「メガ恐竜展2015」 幕張メッセ

幕張メッセ
「メガ恐竜展2015」
7/18-8/30



幕張メッセで開催中の「メガ恐竜展2015」のプレスプレビューに参加してきました。

現在、地上で最も大きな動物はアフリカゾウ。体重は平均で8トンにも及び、体長も6メートルを超えます。しかしながら今から1億4500年前にはゾウよりも遥かに大きな動物が陸上を闊歩していました。

それが竜脚類と呼ばれる動物、つまり恐竜です。うちスペインで見つかったトゥリアサウルスは全長30メートル。体重は推定40トンです。ゾウからして長さも体重もおおよそ5倍。現在では最大級の竜脚類だったと考えられています。

何故に恐竜は大きくなったのか。ずばりそれが大きなテーマです。だからこその「メガ恐竜」。世界各地の巨大恐竜の復元骨格や実物の化石などが一堂に集まっています。


「ショニサウルス 頭骨」 後期三畳紀(カナダ) 北九州市立いのちのたび博物館

巨大化する生き物の進化、初めは海で始まりました。例えばショニサウルスです。後期三畳紀に生きていた全長21メートルの魚竜類、長い顎を持っていたそうですが、意外にも殆ど歯はなかったそうです。骨格は世界で初めて制作された頭骨の復元です。ぎょろりと睨むような大きな眼が特徴的でもあります。


「サウロドン 全身骨格」(実物) 白亜紀(アメリカ) 群馬県立自然史博物館

白亜紀に生きた長さ2メートルの魚の実物骨格が出ていました。サウロドンです。薄く長細い巨大魚類、下顎の先には尖った歯がついています。ちなみに上の写真の右側で大きな口を開いているのがカルカロドン。時代は進んで中新世の大きなサメです。全長10メートル。今のサメと同様に鋭い歯を見せています。


「パレオパラドキシア 全身骨格」 中新世(日本・岩手県) 群馬県立自然史博物館

陸の巨大な動物もお目見えしています。頭のサイズだけで1メートルをこえるのはマチカネワニです。発見されたのは大阪の豊中。祖先はヨーロッパにありますが、アフリカやインドを経て日本にやってきました。またパレオパラドキシアの全身骨格も迫力があるのではないでしょうか。海生哺乳類です。体長は2.5メートル。海水と淡水の交じる場所で海の動植物を食べて生きていました。

ハイライトへ進みましょう。それはもちろん竜脚類。過去、地球の陸上で最も巨大化した恐竜です。中生代には全ての大陸に生息していたと言われています。


「カマラサウルス亜成体 全身骨格」(実物) 後期ジュラ紀(アメリカ) 群馬県立自然史博物館

貴重な実物の骨格です。カマラサウルスは後期のジュラ紀に生きた竜脚類。全長5メートルですが、骨格の全てが実物の化石で出来ているというから驚きです。


「カマラサウルス 上腕骨」(実物) 後期ジュラ紀(アメリカ) ミュージアムパーク茨城県自然博物館

カマラサウルスの上腕骨の本物に触れることが出来ました。長さはおおよそ1メートル。実は「メガ恐竜展2015」では随所にこのような「さわってみよう!」のコーナー、ようはハンズオンの展示があります。見て、さらに触れて楽しめるというわけなのです。


「トゥリアサウルス 部分骨格(半身)」 後期ジュラ紀(スペイン) ディノポリス

トゥリアサウルスの復元骨格が日本へ初めてやって来ました。先にも触れたように全長は30メートル、幕張メッセの天井付近まで首がのびています。また頭骨や歯の化石も同じくお披露目。ちなみに頭の化石については本国スペインでも一度も展示したことがなかったそうです。ようは世界初公開ということになります。


「トゥリアサウルス 上顎骨」(実物) 後期ジュラ紀(スペイン) ディノポリス ほか

これらの化石が発見されたのは比較的最近の2003年のこと。東中央スペインの南部、リオデバという小さな町の近郊で発掘されました。

腕の骨の形が特徴的だったことから、竜脚類の中でも未知のグループに属することが判明したそうです。おおよそゾウの10倍近くもある長い首は高い場所にある植物を食べるためにも効果的でした。本展の総合監修をつとめたマーティン・サンダー氏によればクレーンのイメージに近いそうです。

また竜脚類の首の自体も軽く、動きやすかったと言われています。軽量化という観点からは、それこそ幕張メッセの天井の骨組みにも近いというお話もありました。


「エウロパサウルス 全身骨格」 後期ジュラ紀(ドイツ) ディノパーク

トゥリアサウルスの隣にやや小ぶりの竜脚類がいました。エウロパサウルスです。全長6メートル。ジュラ紀のドイツに生息したものですが、興味深いことに現在発見されている竜脚類の中で唯一、小型化した恐竜として知られています。つまりこの骨格の個体は子どもというわけではありません。


「エウロパサウルス 産状」(実物) 後期ジュラ紀(ドイツ) ディノパーク

何故に小型化したのでしょうか。キーワードは「島嶼矮小化」です。エウロパサウルスが見つかったのはドイツの小島。元々は大きな種であったと推測されているそうですが、島の環境、ないし生息域に対応するために、次第に小型化。またエウロパサウルスの捕食者がいなかったそうです。結果的に巨大化する必要がありませんでした。

ちなみに手足の骨の発見例は多いそうですが、今回のように頭部が見つかるのは比較的珍しいそうです。脆い頭蓋骨はなかなか原型を留めてはくれません。


「エウヘロプス 全身骨格」 前期白亜紀(中国) 福井県立恐竜博物館

白亜紀に入ると竜脚類は多様な進化を遂げます。うちアジアで初めて発見されたのがエウヘロプス、全長10メートルです。20世紀初頭、発見地は中国山東省の地層です。オーストラリアの古生物学者が発掘しました。


「ティラノサウルス 全身骨格」 後期白亜紀(アメリカ) 山口県立山口博物館

人気のティラノサウルスの全身骨格も展示されています。全長は約11メートルです。ちなみにティラノは竜脚類ではなく獣脚類恐竜。視覚や聴覚にも優れ、動きが俊敏だったことから、特に北アメリカにおいて生態系の頂点にいた捕食者だったと言われています。


「メガ恐竜展2015」会場風景

恐竜が何故に巨大化したのかについてはパネルでかなり詳しく紹介されていました。また恐竜の食事、特にフンの化石のハンズオンコーナーも面白いのではないでしょうか。多少勇気がいるやもしれませんが、実物のフンの化石を触ることも出来ます。

ラストは時代を超えて哺乳類へと進みます。また会場の幕張に因んだのでしょう。千葉県内から発見された巨大化石なども目を引きました。


マーティン・サンダー ドイツ・ボン大学教授(総合監修)
ルイス・アルカラ スペイン・ディノポリス館長
アーミン・シミット ドイツ・ディノパーク研究員


「トゥリアサウルス」を中核に巨大恐竜たちが目白押しの「メガ恐竜展2015」。骨格、化石ほか資料含めて200点超の展示です。さすがにスケール感がありました。

一部の標本資料を除いて撮影が出来ます。もちろん骨格を背にした記念撮影も可能です。カメラをお忘れなきようご注意下さい。


「メガ恐竜展2015」会場入口

夏休み限定の展覧会です。会期中のお休みはありません。8月30日まで開催されています。

「メガ恐竜展2015 巨大化の謎にせまる」@mega_dino2015) 幕張メッセ 国際展示場11ホール
会期:7月18日(土)~8月30日(日) 
休館:会期中無休。
時間:9:30~17:00 入館は閉場の30分前まで。
料金:大人(高校生以上)2000円 、子ども(4歳~中学生)1000円。3歳以下無料。
住所:千葉市美浜区中瀬2-1
交通:JR線海浜幕張駅より徒歩5分。JR線・京成線幕張本郷駅から京成バス「幕張メッセ中央・QVCマリンフィールド」行きに乗車、「海浜幕張駅」及び「タウンセンター」、「幕張メッセ中央」下車徒歩3~5分。

注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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