横浜の自宅の暗室で現像したヴィンテージプリントで、全部で55点ありました。さらに撮影時に使用した地図のほか、10年後に横須賀港で撮影した、「同級生」シリーズのうちの2点も展示されていました。


石内都「絶唱、横須賀ストーリー」 1976〜77年

もちろん企画展のチケットで観覧出来ます。写真展示室はコレクション展の一番最後のスペースです。お見逃しなきようご注意下さい。


3月4日まで開催されています。

*関連エントリ(いずれも横浜美術館にて3/4まで開催中)
「石内都 肌理と写真」/「コレクション展 全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真」

「特集展示 石内都『絶唱、横須賀ストーリー』」 横浜美術館@yokobi_tweet
会期:2017年12月9日(土) ~ 2018年3月4日(日)
休館:木曜日。但し3月1日(木)は開館。年末年始(12月28日~1月4日)。
時間:10:00~18:00
 *3月1日(木)は16時、3月3日(土)は20時半まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般500(400)円、大学・高校生300(240)円、中学生100(80)円。小学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体。要事前予約。
 *毎週土曜日は高校生以下無料。
 *当日に限り、企画展「石内都展」のチケットで観覧可。
住所:横浜市西区みなとみらい3-4-1
交通:みなとみらい線みなとみらい駅5番出口から徒歩5分。JR線、横浜市営地下鉄線桜木町駅より徒歩約10分。
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